kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ワウリンカとバブリンカ、エドベリとエドバーグ、ムハンマドとマホメットなどなど

突如として暇ネタだが、先日テニスの全豪オープン錦織圭を破ったスイスの選手を、朝日など新聞は「ワウリンカ」と表記しているのに対し、NHKは「バブリンカ」と表記し、アナウンスしている。

調べてみたところ想像通り"w"の読みに関するもので、粗っぽくいえば英語式かドイツ語式かどちらの発音をするかの解釈で表記が分かれるものだった。スイスにおける彼の出身地方では、英語の"v"に近い発音をするとのことで表記が分かれるものだが、しょせん日本語で正確に表記できるものではないから、どちらでも構わないとは思う。ただ、英語式発音だと「ワウリンカ」に近くなるのかもしれない。

それだけなら記事を起こす気にはならなかったのだが、気づいたのは、かつてNHKの方が英語読みっぽい表記を採用していたことを思い出したからだ。それは、1990年頃のトッププレイヤー、Stefan Edberg についてであって、スウェーデン出身のこの選手を、新聞は「エドベリ」と表記したのに対し、NHKは「エドバーグ」と言っていた。

昔と今とでマスメディアの表記が違う例として、イスラム預言者ムハンマドを、かつてはマホメットと表記していたことが挙げられる。類似の例として、ボクシング選手の Muhammad Ali は、大部分のマスメディアに「モハメド・アリ」と表記されていた。70年代の毎日新聞は「ムハマド・アリ」と表記していたが、いつの間にか他紙に倣って「モハメド・アリ」の表記に変えていた。ただ、ネット検索をかけると、最近のスポーツ紙は「ムハマド・アリ」と表記しているようだ。これは新聞社の系列別ではなく、「一般紙対スポーツ紙」の違いになっている。日刊スポーツもスポーツニッポンサンケイスポーツも「ムハマド・アリ」表記になっている。それは、スポーツ紙各紙が配信を受けている通信社の表記がせいかと思って調べてみたら、やはり共同通信は「ムハマド・アリ」表記だった。時事通信は「モハメド・アリ」表記だが、スポーツ紙は大部分共同通信の配信を受けているようだ。

なお、ボクシング選手とは関係なく、イスラム預言者マホメット」の表記を毎日新聞が「ムハンマド」の表記に変えたのは1996年らしい。下記の登録者でなければ全文を読めない毎日新聞記事をみつけた。

http://mainichi.jp/shimen/news/m20150131ddm007070132000c.html

布施広の地球議:ムハンマドの研究

 日本人人質事件は多くのことを考えさせるが、「やはりイスラムは日本と縁遠いなあ」と思った方が多いのではなかろうか。

 そもそもイスラム教の預言者ムハンマドと呼ぶかマホメットと呼ぶか−−。還暦を過ぎた私はマホメットと習ったが、先日、書店で高校世界史の教科書を片っ端からめくるとムハンマドの表記が圧倒的で、初出のみムハンマドマホメット)とする教科書が一つだけあっ...


以後は登録していなければ読めないはずなのだが、Google検索をかけた時に、下記の文言が表示された。

そこで、信者の発音を優先しましょうと上司に提案し、了承を得て1996年からムハンマドマホメット)と書き始めた。この表記が定着し、今はカッコが外れた。毎日新聞のデータベースを見ると、それまでは外部の寄稿者を除いてマホメットと書く ...


毎日以外の新聞がいつ頃から現在の「ムハンマド」表記に変更したかはわからない。というかそこまで調べる気にはならなかった。