kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ミレッジ(ヤクルト)、2012年のソフトバンク戦で西岡よりひどい守備妨害をやっていた

日本シリーズソフトバンクの優勝を決めた阪神・西岡の守備妨害を、西岡本人が「意図的」(=故意)と認めた件は、一般紙にも報道された。

http://mainichi.jp/sports/news/20141102k0000m050078000c.html

日本シリーズ:「意図的な走塁」西岡が守備妨害認める

 阪神の西岡が、ソフトバンクとの日本シリーズ第5戦(10月30日)で守備妨害を宣告されたプレーについて、「ライン上スレスレを走って(送球が)体に当たれと思いながら走った」と、併殺を避けるための意図的な走塁だったことを認めた。31日付で更新した自身のフェイスブックに記した。

 西岡はフェイスブックの中で「送球が当たるときに足が外側にあればいいと思って走ったので、僕なりにルール上ギリギリのプレーはしたつもりでした」などと記した。西岡は試合後の取材に対しては「(ラインの)中に入ってから徐々に戻った。故意で(妨害を)できるはずがない」と主張していた。

 問題のプレーは0−1の九回1死満塁、西岡が一ゴロを打ち、一塁手が本塁に送球して封殺。捕手が一塁に転送した球が西岡の背中に当たり、審判が「完全に両足が(ファウルラインの内側に)入っていた」と守備妨害(西岡がアウト)を宣告されてゲームセットとなった。【吉見裕都】

毎日新聞 2014年11月01日 20時52分(最終更新 11月01日 21時31分)


この件を調べてみたら、面白い事実が次々にわかった。昼間書いた記事で、ヤクルトの古田が、優勝した1995年のシーズンで、やはり「1対0の負けを決める守備妨害」をやらかしていたことは既に書いたが、昨年のワールドシリーズ第3戦では、守備側の走塁妨害によるサヨナラがあった。その時の投手は元読売・現レッドソックス上原浩治だった(但し上原はこの試合の敗戦投手ではない)。また、極めつきは一昨年のセパ交流戦で、なんとヤクルトのミレッジが、西岡よりもっとひどい守備妨害をやらかしていた一件だった。しかも相手はソフトバンクで、この時ミレッジは守備妨害をとられていなかった。



上記動画の2分15秒あたりからミレッジのひどい走塁が確認できる。明らかな守備妨害で、秋山監督が抗議したが認められなかった。この時の捕手は日本シリーズ第5戦と同じ細川だったが(投手は同じく日本シリーズ第5戦先発の摂津。但し日本シリーズで西岡と相対したのはサファテだった)、動画に興味深いコメントがついている。

matatabinyan 2年前
ミレッジの走塁は何も問題無し。抗議する秋山はルール知らな過ぎwww

workkdd 2年前

確かに内側を走っただけじゃ妨害にならず、内側を走ったことが妨害になったと判断されて初めて妨害になる。だから別に審判の判定はルールどおり。ああいう場合はわざと打者走者にぶつけると古田が言ってたな


「ミレッジの走塁は何も問題無し」というのは明らかな嘘だと思うが、「内側を走ったことが妨害になったと判断されて初めて妨害になる」というのはその通りらしい。古田の発言は(伝聞だが)興味深く、古田は自分自身が守備妨害の走塁をやったこともあれば、相手にやられた時の対処の仕方も熟知していたことになる。プロ野球でMVPをとったこともある名捕手だから当たり前といえば当たり前かもしれないが。

で、この試合でミレッジに送球をぶつけなかったために審判に守備妨害を取ってもらえなかったソフトバンクの捕手は、日本シリーズ第5戦と同じ細川だ。だから、日本シリーズ第5戦の最後の場面では、細川の送球がそれて西岡に当たったのではなく、最初から細川が西岡の背中を狙って、意図的(故意)にぶつけたものであることは疑う余地がない。現に、送球が西岡に当たったあと直ちに、細川が守備妨害のアピールを主審に行っていたシーンが、試合の動画に映し出されていた。

そういうことなのだ。

西岡がフェアゾーンを走ったのが故意なら、細川が送球を西岡の背中に当てたのも故意。それを審判はきちんと見ており、正しい判定を下した。

これが事実だ。西岡も細川も審判も、皆やるべき仕事をきっちりやった結果、ソフトバンク阪神に勝った。西岡や阪神ベンチ(和田監督)が責められるとすれば、制球に苦しんでいたサファテに対して西岡が待球せず、あるいはベンチが「待て」の指示を出さずに西岡を打ち気に走らせ、その結果西岡が凡打に倒れてしまったことだけだろう。

一昨年のヤクルトとの交流戦での失敗の教訓を、日本一を決める試合で活かした細川は大した捕手だし、西岡の守備妨害を見逃さなかった審判もさすがだった。