kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三の総理大臣復帰を許した時点で「勝負あった」秘密保護法案

特定秘密保護法成立3日前の昨日(12/3)、こんな報道があった。


http://www.47news.jp/CN/201312/CN2013120301002378.html

映画愛する皆さん秘密法案反対を 高畑勲監督ら


 「映画を愛する皆さんが反対の声を上げてくださるよう、心から呼びかけます」。日本の映画監督や俳優ら269人が3日、成立の可能性が高まる特定秘密保護法案に反対するよう、映画人やファンに求める呼びかけ文を発表した。

 高畑勲山田洋次の両監督ら5人が連名で呼びかけ文を作成。2日までに、是枝裕和宮崎駿の両監督や俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさんら日本を代表する映画人を含む264人の賛同が集まった。高畑監督らは3日に「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」を結成し、廃案を目指すとしている。

共同通信 2013/12/03 17:28)

いかにも「動きが遅すぎる」というほかないだろう。他にもこんな報道がある。


http://mainichi.jp/select/news/20131204k0000m040065000c.html

秘密保護法案:「反対する学者の会」参加2000人超す


 ノーベル賞受賞者ら31人の学者が結成した「特定秘密保護法案に反対する学者の会」は3日、結成から5日間で参加者が2006人になったと発表した。

 同日は8人が代表して記者会見し、劇作家の平田オリザ・大阪大教授は「『物言えば唇寒し』という空気を合法化する法案だ」と批判。佐藤学学習院大教授(教育学)は「戦後最大の民主主義の危機」などと語った。

 同会はノーベル賞学者の益川敏英・名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長や白川英樹・筑波大名誉教授らが11月28日に結成。同法案の廃案を訴えている。【日下部聡】

毎日新聞 2013年12月03日 20時13分(最終更新 12月03日 21時03分)

こちらは法案成立から8日前の発足。

だが、会期最終日の「重要法案の駆け込み成立」といえば、2006年の「改正教育基本法」という前例がある。今と同じ安倍晋三が総理大臣をやっていた頃だ。当時の法案成立3日前に書かれたブログ記事を拾ってみた。


臨時国会会期末目前、教育基本法「改正」に反対する。もちろん共謀罪も。 - M. H. Square.

臨時国会会期末目前、教育基本法「改正」に反対する。もちろん共謀罪も。


 もう成立するんじゃないかという観測が目立った教育基本法「改正」案が、12月12日現在まだ成立していない。
 こうなった要因には、めちゃくちゃな法案改定に反対する世論が、大手マスメディアの黙殺にもかかわらず強いことがあるだろう。さらには、法案提出側である政府の関係者が、意見を聞く場であるタウンミーティングでやらせ質問をしていたという、法案提出者としての資格そのものを疑わせるような問題が発覚したり、「改正」案の中身を先取りしたような「教育行政」を強引に進めてきた東京都の石原慎太郎知事が、自分の外遊に規定を大幅に上回る税金を使い続けてきたことなど、「改正」推進派の面々のお粗末な振る舞いが明らかになったことも影響しているだろう。衆議院で、与党単独での強行採決をしたが、その後世論調査の支持率が続落中の安倍政権の事情もあるかもしれない。

 今度の教育基本法「改正」には、国家権力が、あるべき国民の姿を設定し、そこに権力を使って誘導するという意図が見え隠れしている。まあ、ベタに言ってしまうと、一部のエリート育成と、そのエリートに従順に従うその他大勢の一般人を育成することを目指しているもの、としか言いようがないだろう。実際、東京都の公立学校で過去数年間何が行われてきたかを見れば、今回の「改正」の行く先はある程度推測できる。あとは、そんなことになったときに、自分と自分の周りの人々にどんなことが起こるのか、そこをどれだけリアルに想像できるかで、この問題の受け止めは変わってくるだろうと思うぐらいだ。(エリートになれると思う人間にはいいかもしれない。でもそう思っているアンタが本当にエリートとになれるかどうかは別問題、ということだ。だいたい「改正」を主張するエリートたちが、いままさにどんな振る舞いをしているか。それをよく見ることが大事だと思うが如何に。)(後略)

(『M.H. Square』2006年12月12日付エントリより)

あの時と同じで、国会の会期最終日に参院本会議で強行採決して法案を可決するのは最初からわかり切っていた。同じ人間が総理大臣をやっているからである。安倍晋三自民党総裁にして、衆議院選挙に圧勝させて、参議院選挙にも圧勝させたという三段跳びを許した時点で「勝負あった」のだった。

4年前に政権交代がなった時、私は新政権が「教育基本法」を再改正するなら認めてやっても良いが、と書いたら、したり顔の保守のコメンテーターから批判を受けたことがある。その時、「ああ、『現実的』を気取る連中の考え方はこの程度か」と思い、彼らに軽侮の念を抱いたものだ。今回の「特定秘密保護法」も「改正教育基本法」と同様、いつまでも残って日本に害毒を垂れ流し続けるだろう。