今日は都合により「きまぐれな日々」はお休み。今週から来週にかけての2週間のうちいずれかの日に(必ずしも月曜日とは限らず)新規の記事を公開するつもり。
さて、朝日(3/17)1面記事より。
http://www.asahi.com/articles/ASG3J6T84G3JUTFK004.html
横田さん夫妻、孫娘とモンゴルで対面 幼児同席、ひ孫か
外務省は16日、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの両親、滋さん(81)と早紀江さん(78)が10〜14日にモンゴル・ウランバートルを訪れ、めぐみさんの娘キム・ウンギョン(ヘギョン)さん(26)らと面会したと発表した。横田さん夫妻とウンギョンさんの面会は初めて。
日本政府は否定しているが、日朝双方は昨年末から少なくとも計3回、秘密に接触。今回の面会は、拉致問題の解決を最重要課題の一つとする安倍政権の主張に、北朝鮮として応じる用意があるとの考えを示したものだ。今後は拉致問題などの解決と国交正常化をめざし、接触が本格化する可能性がある。
複数の政府関係者によると、面会にはウンギョンさんの子どもと見られる幼児も参加。日朝の両外務省担当者らも同行した。双方の会話の内容は明らかにされていない。
北朝鮮は2002年の第1回日朝首脳会談の際、めぐみさんは「死亡した」と伝達。拉致問題の「象徴」でもあり、幕引きに躍起になった。北朝鮮での横田さん夫妻とウンギョンさんとの面会も提案したが、夫妻は訪朝による幕引きを懸念し、応じてこなかった。
政府高官によると、日本側がモンゴルでの面会を提案。北朝鮮が受け入れたという。面会の事実は、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)と支援団体「救う会」には事前に伝えられなかったが、横田さん夫妻の年齢や第三国での面会を考慮し、今回の行動に理解を示している。
不安定な政治体制と経済難から、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権は昨年夏ごろから日韓に接近。中韓との外交に行き詰まる安倍政権が応じ、昨年12月に中国で外務省課長級の予備秘密協議を、今年1月と2月にベトナムと香港で秘密協議をそれぞれ実施。今月3日には中国・瀋陽で外務省担当課長の非公式協議も開いた。
こうしたなか、「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮が面会に応じたことで、拉致問題が進展する可能性が出てきた。19、20両日には瀋陽で、外務省担当課長による非公式協議が行われる見通しで、一昨年11月以来となる外務省局長級協議の開催で合意するとの見方も出ている。
日朝双方は今後、他の被害者も含めた拉致問題の解決に向け、秘密協議も本格化する可能性がある。ただ、解決の基準をどこに置くのか、高度な政治判断を求められる。米韓などは北朝鮮による核、ミサイル問題の解決も求めており、日朝首脳会談による最終的な決着まで、なお時間がかかりそうだ。
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ウンギョンさんの名前をめぐっては、めぐみさんの夫だったとされる韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)さんが2006年6月に北朝鮮で記者会見した際、「本名はウンギョンで、ヘギョンは幼名だ」と説明している。
(朝日新聞デジタル 2014年3月16日20時48分)
日朝関係と言えば、第1次小泉内閣時代の訪朝のあと、安倍晋三が対北強硬姿勢を打ち出し、その頃既に右傾化がある程度進んでいた日本国民の歓心を買って、「自民党の若手のホープ」とかなんとか言われたものだ。その際安倍晋三とその一派は時の内閣官房長官・福田康夫を「悪者」にしたため安倍と福田の関係は悪化。小泉純一郎は2003年に安倍晋三を自民党幹事長に「抜擢」したが、福田康夫は翌2004年春に、自らに年金未納の時期があったことを口実にして突如内閣官房長官を辞任してしまった。
その後、第1次安倍内閣では、日朝関係は全く進展しなかったが、そのあとの福田内閣では日朝関係改善に力を入れていた。しかし福田康夫が安倍晋三同様に政権を投げ出すと、その後の麻生政権や3代の民主党政権の時代には日朝関係に特に大きな進展はなかった。
ところが、安倍晋三が総理大臣に返り咲いたあと、日中・日韓関係が決定的にこじれた上、日米関係もぎくしゃくするようになると、安倍晋三とその一派はロシアとともに北朝鮮との関係改善に活路を求めたのである。
今から30年前、まだゴルバチョフがソ連共産党書記長になる前に、日本の右派が「ソ連の脅威」を云々していた時代の人々に、30年後の日本に極右政権が現れ、KGB出身のロシア大統領や「金王朝」の3代目とウマが合って仲良くする、などと教えてやったら、腰を抜かして仰天するだろう。
来月には消費税率も上がり、内政でも波乱要因が強まるが、外交では中韓との対話ができず、日米関係をも戦後最悪にしてしまう一方で、ロシアや北朝鮮との関係を目に見えて改善させる第2次安倍内閣という「異形の政権」は、今後いかなる迷走をするのだろうか。多くの日本国民にとっては、利益を全くもたらさず、害毒を垂れ流すだけの政権であるだけに、より一層厳しく政権を監視していく必要がある。