kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

阪神・西岡、「守備妨害は故意」と自ら認める

最近のプロ野球人気低落もあって、レベルの低い一部阪神ファンが「誤審」「ソフトバンクが審判を買収した」などと騒いだだけの日本シリーズの幕切れだが、当事者の阪神・西岡が守備妨害の走塁を故意に行っていたのを認めていたことを記録しておく。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141031-00000066-dal-base

阪神・西岡がFBで守備妨害を釈明「スレスレを走って体に当たれと思いながら…」

 阪神西岡剛内野手が31日、自身のフェイスブックを更新。自らの守備妨害で幕切れとなった日本シリーズ第5戦(30日、ヤフオクドーム)を振り返り、問題のシーンについて釈明した。

 0−1の九回1死満塁、西岡の放った打球は一塁へのゴロとなった。「打った瞬間、僕はゲッツーを確信しました」という。打球をさばいたソフトバンク一塁手の明石は本塁へ送球して封殺。さらに捕手・細川が一塁へ転送した球が西岡の左手に当たった。

 「ルールで内側に入って送球が当たれば守備妨害は百も承知です!ルールを知った上で打った瞬間ゲッツーになると思ったので、少しの可能性にかけて内側から外側に走って行くものを、ライン上スレスレを走って体に当たれと思いながら走ってました!僕は送球が当たるときに足が外側にあればいいと思って走ったので、僕なりにルール上ギリギリのプレーはしたつもりでした!」

 あくまでルールを守ろうとする意識はあった西岡。しかし「ギリギリのプレー」を、審判は守備妨害と判断した。

 「この考えにも賛否があると思いますが、正直に伝えたいからフェイスブックでコメントさせていただきました。いろんな意見ありますが全て受け止める覚悟です!」

 守備妨害についての釈明はしたものの、負けたことについて言い訳するつもりはない。

 「最後の最後に喜ばすことができなかった今の自分の力に悔しさだけです。優勝できなかったのは全ての責任があります!だから同情しなくていいです!ボロクソ言ってくれていいです!!僕らはプロの世界で生きていて、球場に見に来てチケットやグッズを買ってもらったおかげで給料をもらい、生きています!だからどんな言葉でも受け止めます。僕の責任です」とファンへの謝罪の思いをつづった。

(デイリースポーツ 10月31日(金)23時33分配信)


西岡は試合終了直後には「故意でやるはずがない」とコメントしたと報じられていたが、一夜明けると一転してあっさり「故意でやった」ことを認めたわけだ。なお、西岡の意図に反して、捕手からの送球が西岡に当たった時、西岡が完全にフェアゾーンの中にいたことについては昨日書いた。阪神ソフトバンクのどちらのファンでもない私は、予断なく動画を調べ、西岡は文句なくアウトだったことを確認したのである。

ただ私は、西岡は千葉ロッテ時代の輝きを失ったなあとは思うけれども、今回の西岡の走塁や試合後のコメントは、別に取り立てて非難すべきものだとは考えていない。野球とは「盗塁」「隠し球」などのプレーがあることからもわかるように、盗んだり騙したりが公然と認められているスポーツであって、プロの選手ともなれば、選手はルールすれすれのところでプレーするのが当たり前だからだ。試合後のコメントにしても、監督が額に青筋立てて抗議している時に、「いや、あれは故意でした」などとは口が裂けても言えるはずがない。

また、仮に私が西岡を「卑怯な選手」として非難したなら、下記の事実がブーメランとなって返ってきて、その直撃を食っただろう。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/special/calender/calender_10august/KFullNormal20100801255.html

【8月30日】1995年(平7) 古田敦也“妨”走でゲームセット

 【横浜1―0ヤクルト】3万人の観衆は一瞬何が起こったか分からなかったに違いない。二塁ベース付近ではヤクルト側が渡田均二塁塁審に猛抗議。一転して目を三塁側ベンチ前に移すと、横浜・斎藤隆投手のヒーローインタビュー。試合が終わったのか、終わっていないのか、わけの分からない神宮球場での23回戦は最終回に問題のプレーがあった。

 9回、1点を追うヤクルトは1死一、二塁と一打サヨナラの好機を迎えた。完封ペースの斎藤を引きずりおろし、守護神・佐々木主浩投手が登板。6番真中満右翼手との勝負となった。

 カウント1―1からの3球目。打球は一塁へのゴロとなった。駒田徳広一塁手が二塁へ送球した。併殺打なら一気にゲームセット。一塁走者の古田敦也捕手はなんとかゲッツーだけは阻止しようと猛然とスライディングをした。

 が、それはスライディングというより、二塁ベースに入った進藤達哉遊撃手にタックルするようなものだった。しかも、アウトになった後も進藤の下半身に抱きつくようにその動きを止めようとした。

 進藤は二塁から三塁に進んだトーマス・オマリー一塁手をけん制しようと三塁を向いた時のことだった。渡田二塁塁審が古田の守備妨害を宣告。よって打者走者の真中もアウトとなり、ダブルプレーが成立。2死一、三塁で同点あるいは逆転のチャンスが続いたはずが一瞬にして試合終了となった。

 渡田塁審が適用したルールは野球規則の七・〇九(f)「アウトになったばかりの打者または走者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合は、その走者は味方のプレーヤーが相手の守備を妨害(インタフェア)したものとして、アウトを宣告される」だった。古田の守備妨害によって、本来ならアウトにもセーフにもなる可能性のあった真中もアウトになったのだ。

 判定に喜ぶ横浜ナインの間をヤクルト・野村克也監督以下、渡辺進水谷新太郎両コーチがベンチを飛び出し、二塁付近へ駆け寄った。

 「なんで勝手に守備妨害と決めるんや。あれぐらいどこのチームもやっとるやないか!」激しい口調で詰め寄った野村監督に、渡田塁審はさらに説明を付け加える。「古田は二塁へ走っているときから、送球を邪魔するように斜めに走って、スライディングも正当とは認められず、故意性は明らか。一塁に投げて間に合ったかどうかは問題ではない」。

 判定が覆るわけでもなく、野村監督はさんざん嫌味を言った後、引き上げたがもちろん納得したわけではなかった。「こんなこと40年やってきて初めてや。審判の権限の乱用やで。連盟提訴?それで何か変わるんかい?何かしてくれるのか。これだけのファンの前で、こんなん幕切れはファン無視や。古田も悪いかもしれんが、いきなりではなく、注意でいいやないか」。

 2年ぶり優勝を目指すヤクルト。6ゲーム差をつけているとはいえ、残り試合が6試合多い2位広島の存在が不気味だった。なんとしても勝ちたいという執念が古田に好走と“妨”走の紙一重のプレーをさせたようだ。


古田敦也も「守備妨害で試合終了、スコアは1対0」をやらかしていた。しかし古田は運が良かった。この年はその後、ヤクルトが広島を引き離して優勝し、神宮球場での読売戦で敵将・長嶋茂雄に胴上げを見せつけ、日本シリーズでも「被災地・神戸のチームであるオリックス頑張れ」という逆風を受けながらそれをものともせず、4勝1敗でオリックスを圧倒したのである(オリックスは翌年「メイクなんとか」で勝ち上がった読売を4勝1敗で圧倒して鬱憤を晴らしたが、なぜかこの年にはマスコミは「被災地のオリックス頑張れ」とは言わなかった)。つまり最終結果が良かったから何も言われなかったし、それどころか古田はヒーローになった。

西岡剛は単に運が悪かったに過ぎない。しかし、そういう「プロ野球ではよくあるプレー」だとは知らずに、「誤審」「ソフトバンクによる審判買収」などと騒ぎ立てた阪神ファンは「野球を知らないバカ」としか言いようがない。昔は「野球を知らない」といえば「読売ファン」につく枕詞だったが、今世紀に入って(2001年オフの星野仙一入団以来)金権チームにのし上がるとともに人気も拡大した(現在では人気のピークは過ぎたようだが)阪神のファン気質も、かつての読売ファンのそれと寸分違わないものになってしまったようだ。