kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

自己責任論の「中興の祖」安倍晋三(元祖は小沢一郎)

安倍晋三が自己責任論の「本家」だと言ったところで、ネトウヨの仲間意識をくすぐって、ますます彼らの安倍晋三崇拝を強めるばかりだとは思うが、こんな記事がある。


この記事に、2004年のイラク人質事件当時に安倍がなした言動について書かれているので、これを引用しておく。

 約10年前の2004年、イラクでボランティア活動をしていた日本人3名が武装勢力に誘拐され、人質とされた事件で、いまと同じような自己責任論がわきあがり、すさまじいまでの人質バッシングが起きたことはご記憶の向きも多いと思うが、その発信源のひとつが当時の自民党幹事長、安倍晋三だったのだ。

 この事件で人質の拘束が発覚した直後から、自民党では右派議員を中心に「(人質の)家族はまず『迷惑をかけて申し訳なかった』といえ」「遊泳禁止区域で勝手に泳いでおぼれたのと同じ」「好んで危険地帯に入った人間を助ける必要があるのか」といった自己責任論があがっていた。また、人質が解放された後も無事を喜ぶどころか、外務省政務次官経験のある議員が「救出費用は20億円くらいかかった」などという情報を流したことで、「税金の無駄遣いだ」「チャーター機など出すべきでない」「被害者に費用を請求すべきだ」との声が続出した。

 実際、救出にかかった費用は1000万円程度で、人質になった3人は航空機の費用なども支払っており、これらの主張はデマに基づいたヒステリーとしかいいようのないものだったが、幹事長の安倍は各種の会合でこうした自己責任論と被害者費用負担論に全面的に同調。そして、人質が解放された翌日の会見では、自らこう言い放ったのだ。

「山の遭難では救出費用を遭難者に請求することもある」

 この無神経ぶりには唖然とさせられるが、これはただの失言ではなかった。安倍は自民党の総務会でも人質への費用請求を求める声を受け、「しっかり考える」「かかった費用は精査する」と答弁。実際に政府に請求を検討させる姿勢を見せたのだ。

 もっとも、こうした動きは意外な人物の発言で急転する。当時、日本社会のあまりに激しい人質糾弾の空気に欧米メディアから疑問の声が上がっていたが、そんななか、アメリカのパウエル国務長官が人質事件について「イラクの人々のために、 危険を冒して現地入りをする市民がいることを、日本は誇りに思うべきだ」と発言したのだ。

 イラク武力行使しながら武力行使に反対するボランティアの行動を尊重するというのは、“腐っても自由の国、アメリカ”という感じだが、それはともかく、この発言によって日本の政治家たちはクモの子を散らすように自己責任論から逃走した。それまで勇ましく「人質に救出費用を払わせろ」と言っていた自民党の右派政治家たちも完全に沈黙。マスコミの取材にもノーコメントをつらぬくようになった。

 それは安倍首相もまったく同じで、これ以後、一切自己責任論を口にしなくなった。第一次安倍政権のときに従軍慰安婦について勇ましく「旧日本軍の強制性を裏付ける証言は存在していない」と大見得を切りながら、アメリカに猛反発を受けて沈黙してしまったのとまったく同じパターンだ。

 ようするに、弱い自国民に対しては上から目線で恫喝をかけるが、自分より強いアメリカに言われたら何も言い返せない。それが連中の本質なのだ。


イラク人質事件当時、テレビで「自己責任論」をぶってイキっていたのは、辛坊治郎勝谷誠彦だった。たとえば勝谷については、2005年の左派陰謀論掲示板『阿修羅』にこんなことを書かれている。

http://www.asyura2.com/0411/senkyo7/msg/770.html

この勝谷さん、コラムニストと名乗っているが実はただの「元祖ネット右翼
投稿者 アルトン 日時 2005 年 1 月 22 日 15:07:26:me5B2UhB62KI6


以前イラク日本人人質事件の際に「朝まで生テレビ」に出演し、当時お得意だった自己責任論を開陳するのかと思ったら
小林よしのりに「自己責任論とやらはエセ右翼が都合良く利用してるだけ」と看破されてシュンとなっていた。
しょせんネット弁慶。昔どおり、うどんと旅のコラムと聞き書き稼業に専念してればよかったのに。


その勝谷はのちに(2007年以降)「小沢信者」と化した*1。勝谷の信奉する小沢一郎こそ「自己責任論」の元祖であることは言を俟たない。安倍晋三はさしずめ「中興の祖」といったところか。たとえば、2004年に、当時の「小沢信者」とおぼしき人間が、ネトウヨの巣窟・2ちゃんねるにこんな書き込みをしている。
http://money2.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1082795918/1

小沢民党政権下で自衛隊撤退を決定するしかないね。

1 :名無しさん@3周年:04/04/24 17:38 id:G9dmoBn6
  日本は、政権交代して軍隊を引き上げたスペインを見習えばいい。それには小泉
  自民党内閣は潔く退陣して、民主党に政権を渡すことが最低条件だ。政権を渡さ
  れた民主党政権下で自衛隊撤退を決定すればよい。しかし、菅直人ではいまいち
  国民の支持を得られないし、この難局を乗り切るには権力中枢での経験がなさ過
  ぎて不安だ。 じゃあ、どうするか。ラムズフェルドやパウウェルと互角に渡り合
  え、権力中枢での経験が豊富で、しかも「自己責任論」の」元祖小沢一郎に託す
  しかないと私は思うが、皆さんはどう思いますか?


このように、2004年当時は「小沢信者」自ら、小沢一郎が「自己責任論」の元祖であることを認めていた。

それが今では、小沢一郎が「自己責任論」の元祖だという事実を指摘しただけで、「小沢信者」がギャーギャー喚いてくる始末だ(もっとも「絶滅危惧種」ではあるが)。「安倍信者」ともども、「小沢信者」は歴史修正主義もたいがいにしろと言いたい。

*1:勝谷は2007年の初め頃から、それまでの安倍晋三びいきの主張を改め、小沢一郎を熱心に支持するようになった。