kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

三反園氏・伊藤氏が接戦 鹿児島知事選情勢調査(朝日)

2011年に東日本大震災が起きた時、「第二の敗戦」と位置づけて復興を叫ぶ声が盛んだったが、その翌年に出版された『日本近代史』(ちくま新書,2012)で、今(2012年)は1945年よりも盧溝橋の起きた1937年7月7日によほど近いと位置づけたのが坂野潤治だった。坂野氏の慧眼はその後4年間の「崩壊の時代」の日本を振り返った時、たいしたものだと思わずにはいられない。

特に自民党安倍晋三)が政権に復帰してからの原発をめぐるバックラッシュがすさまじい。それくらい、正力松太郎中曽根康弘の昔から続いてきた「慣性力」(=惰性力、イナーシャ)は強いのだ。とはいえ、東日本大震災当時の菅政権が震災直前までの原発輸出などの推進姿勢から一転して「脱原発」を打ち出してから民主党政権が終わるまでの1年9か月の「『脱原発』の時期」から続く慣性力もそれなりに強く、今現在は安倍内閣という反動政権であるために原発再稼働の動きが目立つものの、特に原発立地自治体などでは原発推進脱原発双方の慣性力がせめぎ合っている状態といえるかもしれない。東電福島第一原発の事故処理は今後も延々と続くわけだから、かつてのような一方的な原発推進に回帰することはまず考えられない。

さて、きまぐれな日々 安倍晋三の思惑通り議論が盛り上がらず参院選は自公圧勝か(2016年7月14日)に以下のように書いた。

 (東北で「野党共闘」が善戦している理由として=引用者註)明治維新のほかにもう一つ考えられる要因として「原発」が挙げられる。東電原発事故が起きた福島のほか、六ヶ所村を抱え、今なお新規原発の建設が進む青森で自民が苦戦していることや、東北ではなく西日本だが、四国で唯一波乱が起きる可能性があるのが伊方原発のある愛媛だということから、特に原発の立地県で自民党の苦戦が目立つと言えるかもしれない。とはいえ、福井や島根、鹿児島のような処置なしの原発立地県兼保守王国も存在するのだが。


この部分に関して下記のコメントをいただいた。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1445.html#comment19692

鹿児島県では、参議院と同じ日に県知事の選挙も行われますが、4選目指す現職の伊藤祐一郎氏(ラサール・東大・自治省と絵に描いたような経歴)と元テレビ朝日三反園訓氏の一騎打ちになっています。

目を引いたのは、情勢調査が「接戦」と言いつつ三反園氏の名を先に出していることです。
薩摩藩でかつ原発立地でもある地で波乱が起きる可能性あり、というのは、少しだけこの国に希望を残せるかも知れません。

2016.07.04 14:31 ヴォロージャ


http://www.asahi.com/articles/ASJ735DPNJ73UZPS008.html

三反園氏・伊藤氏が接戦 鹿児島知事選情勢調査
2016年7月4日02時14分

 参院選と同日の10日に投開票される鹿児島県知事選について、朝日新聞社は2、3の両日、電話調査を実施し、取材で得た情報と合わせて情勢を探った。新顔で元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏と、4選を目指す現職の伊藤祐一郎氏が激しく競り合っている。

 ただ、有権者の4割は投票態度を明らかにしておらず、今後、情勢は変わる可能性がある。

 投票態度を明らかにした人では、三反園氏は民進支持層の大半を押さえ、共産支持層の大半、無党派層の6割にも浸透。自民支持層の3割にも食い込んでいる。伊藤氏は自民支持層の7割、公明支持層の大半から支持を得ているが、無党派層からの支持は4割にとどまっている。

 同時に実施した世論調査で、伊藤氏の3期12年の仕事ぶりの評価について聞いたところ、「大いに」と「ある程度」を合わせた「評価する」は70%。「あまり」と「まったく」を合わせた「評価しない」は24%だった。

     ◇

〈調査方法〉 2、3の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、鹿児島県内の18歳以上の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は1695件、有効回答は998人。回答率は59%。

朝日新聞デジタルより)


鹿児島県知事選が大接戦で、一方の候補の名前が「三反園」とあったので、あのテレビ朝日の人かな、とちらっと思いましたが、やはりそうでしたか。三反園氏で記憶に鮮明なのは、2004年に年金問題が騒がれた頃に、時の首相・小泉純一郎が「人生いろいろ、会社もいろいろ」などとふざけた答弁をした時、朝の「やじうまワイド」だったかで「ふざけたことを言うな」と言ったかどうか、とにかく小泉を一喝するコメントを発したことでした。

括弧付きの「リベラル」の人なんだろうなとも思わなくはありませんが、かつては青森と並ぶ東西の横綱級だったあの「超自民党王国」鹿児島で脱原発知事が誕生するならそれはそれで意義のあることだと思いますので、疑念はとりあえず棚に上げて鹿児島県知事選を注視したいと思います。

なお、参院選において原発立地県で「野党共闘」候補が善戦しているといえば、新潟の森裕子もそうだった。この「小沢直系」の政治家は、自由党時代の2001年に、猛烈な小泉純一郎フィーバーが吹き荒れた参院選で当選したほどから、もともとは選挙に強い人だ。9年前の毎日新聞えらぼーと」に、えらく威勢の良いタカ派的回答を寄せていたのに辟易したこともある。つまり元来は旧自由党の政治家に多い右翼タカ派的な政治家だった。今も本音はその当時と変わっていないだろうと想像するが、前回の参院選では、親分(教祖)の都合に合わせてか、「えらぼーと」にも本音を隠したハト派的な回答をしたあげく落選した。昔からのタカ派の支持者にそっぽを向かれたせいだろうと私は思ったが、あの3年前の選挙では民主党ばかりか社民党までも対立候補を立てたことなどもあって森は落選に追い込まれたのであり、その経緯に「小沢信者」たちは大いに憤慨していたものだ。今回は定数が減って1人区になったとはいえ、民進、社民、共産各党も応援団に加わるわけだから、それは善戦もするだろう。私が新潟県民であった場合でも、自民党候補を当選させるくらいなら止むを得ないとの消去法により、鼻をつまんで森裕子に投票せざるを得ないと思う。

その新潟選挙区での選挙でもむかつくのは連合であって、森裕子が「脱原発」を主張するなら応援しないとの脅しをかけ、そのせいで森は選挙戦で「脱原発」を声高には叫ばないのだそうだ。電力総連を抱える連合とは、かくも悪質かつ反動的な翼賛的団体なのである。80年代の労働組合の右翼的再編は日本の政治にきわめて大きな悪影響を与えた。