kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

香川・東かがわ市で竹(ハチク)が開花。昨年は京都・長岡京市でも

3日前のニュースだが、香川県東かがわ市で竹(ハチク)が開花したらしい。

このページは削除されました|四国新聞社

竹の花開花/100年に1度!?の珍現象 東かがわ

 香川県東かがわ市入野山の県境にある竹林で、多数の竹が花を咲かせている。竹の開花は数十年から100年に1度といわれる非常に珍しい現象。花が散ると、同じ地下茎でつながっている竹はすべて枯れるとされており、周辺住民は「雨が多い時期だけに倒れた竹が災害につながらなければいいが」と不安を募らせている。

 竹はイネ科で、花は稲穂に似ている。現地を確認した県みどり整備課によると、竹の種類はハチク。同市小磯でも開花が確認されており、今後、数年かけて開花が各地に広がっていく可能性があるという。竹の開花周期はモウソウチクが67年、マダケが120年、ハチクは60年などの説があるが、詳しいことは分かっていない。

 竹林は小川と市道の間に群生し、竹林に沿うように地区の集会所がある。近くに住む会社員工藤里美さん(41)は「枯れた竹が流れ出して下流の橋脚の間をふさいだり、倒れて集会所を壊したら大変」と話した。

四国新聞 2014/07/03 09:44)

竹の花が何十年に一度か一斉に咲いて枯れるという話は聞いたことがあったが、実際にニュースで流れた例は知らなかったのでちょっと調べてみた。まず香川での開花自体は県が正式に発表している。
香川県

竹の開花を確認しました!

発表日:2014年07月02日
 先週、香川県環境森林部みどり整備課に、東かがわ市の2名の方から「竹が開花しているのではないか。」との情報があり、当課の職員が現地で調査し、竹の開花を確認しました。


1 現地
(1)東かがわ市小磯の竹林
(2)東かがわ市五名の竹林


2 竹の開花
(1)竹の開花は珍しく、開花の周期は、モウソウチクが67年、マダケが120年、ハチクが60年等との説がありますが、確実な周期は分かっていません。
(2)県内の竹の主な種類は、モウソウチクマダケ、ハチク。(ハチクは少ない。)
(3)今回開花を確認したのは、ハチク。
(4)竹の開花は、過去にマダケで一斉開花の経緯がある。何年かで開花のピークを向かえる(いわゆる一斉開花)。

異なる場所でも開花が確認されているので、一斉開花であることは間違いなさそうだ。しかし香川県さんよ、「開花のピークを向かえる」はないだろう。「迎える」ときちんと書いてくれ。かくいう当日記も誤変換は日常茶飯事だが、個人ではなく県の名前でやってるのだから。

竹という植物はイネの仲間だそうだが、竹の実は「枯れた竹が流れ出して下流の橋脚の間をふさいだり、倒れて集会所を壊した」りもあるかもしれないが、竹の実を餌とする野鼠が大量繁殖するという話もあるようだから、そちらの対策の方が重要かもしれない。

今回開花したハチクについて、Wikipediaから引用する。

ハチク(淡竹)は中国原産の竹の一種。黄河流域以南に広く分布し、日本ではモウソウチクマダケに次いで各地でよく植栽されている。北海道南部以南に分布し、モウソウチクよりも耐寒性を有するために特に日本海側に多い。山地では野生化しているものもある。別名アワダケ、呉竹(くれたけ)。

さて、ハチクの開花だが、調べてみたら昨年京都の長岡京市でも発生していた。当時の京都新聞の記事のリンクが残っており、アクセスできる。

お知らせ : 京都新聞

長岡京 ハチク 神秘の花 120年周期 全国現象の前触れか

 京都府長岡京市の竹林で、ハチクの花が咲き、稲穂のような形状のふくらみが枝先に多数ついている。長年タケノコを栽培してきた竹林所有者は「花を見るのは初めて」と不思議がり、およそ120年周期の全国的な一斉開花の前触れでは、と専門家は推測している。

 同市井ノ内の農業橘敏一さん(78)が5月末、作業で竹林を訪れたところ、50本ほどのハチクの上部に黄緑色の花が大量に咲いているのに気づいた。イネ科のため花びらはなく、小穂(しょうすい)と呼ばれる鳥のくちばし状のふくらみからおしべなどが出ていた。橘さんは「ここでは戦後まもなくハチクの栽培を始めたが、今まで花が咲いたことはなかった」と話す。

 竹文化振興協会(京都市左京区)の渡邊政俊専門員は「ハチクの開花周期は120年ぐらいとみられ、明治期の論文などから2020年代後半に全国的に一斉開花すると予想していた。長岡京市のケースはその前触れだろう。珍しい現象だ」と話している。

京都新聞 2013年06月05日 14時00分)

おお、なんとハチクは明治時代に一斉開花していたのだ。京都新聞の記事には専門家のコメントもついている。明治時代の学者の予測が裏付けられそうだというのが興味深い。開花の周期も、四国新聞香川県の言う60年ではなく、120年前後の方が真実に近そうだ。京都にしても香川にしても120年にはちょっと早かったけれど、記事の通りこれらは「前触れ」であって、今後ハチクの開花が全国的に見られる可能性が高い。つまり、野鼠対策は全国的に必要になるかもしれない。なお、竹の実は人間が食べるにはまずいし、放置しておくと有毒成分が生じるらしい。

同じような例として、マダケが1950年代後半から1970年頃にかけて世界で一斉開花した例があるようだ。

福岡県八女市*1のサイトより。
http://www.city.yame.fukuoka.jp/sec/k22/b3.html

竹の開花

 竹の開花は、「竹の死病」とも言われるほど被害が甚大で、管理次第では絶滅することもあり、開花前の大きさに回復するまでには15〜20年を要するといわれています。
 その原因は学問的な定説はなく、「栄養説」・「太陽黒点説」・「伝染病説」・「周期説」などの諸説があります。
 近年では、竹の開花は竹の生理的な現象で、周期的(60〜70年)に開花している事例が見られています。
 また、竹の種類によっても開花の形態が異なり、過去、県内の開花で大きな問題となっているのはマダケ、カシロタケ、ハチクが主なもので、モウソウチクの開花で問題になった記録はありません。


■1.マダケ類の開花

 最近の開花事例としては、前述のように昭和33年(1958)頃杷木町で始まり、その後、昭和37年〜39年(1962〜1964)をピークに県下全域に広まり、昭和45年(1970)頃まで続きました。この開花林の完全回復には、昭和60年(1985)代までの15〜20年を要しました。この間、国内産の竹材生産が大幅に減少したために中国などからの竹材、さらには竹製品の輸入が急増し、国内の竹材生産・竹加工業界に大きな打撃を与えました。


■2.カシロタケの開花

 カシロタケでは、大正6年(1919)に始まり大正14年(1925)頃まで開花していますが、その面積は星野村浮羽町等を中心に1,000ha以上にも達しています。折りしもこの頃は、日露戦争後の木材不足で林業ブームの時であり、星野村の開花竹林の跡地の多くはスギ林に林種転換され、これが八女林業の元ともなっています。


■3.モウソウチクの開花

 モウソウチクの開花は、毎年と言ってよいくらい「どこか」で、「数本〜数十本規模」で見られてきました。このようにモウソウチクでは、マダケやハチクのように数百haといった大規模一斉開花の事例は見られていないし、数年間続けて開花していることもありません。

開花が始まった1958年から「昭和60年代」の終わり(1989年1月7日)までは、15〜20年ではなく約30年だと思うが、ハチクも同じように開花するとすれば、これから当分の間、全国のどこかでハチクの開花が見られるようになるかもしれない。

蛇足だが、竹の開花は凶事の前兆ともされる。長岡京市で開花が確認された2013年は第2次安倍内閣発足1年目で、今回の東かがわ市の開花は集団的自衛権の政府解釈変更と時期が重なる。そりゃ凶事の前兆も現れようというものだ。

*1:確か堀江貴史の出身地だったと思うが、ネット検索でたまたま引っかかっただけで、このサイトを選んだ理由に他意はない。