kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

衆院選で苦戦が伝えられる小沢一郎を少しだけ持ち上げておく(笑)

毎日新聞に岩手4区で自民党の藤原崇が生活の党の小沢一郎を「一歩リード」しているとの情勢報道が出た件が話題になっている。昨夜はテレビ朝日報道ステーションが岩手4区と枝野幸男がいる埼玉5区の選挙戦を、論評抜きで紹介していた。自民党は早速菅義偉が岩手4区入りしたのに続き、今日は安倍晋三も同区に入るらしい(埼玉5区にも)。

もっとも時事通信の情勢調査を見ると、小沢は楽勝みたいな書きっぷりである。

毎日は朝日や「日経+読売」(日経・読売両社は協力して調査し、分析は別々に行っている)より精度に問題があり、時事も共同に劣るというのが私が持っているイメージだ。毎日と時事は、岩手4区の情勢調査の両極端であって、これまではどのメディアも、「接戦」とはしながらも小沢の名前を先に出していた。私としては週半ば以降に出る朝日と読売の予想を待ちたいと思う。

まあ生活の党は小沢が当選しても沖縄3区の玉城デニーと合わせて2議席、小沢が落選すれば1議席であり、小沢の当落が今後の日本の政治に与える影響は何もない。さる「小沢信者」とされるブログを覗いてみたところ、岩手4区の情勢を心配することなど何も書いておらず、それどころか「小沢さんは、共産党自民党の補完勢力と言い拒否しながら、維新という最大の自民党の補完勢力と手を組むっておかしいじゃありませんか」とか、「少数意見を汲み取らない、小選挙区制は間違っています」などと今頃書いている。そんなことは小沢がまだ政界で力を持っていた頃に書いておけよ、と思った。小沢は一昨年(2012年)、「私の意見は橋下市長と同じだ」というのを口癖にしていたが、その時に小沢をきちんと批判していたのかよと言いたい。手前味噌だが、私の小選挙区反対・比例代表制推奨論は、民主党政権交代確実と目されていた頃から自民党大圧勝目前の今に至るまで、全く意見が変わらず一貫している。上記の人について言えば、心底小沢に心酔していたブログ仲間に合わせて「小沢信者」を演じていただけであって、それは本心から出た意見発信ではないのではないかと前々から疑っていたが、どうやらその想像通りだったらしいことが、彼女のブログ仲間が事実上フェイドアウトしてしまった今になって証明された形だ(笑)。なお、小沢の名誉のために書いておくと、小沢が最近になって共産党を「自民党の補完勢力」と言ったのは確かだが、少なくとも昨年まで、つまり小沢が政治家としての矜恃をまだ保っていた頃には、そんなことは言ったことがなかったはずだ。民主党の「政権交代前」からずっと「共産党自民党の補完勢力」と言い続けてきたのは、小沢本人ではなく「小沢信者」どもだった。小沢は零落する過程で、自らが「小沢信者」に感化されてしまった感がある。これを、信者、もとい支持者が「大人の政治家」だった小沢一郎をダメにしてしまった、こんなひどい「ひいきの引き倒し」は見たことがないと寸評したブロガーがいた。私もその通りだと思う。

そんな小沢について、いただいたコメントを紹介する。きまぐれな日々 自民と民主は真剣さに雲泥の差。自民圧勝は当然の成り行き(2014年12月8日)へのコメント。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141208/1417997556#c1418027491

id:kemou 2014/12/08 17:31
甘言につられて次世代の党に流れた連中は馬鹿ですね。自民党が前回選挙で小選挙区当選した選挙区を譲る理由が皆無ですし、前回の維新の勢いに押されて負けた選挙区でも今回なら勝てる選挙区が増えるわけですから、これもまた譲る理由がありません。前回選挙で当選した維新の候補がいかに選挙音痴かというのがわかろうというものです。もっとも維新に巣食っていた大量の下品な極右議員が、維新よりもさらに勢いのない次世代の党に行ったことで丸ごとポイできることが確定的になったのですから、これは今回の総選挙の最大のメリットだったかもしれません。

民主党主導の野党共闘については、かつて小沢が民主党にいた頃にやっていた野党共闘に比べて遥かに下手なのは間違いないですね。小沢の選挙協力は冷徹で他党の候補のほうがより勝つ可能性が高いと見込まれる選挙区(社民なら沖縄2、大阪10、国新なら参院島根、広島6など)と、そしてどの党が出てもどうせ勝てない選挙区(東京8、宮城6、山形3など)のみを譲るという姿勢が徹底していました。小沢という政治家は基本的に評価してませんが、選挙協力にはこうした冷徹さが必要でもあるのでしょう。


おっしゃる通りだと思います。私は、海江田万里が慣れない「剛腕」を発揮しなければ民主党衆院選に勝てない、と書きましたが、それは皮肉でも何でもなく掛け値なしの意味合いにおいてでした。小沢が民主党代表時代に発揮したマキャヴェリズムは、大政党のリーダーにとって欠かせない資質だと思います。小沢にはその資質はありましたが、肝心なところで必ず逃げる小心さが小沢の致命的な欠点の一つでした*1民主党は、本当の意味で小沢に責任を取らせなかった、つまり小沢にとっておいしいポストである幹事長なんかに居座らせて、政策の失敗の責任を取らせなかったのが最大の失敗の一つでしょう。もう覚えている人はほとんどいないでしょうけど、私は「小沢に責任を取らせる」意味合いを込めて、2010年の菅直人との民主党代表選で小沢を応援しました。しかし、小沢は本気で勝ちたくなどなかったらしく、菅直人との政策の差別化をできずに敗れ去りました。

*1:他にも、本当に確立した自分自身の思想を持っていないことをはじめとして、小沢の欠点を挙げ始めたら限りはないけれど。