kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「維新が欠席、安保特別委の審議できず 自民に反発」はとんだ八百長

昨日(6/17)、紙面でだったかネットの無料公開版(なんとかデジタルには登録していない)だったか忘れたが、朝日で胸くその悪くなるような記事を読んだ。「胸くその悪くなる」対象には、記事に出てくる維新、自民両党のほか、ふざけた見出しをつけた朝日も含まれる。

http://www.asahi.com/articles/ASH6K42NKH6KUTFK006.html

維新が欠席、安保特別委の審議できず 自民に反発

 新たな安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会は17日、予定の一般質疑が行われなかった。維新の党が自民党の国会運営に反発し、衆院の各委員会の出席を拒んだため。特別委は22日に参考人質疑を行うことを決めたが、19日に審議を行うかどうかは未定だ。

 維新の馬場伸幸国対委員長によると、自民側から、両党間で修正合意した「同一労働・同一賃金」推進法案について、19日の衆院厚生労働委での採決を見送る申し出があったことなどに反発し、欠席したという。

 事態打開のため、両党の国対委員長らが国会内で会談した。自民側は申し出を撤回し、「同一労働・同一賃金」推進法案を、19日の厚労委で労働者派遣法改正案とともに採決することで合意したという。維新は午後から各委員会での審議に応じる方針を示した。

朝日新聞デジタル 2015年6月17日13時55分)


あたかも維新の党が自民党ともめているかのような印象を与える見出しがついているが、むろんこれは八百長である。自民党は、わざと「『同一労働・同一賃金』推進法案について、19日の衆院厚生労働委での採決を見送る申し出」をして、維新の党にそれに「反発」させ、同党があたかも「自民党にものを言う政党」であるかのようなイメージを維持させることに協力しているだけのことだ。実につまらないプロレスである。

これまで報じられるところによると、維新の党は、民主党及び生活の党と山本太郎となかまたちと共同で提出した「同一労働・同一賃金」推進法案を、自民党による骨抜きに他ならない修正を受け入れて成立させるのと引き替えに、労働者派遣法改悪案を衆院で採決することで自民と合意した。

だから、朝日の記事は「維新が欠席、安保特別委の審議できず 自民に反発」などではなく、「維新、19日厚労委の労働者派遣法改正案の採決に合意」でなければならなかった。朝日の見出しは、あたかも維新の党が自民党に対抗する政党であるかのような誤解を与えてしまうが、とんでもない。

維新とは、そして橋下徹とは、立憲主義を踏みにじる与党の安保法案成立に協力する前段階として、労働者派遣法改悪に協力する「ペテン政党」および「ペテン党首」でしかない。東京の山の手(に限るかどうかは知らないが)の「リベラル」は、ことに労働問題への関心が薄いように思われるが、それが広範な支持を得られない理由の一つになっていることをよく自覚すべきだ。また朝日新聞は、東京の山の手(特に中央線沿線)や阪神間などで購読者の多い新聞であり、そのセンスが今回の記事の見出しにも表れたのではないか。

実に気分の悪い自維の馴れ合いのプロレス(八百長)、そして実に気分の悪い朝日の記事だった。