ちょっと書く機を逸しかけていたが、遅ればせながら書いておく。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140604/stt14060421560009-n1.htm
橋下系39人 石原系22人 石原系7月下旬に新党結成
日本維新の会の国会議員団の分党後の動向が4日、固まった。内訳は橋下徹共同代表(大阪市長)側が39人、石原慎太郎共同代表側が22人、無所属1人。各議員は5日に松野頼久国会議員団幹事長に届け出る。石原系は4日夜、都内のホテルで記者会見を開き、7月下旬をめどに新党を結成する方針を明らかにした。新党準備会の座長に山田宏衆院議員が就任、5日に準備会の初会合を開く。
記者会見には石原、山田両氏ら22人が出席した。石原氏は、新党結成について「仲間と同志が集まりこれからの道を歩む決心をした。日本の政治に一石を投じたい。自主憲法制定は党是だ」と決意を表明した。結党のキーワードとして(1)自立(2)新保守(3)次世代−を挙げた。安倍晋三政権との関係については「徹底した是々非々だ」と述べた。
新党準備会で今後、綱領や基本政策の策定を急ぐ。
(MSN産経ニュース 2014.6.4 21:56)
この記事が出た一昨日よりも、石原系はさらに1人増えて23人になった。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014060500872&g=pol
橋下系37人、石原系23人で確定=2新党7月にも発足−維新分裂
分党する日本維新の会の橋下徹、石原慎太郎両共同代表がそれぞれ結成する新党の勢力が5日、確定した。衆参62人の所属議員が執行部に進路を届け出た結果、「橋下新党」37人(衆院31人、参院6人)、「石原新党」23人(衆院20人、参院3人)、無所属2人となった。分党の事務手続きに1〜2カ月かかるとみられ、二つの新党の発足は7月下旬以降になる見通しだ。
橋下氏や松野頼久国会議員団幹事長ら橋下新党の参加予定者は5日夜、大阪と東京を映像で結んで記者会見し、統治機構改革を新党の優先課題とする方針を説明。橋下氏は野党再編に全力を挙げる考えを示し、「結いの党との合流の後、民主党の一部とタッグを組めれば、国民に選択してもらえる野党になる。できればみんなの党にも入ってもらいたい」と述べた。
松野氏は「今までより軸足を野党に置いた国会運営をしていく」と語った。一方、石原新党のメンバーも新党準備会の初会合を衆院議員会館で開催。7月末の結党に向け、党名や綱領などを検討する委員会を設置することを決めた。
無所属を選択したのは西岡新、林原由佳両衆院議員。ぎりぎりまで態度を明確にしていなかったアントニオ猪木参院議員は石原新党入りを決めた。
石原新党への参加者は当初、石原氏に近い旧太陽の党出身のベテランら10人程度にとどまるとの見方もあった。しかし、政策に食い違いがある結いとの合流や、国会議員ではない橋下氏が党運営を仕切ることに批判的な中堅・若手らが石原氏側に流れた。(時事通信 2014/06/05-21:27)
「最後の1人」は安倍晋三同様(?)、北朝鮮と親密なアントニオ猪木だった。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014060500876
維新議員の分党後の所属先
【橋下新党=37人】
《衆院》小沢鋭仁(7)、谷畑孝(6)参(1)、松野頼久(5)、松浪健太(4)、石関貴史(3)、今井雅人(2)、阪口直人(2)、清水鴻一郎(2)、小熊慎司(1)参(1)、足立康史(1)、伊東信久(1)、井上英孝(1)、岩永裕貴(1)、上西小百合(1)、浦野靖人(1)、遠藤敬(1)、河野正美(1)、木下智彦(1)、坂本祐之輔(1)、椎木保(1)、重徳和彦(1)、新原秀人(1)、鈴木望(1)、鈴木義弘(1)、高橋美穂(1)、馬場伸幸(1)、丸山穂高(1)、村岡敏英(1)、村上政俊(1)、百瀬智之(1)、山之内毅(1)
《参院》片山虎之助(4)、室井邦彦(2)衆(1)、東徹(1)、儀間光男(1)、清水貴之(1)、藤巻健史(1)
【石原新党=23人】
《衆院》平沼赳夫(11)、石原慎太郎(9)参(1)、園田博之(9)、中山成彬(7)、藤井孝男(5)参(4)、中田宏(4)、山田宏(2)、上野宏史(1)参(1)、桜内文城(1)参(1)、今村洋史(1)、坂元大輔(1)、杉田水脈(1)、田沼隆志(1)、中丸啓(1)、西田譲(1)、西野弘一(1)、松田学(1)、三木圭恵(1)、三宅博(1)、宮沢隆仁(1)
《参院》アントニオ猪木(2)、中山恭子(2)、中野正志(1)衆(3)
【無所属=2人】
《衆院》西岡新(1)、林原由佳(1)
(※注意=丸数字は当選回数。敬称略)(時事通信 2014/06/05-19:36)
ほんの少し前まで、橋下新党が50人程度、石原新党は10人ちょっとと見られていたが、いざ蓋を開けてみると23人もの議員が石原新党入りを決めた。報じられるところによると、かなり前から橋下一派との訣別を決意していた石原慎太郎は、日本維新の怪の議員に、自らの陣営に加わるよう説得していたらしい。橋下一派からすれば「寝耳に水」だった可能性がある。
ところで、上記は時事通信からの引用だが、リンク先の時事通信の記事には、橋下新党、石原新党合わせて60人の「国会議員情報」へのリンクが張られている。私は、大物議員たちを除いて橋下新党も石原新党も知らない面々ばかりなのだが、石原新党の23人のうち、当選回数4回以下の「国会議員情報」を参照して、選挙区選出の衆院議員は大阪13区の西野弘一ただ1人であり、それ以外は、中田宏と山田宏を含めて全員比例代表であることを知った。
この事実から私が思い出したのは、2012年初めに民主党から真っ先に逃げ出した「新党きづな」の連中である。彼らはほぼ全員小沢系の比例代表の議員だった。つまり、前回の衆院選では追い風に乗って当選したものの、次の選挙で当選する見込みのほとんどない連中であり、彼らが小沢一派の民主党離党を呼び込もうとしたのが「新党きづな」の結成だった。念願叶って、彼らは小沢一派が結成した「国民の生活が第一」に合流し、さらに小沢一派が嘉田由紀子や飯田哲也らと組んで結成した「日本未来の党」でこの年暮れの衆院選に臨んだものの、彼らはあえなく全員落選したのだった。
それと同じで、普通に考えれば「石原新党」の衆院議員たちは、次の衆院選を「石原新党」単独で戦えば、中田宏や山田宏をも含めて大部分が落選すると思われるのだが、石原はどう言って彼らを仲間に引き込んだのだろうか。
ここからは勝手な想像だが、次回の衆院選に現在81歳の石原慎太郎が出馬しない可能性が高く、現在74歳の平沼赳夫の去就も微妙と思われることから、石原は自らの引退を機に、改憲、もとい自主憲法制定の夢を、安倍晋三や城内実や稲田朋美ら、次代の「極右」連中に託し、自らの新党を自民党に合流させようと考えているのではないか。つまり、石原新党に入れば、次の総選挙では自民党の公認がもらえるとかなんとか言って彼らを釣ったのではないかと想像されるのである。
もちろん何の根拠もない勝手な想像だが、小選挙区制で小政党が生き残ることの難しさを考えれば、あり得ない話とも限らないのではなかろうか。