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田母神俊雄、「次世代の党」公認で東京12区から出馬へ

あーあ。

田母神氏「次世代の党」から出馬、勝ち目は? | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

田母神氏「次世代の党」から出馬、勝ち目は?
立候補の狙いは「自公連立の解体」
安積 明子 :ジャーナリスト
2014年11月29日

田母神俊雄航空幕僚長が11月28日、東京12区から次世代の党の公認候補として次期衆院選で出馬することが決定した。

同党は26日、西村真悟氏を大阪16区の候補として公認したばかり。東京12区には元公明党代表太田昭宏国交相がいて、大阪16区には北側一雄公明党副代表がいる。いわば次世代の党からこの2名が、公明党の牙城に切り込んでいくという構図だ。

勝ち目はあるのか。28日の会見で、田母神氏はこう述べた。

「安倍政権の日本を取り戻すということには基本的に賛成だ。公明党は安倍政権がやろうとしていることに反対なので、自公連立政権で実現はできない。自公を分離させなければ、日本の将来は危ない」

すなわち公明党と闘い、自民票を引き剥がすという目論みだが、田母神氏にそれができるのだろうか。公明党関係者はこう述べる。

「全く心配していない。そもそも我々が独自候補を立てている9選挙区は、自民党の裏ブランドではない。地元の有権者とは長年の付き合いがある。我々の票は容易に動かない」

田母神氏の得票見込みは約12%

そもそも田母神氏は12区でどのくらいの票を獲ることができるのか。

今年2月の東京都知事選では、田母神氏が獲得した票は61万865票で全体の12.55%。12区は北区と足立区の一部(西部)で構成されるが、田母神氏は北区では1万6605票、足立区では2万5661票を得ている。それぞれ全体に占める割合は12.46%と11.75%になり、足立区内に票の偏りがないとするならば、田母神氏の得票率は全体の約12%になると推測できる。

これを2012年の衆院選挙の結果にあてはめてみよう。太田氏の得票数は11万4052票で全体の51.4%、比例区で復活当選した日本未来の党(当時)の青木愛氏は5万6432票で全体の15.4%だ。12%の田母神氏は彼らに及ばず、小選挙区当選は難しい。仮に4万票といわれる北区の無効票が全て田母神氏に入ると仮定しても、青木氏には勝てたとしても太田氏には及ばない。前述の公明党関係者が述べる通り、太田氏は2003年の衆院選以来、12区で約10万票の獲得し続けている。

だが田母神氏が比例区で高順位となれば当選の可能性がないわけではない。2012年の衆院選で、石原慎太郎氏を1位に据えた日本維新の会(当時)は、東京ブロックで129万8309票を獲得し3議席を得ている。今回も次世代の党は、いったん政界を引退する意思を漏らした石原氏を引き戻し、複数議席の獲得を狙っている。

田母神氏の立候補で割を食うのは?

では田母神氏の出馬により、誰がわりを喰うのか。それは青木氏ではないか。

青木氏は2009年の衆院選で、参院比例区から衆院東京12区に鞍替えした。幹事長として当時の民主党を勝利に導いたのは小沢一郎氏だったが、青木氏を鞍替えさせたのも小沢氏の戦略だった。アンチ公明票を狙うためには、若くて見栄えのいい女性を候補にするのがいい。この時は民主党が大躍進したこともあり、青木氏は11万8753票も獲得した。党代表として比例に重複立候補しなかった太田氏は、10万8679票も獲得しながら落選した。

しかし青木氏は2012年に民主党 を離党。日本未来の党公認候補として出馬した同年の衆院選では、得票数は前回の半分に減少し、惜敗率は50%に満たなかった。それでも勝利したのは、日本未来の党が東京比例区議席を1つ獲得したからだ。小政党ほど惜敗率が低くとも、比例区で救済されやすい。

そういうわけで田母神氏がアンチ公明票を狙うなら、青木氏の票が減ることになるだろう。公明党にとっては痛くもかゆくもない。

前述の公明党関係者はほくそえむ。

「我々は有権者の選択が広がることを歓迎する。むしろ共産党との一騎打ちの方が怖い。共産党が躍進すれば、彼らのプロパガンダに勢いがつくからだ」

公明党にとって田母神氏は敵ではないということか。もし次世代の党が予想以上に議席を獲得したとしても、自公連立を崩すのは難しい。

東洋経済オンラインより)


結論から言えば、田母神俊雄の当選はあり得ない。しかし、田母神の得票率は、都知事選の実績である「12%」をはるかに上回るであろうことは確実だ。

なぜなら、この選挙区には公明党太田昭宏がいるため、自民党から候補が立たない。そのため、前回2012年や「郵政総選挙」の2005年を除き、選挙戦はたいていの場合接戦になる。それで、2009年には青木愛が選挙区で当選できたし、前回も青木愛が大敗したとはいえ、それでも1議席しかなかった比例代表東京ブロックにおける日本未来の党議席に潜り込めたのだった。しかも、日本未来の党が分裂したあとの生活の党の政党支持率は極端に低迷している。つまり、現在は青木愛が先占権によって得ている東京12区の「非共産系野党候補者」の座は、民主党や維新の党にとっても垂涎の的だということだ。そこを、民主党から野党の選挙区調整の対象外にされた次世代の党が突いてきた。これ自体は、自党の議席増が至上命令である政党にとって当然の行動だと思うし、維新や次世代が立てているのと同じ選挙区に、民主や生活はどんどん公認候補を立てるべきだと主張している私としても、田母神の立候補を批判するのでは筋が通らない。しかも、公明党に代わる自民党の連立パートナーというのは、次世代の党の見果てぬ夢だ。つまり立候補の大義名分もある。敵(次世代の党)にしてみれば当然の策といえるが、実に嫌なニュースである。

もちろん田母神俊雄が当選する可能性は百に一つもないし、ましてや次世代の党が公明党を差し置いて自民党の「連立パートナー」になれる可能性にいたっては万に一つもない。公明党の票は、自民党政権自公政権)を安定させる最大の土台だし、次世代の党が公明党を出し抜くよりも、次世代の党自体が消滅する方が先だろう。

しかし、田母神俊雄の立候補によって、田母神は勝てないながらもかなりの票を獲得する。それが、私にとって最大の頭痛の種なのだ。

どういうことかといえば、私がもっとも警戒するのは、田母神の立候補が次世代の党の比例票を掘り起こし、その結果石原慎太郎が当選してしまうことである。この可能性は、もはや無視できないものになったことを認めざるを得ない。

つまり、田母神俊雄とは実質的な石原慎太郎の「人柱」にほかならないと私は見る。