kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

維新、志位和夫と手をつないだ初鹿明博の処分を検討

安保法案に反対するイベントに参加し、共産党委員長の志位和夫と手をつなぐという、民主の長妻昭のやらなかったことをやった維新の党衆院議員の初鹿明博に対して、維新の党が処分を検討しているという。当初産経のみが報じ、他紙の報道がないことから産経の報道が事実かどうかを疑問視する向きもあったが、毎日と朝日が相次いで報じたから、処分の動きがあることは確かだろう。以下3紙の報道を引用する。まず、感情的な書きっぷりが笑える産経の記事から。

維新、共産と「握手」議員の処分検討 初鹿氏、安保法案反対で街頭演説 「大阪都構想」の敵との連携問題視 - 産経ニュース

維新、共産と「握手」議員の処分検討 初鹿氏、安保法案反対で街頭演説 「大阪都構想」の敵との連携問題視

 安全保障関連法案に反対するイベントに共産党志位和夫委員長らと参加したとして、維新の党が初鹿明博衆院議員の処分を検討していることが28日、分かった。29日に党規委員会で協議する方針。

 初鹿氏は27日、安保関連法案を「戦争法案」だとして反対する都内のイベントに参加。初鹿氏は志位氏と街宣車に同乗し、「維新で共産党の方と握手したのは初めてだ。採決をさせないよう党の中で全力で頑張る」と訴えた。イベントには民主党菅直人元首相や「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎代表らも出席していた。

 共産党大阪都構想に強硬に反対したこともあり、遠藤敬国対委員長代理ら維新の大阪系が反発。初鹿氏の処分を執行部に求めた。ある大阪系幹部は、民主党出身の初鹿氏について「自ら離党を望んでいる行動にしか見えない」と述べた。

(産経ニュース 2015.6.29 01:25更新)


これを毎日が後追いした。

http://mainichi.jp/select/news/20150630k0000m010015000c.html

維新:初鹿議員の処分検討 安保法案反対イベント参加で

 ◇共産の志位氏らと並ぶ写真が「赤旗」に掲載される

 維新の党は29日の幹部会合で、初鹿明博衆院議員(比例東京ブロック、民主出身)が安全保障関連法案に反対するイベントに共産党志位和夫委員長らと参加したことを受け、処分を検討するため、柿沢未途幹事長が調査することを決めた。大阪系議員らが問題視し、執行部に処分を求めたという。

 初鹿氏は27日、東京・渋谷駅前で学生らが開いたイベントに参加し、志位氏や民主の菅直人元首相らと手をつなぎ街頭宣伝車上に並ぶ写真が共産党機関紙「赤旗」に掲載された。

 大阪系議員が「維新の党は保守寄りなのに共産と組むのはおかしい」などと反発。大阪都構想共産党が反対したことも影響したとみられる。

 ただ、党内では「共産党議員と行動を共にしただけで処分はおかしい」などの異論が出ている。共産党山下芳生書記局長は「他党のことなのでコメントは控える。戦争法案の強行を許さないという一点で共闘ができるよう引き続き努力する」と述べるにとどめた。【福岡静哉】

毎日新聞 2015年06月29日 18時40分(最終更新 06月29日 22時12分)


さらに朝日が続いた。

http://www.asahi.com/articles/ASH6Y76RBH6YUTFK01L.html

共産の志位氏らと集会に参加、維新が初鹿氏の処分検討

 維新の党は30日の執行役員会で、初鹿明博衆院議員が安全保障関連法案に反対する集会に共産党志位和夫委員長らと参加したとして、処分するかどうかを検討する。

 初鹿氏は27日、東京都内で「戦争法案に反対」を掲げる集会に参加し、志位氏と手をつないでいる写真が共産党機関紙「赤旗」に掲載された。集会には民主党菅直人元首相、生活の党と山本太郎となかまたち山本太郎共同代表らも参加した。

 初鹿氏は民主党出身で比例東京選出。共産党は「大阪都構想」に反対したことから、維新内の大阪選出議員が初鹿氏の処分を求めている。

朝日新聞デジタル 2015年6月29日23時05分)


毎日と朝日が言及した、しんぶん赤旗の記事は下記。

SEALDs「声上げるのは今」 東京・渋谷で学生がアピール街宣/「戦争法案とめる」街響く

SEALDs「声上げるのは今」 東京・渋谷で学生がアピール街宣
「戦争法案とめる」街響く

 安倍晋三首相が今国会での成立をねらう戦争法案を必ず廃案に追い込もうと、SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)は27日、東京・渋谷駅前で「戦争法案に反対するハチ公前アピール街宣」を行いました。呼びかけにこたえ、共産、民主、維新、生活、社民の5野党代表がそろいぶみして、「戦争法案反対」を訴えました。

 SEALDsのメンバーらが、戦争法案の危険性を知らせるパンフやフライヤー(ビラ)を配布。学生、高校生らが次つぎと受け取り、その場で話題にする場面が各地で見られ、聴衆は時間を追うごとに膨らみました。

 宣伝カーから訴えた女性(23)は、「犠牲者が出てからでは遅い。声を上げるのはいまです。私たちがとめる」と語り、国会前行動への参加を呼びかけました。大学4年の女性は「私たちの行動に罵詈(ばり)雑言を浴びせる人もいます。それでも私はここに立ちます。なぜなら本気だからです。戦争法案に反対です」と語りました。

 街頭でフライヤーを受け取った都内の大学に通う男性(19)=大学1年生=は「書いてある通りだと思う」と語り、「同世代がこんなに発信しているのを初めて見ました。僕も行動しなきゃいけないと思う」と語りました。

 立ち止まってスピーチを聞いていた大学生の男性(22)=東京都杉並区=は「偶然通りかかりました。戦争法案は絶対に反対です。安倍首相には、人の命より大切なものがあるのか、と聞きたい」と話しました。

志位委員長、力込め訴え

 「国会での質問を聞いて僕もめっちゃ感動した」との司会の声と聴衆の歓声に迎えられてマイクを握った志位委員長。「若い皆さんが憲法と平和の問題を真剣に考え、行動していることを心から頼もしく思います」と切り出すと、「おーっ」との声が響き渡りました。

 志位氏は、自民党の会合で、出席議員や講師の作家からメディアの報道規制を求める暴論が出てきたことを告発。「こういう勢力に戦争法案を扱う資格はないと言いたい」と力をこめると、「そうだ」の声があちこちから返りました。

 戦後、日本の自衛隊が一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さなかったことを「憲法9条の偉大な力」と指摘し、「戦争法案はこれをおおもとから覆して、日本を殺し殺される『海外で戦争する国』につくり変えようとするものです。断じて許せないではありませんか」と呼びかけた志位氏。国会論戦で浮かびあがってきた戦争法案の「憲法9条とは絶対に相いれない」三つの重大問題を一つ一つ丁寧に語ると、若者らは真剣に聞き入りました。

 「このたたかい、最後に決めるのは国民のみなさんの世論の力です」。志位氏は語りかけました。「安倍政権は国会では多数を持っているかもしれない。しかし、国民のみなさんの圧倒的多数が『こんな法案はだめだ』との声を上げれば、いくらむちゃくちゃな安倍政権でも採決の強行を容易にすることはできなくなります」と呼びかけると「オーッ」と声が上がりました。

 「私たちは国会でも野党共闘を進めています。会期の大幅延長の際には、野党の5党首が集まって党首会談をやり、断固反対で一致しました」と語ると「いいぞ」の声が。「私たちは最大限の野党共闘を追求しますが、どうか国民のみなさん、若いみなさん、戦争法案反対の声をあげてください」「戦争法案を廃案に追い込もうではありませんか」「安倍政権を打ち倒しましょう」と力をこめると、その節々で、大きな歓声と拍手が返りました。

しんぶん赤旗 2015年6月28日)


「共産、民主、維新、生活、社民の5野党代表」とはいうものの、朝日の記事にある通り、民主は代表が海江田万里の頃に党員資格停止処分を受けた菅直人、生活は独自行動が許されることを条件に入党した山本太郎、そして維新が「維新をリベラルにする」と公言した初鹿明博。つまり、それぞれの党のはぐれ者ないし異端である。たとえば生活の小沢一郎は、いまだに橋下徹との提携に未練たらたらだから、こんなところには出てこないのだろう。実にふざけた野郎だ。

感心したのは、赤旗に掲載された、初鹿明博志位和夫と手をつないでいる画像である。ヘタレの長妻昭なんかよりよっぽど偉いではないか。初鹿という男を少し見直した。

ところで初鹿明博は、昨年の衆院選に東京16区から立候補し、あの「言論弾圧3兄弟」の長男・大西英男(68)に敗れて比例復活した議員である。各候補の得票数は下記の通り。

  大西英男 68 自由民主党 前 98,536票 46.3% 公明党推薦
比当 初鹿明博 45 維新の党  元 56,701票 26.6% 民主党都連推薦
   大田朝子 30 日本共産党 新 36,976票 17.4%
   石井義哲 57 次世代の党 新 11,484票 5.4%
   岡本貴士 34 無所属   新 9,334票 4.4%


そこで思ったのだが、いつになるかわからないが、次の衆院選では、「言論弾圧野郎」の大西英男を打倒するために、東京16区は「沖縄方式」で初鹿明博野党統一候補として立ててはどうだろうか。もちろん、維新の橋下一派は「共産党との共闘」など許さないだろうから初鹿は維新の党の公認は得られないだろうが、東京では維新の党という政党を支持する有権者などほとんどいないから、維新から公認を受けられないデメリットなど皆無と言っても良いし、仮に維新が「刺客」を立ててきたとしても、供託金没収の惨敗を喫するだけだろう。それよりも、初鹿にとっては「野党統一候補」になるメリットの方がよほど大きいはずである。

まあそれはいつになるかわからない話だが、当面については、「リベラル」の一部から「初鹿は維新を離党しろ」という声も聞こえてくる。確かに、初鹿は維新の議員とは思えない行動をとったといえる。民主党では「リベラル」と言われているらしい(私はまったく買わない)長妻昭志位和夫との握手を拒否したことを思えばなおさらである。

しかし、ここで初鹿が維新を離れては、橋下一派に打撃を与えることができない。初鹿には、維新内で同志を増やしていって、最後に橋下一派に大きな打撃を与えてもらいたいのである。だから、初鹿には当面は維新にとどまれ、と言いたい。維新の党が大嫌いな私はこんなことを思うとは自分でも驚きだが、どう考えても初鹿が今ケツをまくっても、橋下にとっては蚊に刺された程度の痛痒もないと思われる。それなら、初鹿には維新内で組織を食い荒らしていってもらいたいと思うのである。

早々と維新が初鹿を切るならそれはそれで仕方ない。