kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

玉木雄一郎と香川の民進党などなど

今世紀最初の10年のうち約3分の2を香川県(高松)で過ごしたので、本州の住民の大半よりは四国、とりわけ香川県に馴染みがあると思っている。昨夜、元朝日新聞記者にして現在51歳の無職だというアフロヘアの稲垣えみ子氏が東洋経済新報社から出した『魂の退社』という本を立ち読みしていたら、稲垣氏も私と同じ頃に高松に移住したらしい。うどん体験もさることながら、『香川県の山』という本を買い込んで、県内の山々に登っていたと書いてあったので笑ってしまった。なぜなら、香川には最高峰でも1000mちょっとしかなく(竜王山、1060m)、低山ばかりしかないからだ。それも揃いも揃っておむすび型をしている。箱庭のような風景といえばいえなくもない。私は『香川県の山』は移住早々立ち読みしたものの買わず、そこに書いてある山はいくつか登っただけだった。その中には竜王山はもちろん含まれているが、あと『きまぐれな日々』のバックに今も使い続けている讃岐富士(飯野山)には二度登ったし、四国八十八箇所に含まれるいくつかの山(但しピークを踏んだとは限らない)にも登った。八十八番の大窪寺には女体山(763m、この山のピークはそれなりの岩場だった)を経由して行った。六十六番の雲辺寺に登る道は、舗装道路が2004年の台風で破壊されていて、自転車を担いで山側に道を迂回して舗装道路の破壊箇所を越えた。七十三番の出釈迦寺では、奥の院(捨身ヶ嶽禅定)から子ども時代の空海が身をを投げたという岩場を経て我拝師山(481m)に登ったりもした(この時には下山時に道を間違えそうになった)。しかし次第にそれらの低山登りもやらなくなり、いつかやろうと思っていた八十五番八栗寺の五剣山登りもやらずに終わった。金刀比羅宮奥の院から大麻山に登る道も入り口を見つけ損ねて行けずに終わった。うどんは行きつけの店があって日曜日の夕方によく行っていたが、高松空港近くに移転してからは行っていない。かつては昼前のほか、土日と祝日の夕方に営業していて、日曜日の夕方に行ってトッピングに生卵をつけて170円のうどんを食べ終わると不思議とさらに食欲が湧いて、夕食がおいしくいただけるというご利益があった。地元の人が言う「うどんは別腹」とは本当だなあと思ったものだ(なお土日と祝日の夕方の営業は移転後は行っていないらしい)。

稲垣氏の本を立ち読みしてそんなこんなを思い出したものだが、香川県にはかつて革新県政の時代があったし、社会党委員長を務めていた成田知巳が高松の出身だったこともある。そのせいもあってか、四国4県の中では今でも民主党(現民進党)がもっとも強い県で、四国の現在の衆議院議員は2人とも香川の選挙区の人間だ。そのうち香川1区の小川淳也はこのところ自民党平井卓也に連敗して比例復活しているが、香川2区の玉木雄一郎は2005年の「郵政総選挙」に敗れて落選したあとは同選挙区で3連勝している。間違いなく四国の民進党ではもっとも選挙に強い国会議員である。だから今年の参院選民進党香川県の候補者擁立を共産党に譲ったことには大いに驚いたものだ。四国で共産党がもっとも強い県は、四国で民進党がもっとも弱い県でもある高知県で、徳島県との合区がなければ高知こそ民進党が候補擁立を見送る県になったのではないかと思うが、高知と合区した徳島は、引退した仙谷由人が長年国会議員を務めるなど民進党が比較的強いし、何より四国の南半分をまるまる放棄することは民進党の戦略に合致しなかったのだろう。玉木雄一郎は盤石だし、小川淳也もそこそこ安定しているから、参議院(2007年に当選して2013年に落選した植松恵美子は全く感心できない政治家だった)を譲っても大丈夫だろ、と党執行部は玉木や小川に強く要請したものと想像する。もちろん彼らの反発は相当強かったに違いないと思うが。

しかし、この玉木雄一郎は私の大嫌いな政治家なのである。玉木は長島昭久前原誠司、それに細野豪志らとともに、民進党きっての右派政治家連中に数え上げられる男であり、それに加えて玉木は一時は小沢一郎との連携に走ろうとしたり、これまた私の大嫌いな政治評論家・鈴木哲夫の大のお気に入りだったりする。

その玉木の推薦人に、菅直人阿部知子が名を連ねているというのだから何をか況んやである。菅直人の政治的体質というのは、実は小沢一郎と共通するところが結構あるのではないかと数年前から私はにらんでいて、2010年の民主党代表選で菅と小沢の政策が大差なかったのはそのせいだろうと思っている。菅と小沢という、ともに反りの合わない者同士が片手で鼻をつまみながらもう片方の手を組んで初めて、民主党政権は成功する可能性があったが、2010年以降その二人が激しく反目したことが、現在に至る民進党の低迷の最大の原因ではないかとの結論に現在では達している。

前原誠司も本人が認める通り大戦犯だが、菅と小沢は前原をも上回るほどその責任は重いと思う。その菅も小沢もつるむ玉木雄一郎、こいつはもうどうにもならんよな、と思うと同時に、こんな政治家が四国の民進党では断トツで最強だという事実に頭が痛くなる今日この頃なのである。