kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

御嶽山噴火あれこれ

安倍晋三の内閣がまたしても凶悪な労働者派遣法改正案を閣議決定して国会に提出するなどのニュースとか、朝日(10/2)のオピニオン面で社会学者の樋口直人氏が「極右を保守から切り離せ」というのだけれど、総理大臣の安倍晋三自身が極右だからそんなこと無理に決まってるだろとか、いろいろ書きたいことは多いのだが、個人的な目下の関心は、やはり御嶽山噴火に集中してしまうのであった。ただ、片山さつきの「糞化(ふんか)」(笑)*1の件は昨日書いたのでもう書かない。と言いつつ、片山が自民党Tweetの取り消しと謝罪を命じられて、「私が言ったんじゃないのに」とか不平たらたらの様子でしぶしぶ取り消しと謝罪を行ったらしいことは記録しておく(ざまあ)。

さて、御嶽山噴火で亡くなられた方の死因は、大半が噴石の直撃を受けたためだったという。噴石の速度は時速350〜360キロだったらしく、プロ野球大谷翔平投手の速球の倍以上、テニスのビッグサーバーの最速のサービスの1.5倍ほどにもなる。想像するだに恐ろしい話である。私は高校生時代に、火山でも何でもない地元の低山の麓で、こぶし大くらいと思われる落石が頬を軽くかすめて肩に直撃を受けたことがある。それは草野球のへなちょこ投手くらいの球速だったかもしれないが、頬からの出血と肩の痛みで身体を動かすのが辛くなってが極端に鈍くなり、ほうほうの体で逃げ帰ったことがある。ましてや火山弾の直撃がいかに恐ろしいかは想像に余りある。

また、きまぐれな日々 御嶽山噴火が明らかにした「川内原発再稼働は論外」の現実(2014年9月29日)に、

 ところでこの御嶽山は、かつては「死火山」と思われていたが、1979年10月28日に水蒸気爆発を起こした。これが有史以来最初の御嶽山の噴火であった。それ以来、「死火山」や「休火山」という言葉は用いられなくなった。1979年の噴火の前兆として、1968年から噴気が観測されていたとのことだ。

と書いたが、「死火山」「休火山」などの言葉が見直されたのは、それより少し前らしい。東電原発事故の被災者批判でひんしゅくを買った早川由紀夫が繰り返しTweetしているが、彼の専門分野での発言であるし実際その通りであるようだ。有史以来火山活動の記録のなかった火山が噴火した例として、1955年の雌阿寒岳があり、御嶽山でも1968年には噴気が観測されていたこともあって、御嶽山は60年代には「活火山」と認定され、同時にその頃から「死火山」「休火山」の言葉は、少なくとも公式には使われなくなったらしい。

その早川由紀夫Tweetより。

https://twitter.com/HayakawaYukio/status/517066759204274177

繰り返し言う。この噴火は、とくべつ大きかったり強かったり、なにか通常でないことが起こったわけではない。ごくごく典型的な水蒸気爆発だ。50人以上の人が死んだのは、単純に火口にそばに大勢いたからだ。典型的な水蒸気爆発で500メートル以内にいれば、それは死ぬ。既知の火山学だ。


これも、まあそうなんだろうなと思う。ちなみに、35年前に御岳が噴火を起こした1979年10月28日は日曜日だったはずだが、秋も深まった頃の3000メートル級の御嶽には登山客はほとんどいなかったのであろう。

最後に、こんな話があった。ちょっとオカルトじみている。

御嶽山噴火は1週間前に予言されていた? Yahoo!知恵袋に謎の投稿 | ハフポスト

御嶽山噴火は1週間前に予言されていた? Yahoo!知恵袋に謎の投稿
The Huffington Post
投稿日: 2014年09月29日 12時38分 JST 更新: 2014年09月29日 12時38分 JST


 「予言者がいたとは・・・」「これは噴火の予知ですよね」。御嶽山噴火をめぐるネット上の投稿が話題となっている。

 9月27日、7年ぶりに噴火を起こした御嶽山。突然の水蒸気爆発で、登山客の死者が続出するなど大きな被害が出ているが、気象庁の担当者は会見で「噴火の予知は困難だった」とする認識を示した。しかし、この噴火を1週間前にQ&Aサイトの「Yahoo!知恵袋」に9月20日、次のような質問が掲載されていた

 岐阜県御岳山の登山道で今回の噴火で影響がある道は有りますか?また噴火した場所に一番近くまで行くにはどの登山道がいいでしょうか? 私見ですがもう廃道になってますが旧湯川温泉山荘へ繋がる登山道が良いのではと思っていますが荒れ果てた山道どうなってるのかご存知の方みえますか?

(maccatney0さん 2014/9/20 09:11)


 この質問に対して、21日に「今年噴火してないでしょう!」とする回答があったが、質問者の「9月に入って噴火してますよ 」と冷静だった。この投稿は当時、ほとんど話題になっていなかったが、27日の噴火後に再発見されネット上で拡散した。

 「なぜ噴火を予言できたのか?」。Yahoo!知恵袋で本人への問い合わせが相次いだが、29日に彼は次のように解答した。

 お答えします。噴火一週間まえですから9月21日はその一週間前に水蒸気爆発が有ったと言うニュースを聞きました。 で急がねば口永良部島の二の舞になってしまうと火口見学を急いだのは確かです

(maccatney0さん 2014/9/28 22:51)


 しかし、水蒸気爆発は2007年以降、9月27日になるまで観測されていなかった。この人は、未来のニュースでもキャッチしたのだろうか。しかし、9月上旬のニュースを調べると、水蒸気爆発こそ起きていなかったものの、御嶽山ではある「異変」が起きていた。

■9月上旬、御嶽山では火山性地震が急増

 9月10日、御嶽山では火山性の地震が一日に85回も発生、2007年の噴火以来の回数となっていた。気象庁では「火山灰等の噴出の可能性」を警告しており、NHKでもそのことを報じていた。問題の投稿は、このニュースのことを指摘していた可能性もありそうだ。

 岐阜県と長野県の境にある御嶽山で、10日昼ごろから火山性の地震が増えていて気象庁は火口付近では火山灰などの噴出に注意するよう呼びかけています。

NHKニュース「御嶽山で火山性の地震増加」のグーグルキャッシュより 2014/09/11 19:08)


古くは、タイタニック号の沈没する夢を見たという話もあったから、質問者は御嶽山が水蒸気爆発したという夢でも見たのかもしれない。不思議なこともあるものだとは思うが、それ以上でもそれ以下でもない。火山性の地震については、朝日の天声人語子の同僚記者が、噴火の2週間前に御嶽山に登った時、その情報を知っていたと書かれていたと記憶する。しかし、それと「水蒸気爆発があった」という断言との間には大きな距離がある。だからといってそれが「予知夢」だったとは考えないが。何しろ多くの人がいるのだから、たまたまそういう思い込みを持っていた人がいたということだろう。