kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

鈴木「あきヒーロー」章浩は「単独犯」ではなかった

セクハラ野次で自民党離党に追い込まれた鈴木章浩だが、当然のことながら週刊誌ネタになっている。たとえば右翼週刊誌である『週刊文春』を立ち読みすると、鈴木は大田区では人気絶大でパトロンの実業家も多いとか、自民党都議連は当初鈴木の名前を出さずにうやむやに終わらせようとしていたのを、石破茂がねじ込んで鈴木の名前を出させたとか*1、都議選では宣伝カーから「ヒーロー、ヒーロー、あきヒーロー」なるお馬鹿な宣伝文句でウケを狙っていたことなどが面白おかしく書かれていた*2。だが、さすがは右翼週刊誌というべきか、野次を飛ばされた「みんなの党」の塩村文夏都議の行状についても書き立てていた。

当ダイアリーにも、特に名を秘すが某安倍晋三支持者が、某月刊誌のサイトにリンクを張って、「維新塾の頃、小沢一郎からその能力を買われてスカウトされたともいわれる人物だ」などと書いたコメントを寄越してきた。私は最初、鈴木章浩は維新の怪や小沢一郎ともつながっているのかと思ってリンクをたどってみたら、なんのことはない被害者の塩村文夏のことだった。もっとも、安倍支持者が鈴木章浩に不利な情報を寄越すとは変だなあと思っていたから、その疑問はたちどころに解消された次第だ。安倍支持者の魂胆は見えすいており、要するに鈴木「あきヒーロー」に野次を飛ばされた塩村文夏都議がろくでもない前歴を持っていることを示すことによって、間接的に鈴木章浩を免罪しようとしたのである。いかにも安倍支持者らしい下劣な浅知恵だ。

もちろん、塩村都議がどれほど恥ずかしい経歴を持っていようが、鈴木章浩らの行為の卑劣さはいささかなりとも減じられるものではないことは言うまでもない。

ところでこの件、世間の評判通り、セクハラ野次は鈴木「あきヒーロー」の単独犯ではなかった。

http://www.asahi.com/articles/ASG6W7RPPG6WUTIL02F.html

塩村都議の質問とヤジ、音声分析の結果は

塩村都議:東京は、都会であるがゆえに周囲との関係が希薄で、女性が妊娠、出産、育児にかかわる悩みを一人で抱えてしまうという弊害があります。(中略)妊婦さんを支える仕組みはとても重要であり、私も所属をする厚生委員会で、この件についての充実をお願いをしてきました

鈴木章浩都議の声:早く結婚した方がいいんじゃないか

男性の声:自分が産んでから

男性の声:がんばれよ

(議場で笑いが起きる)

塩村都議:今後、妊娠、出産に関して

男性の声:動揺しちゃったじゃねえか

塩村都議:悩みを抱える女性たちの問題に対し(中略)具体的な取り組みをお願いいたします。

男性の声:いやー、先生の努力次第

塩村都議:また、不妊の原因は女性だけではなく

男性の声:やる気があればできる

塩村都議:男性にも原因があります。男性の協力を得る難しさから、悩みが大きくなる女性たちのサポートも必要です

朝日新聞デジタル 2014年6月27日23時29分)

セクハラ野次を飛ばした全都議の実名がわかれば、これを公表すべきだし、マスメディアは実名を報じるべきだ。また、鈴木「あきヒーロー」は、自身の言葉通り議員辞職すべきだし、鈴木が居直るなら世論が強烈な圧力をかけて議員辞職に追い込むべきであろう。

なお、上記の記事は「朝日新聞デジタル」から引用したが、昨日(6/26)の朝日「オピニオン面」に掲載された「池上彰の新聞ななめ読み」に、朝日と読売はこの件の第一報を「都内版」にしか載せなかった、また全国紙各紙の1面コラムを比較して、「天声人語」は鈴木章浩が名乗り出た翌日に初めて取り上げ、他紙に後れをとったと指摘されていた。この件が外国メディアから批判されたことを考えると、池上彰が書く通り、朝日は「人権に関する感覚が問われて」しかるべきといえるかもしれない。

ましてや、某安倍支持者のごとく、被害者を貶めることで間接的に鈴木「あきヒーロー」を庇い立てしようとするなど、何をか言わんやである。

*1:鈴木章浩が極右思想の持ち主で安倍晋三との親和性が高いことから、安倍政権をいつまでも続けさせたくない石破が極右政治家に対して厳しい処分をさせたものではなかろうかと勘繰りたくなる。

*2:あきヒーロー」の件を読んだ時には思わず嘲笑が口元に浮かんでしまったが、その嘲笑は、鈴木章浩個人だけではなく、鈴木に投票した大田区有権者に対するものでもあったことを白状しておく。