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細野豪志が民進離党を検討(共同通信)

細野豪志民進党離党を検討していると報じられている。

https://this.kiji.is/265854541224591362?c

細野氏が民進離党を検討
政権批判の受け皿新党視野

 民進党細野豪志環境相(45)が、安倍政権批判の受け皿となる新党の結成を視野に、離党を検討していることが分かった。周辺議員らが思いとどまるよう慰留している。党関係者が3日、明らかにした。自身が設立した党内グループは4日に東京都内で会合を開く予定で、細野氏は会合後、見解を発表する見通しだ。

 蓮舫代表が7月の東京都議選敗北で辞任を表明し、9月1日に新代表を選出する日程が決まったばかりで、細野氏が離党に踏み切れば、党内の混乱が広がりそうだ。

 関係者によると、細野氏は周囲に「新しい受け皿をつくりたい。いち早く離党しないと政界再編をリードできない」と述べた。

共同通信 2017/8/4 01:06)

私の評価では、細野豪志というのはとんでもなく悪質な「政界風見鶏」であって、いってみれば「超矮小化した」中曽根康弘みたいな政治家だろう。中曽根にはまだ右翼政治家としての矜恃もあったが、細野にはそれさえもない。

しかし、いわゆる「リベラル」系ブログの世界においては、過去の民主党政権時代に細野が小沢一郎一派にすり寄りまくっていた経緯があったため、細野への批判が不当に弱かった。前原誠司は批判しても細野豪志は批判しないという人間は少なくなく、現に最近でも某都会保守氏のブログにその傾向が見られた。これはおそらく、民主党政権時代に某都会保守氏がずいぶんと「小沢信者」たちを「忖度」した記事を書いていたことと関係があるのではないか。

たとえば、鳩山政権時代の2010年に生方幸夫民主党副幹事長(当時)が小沢一郎を批判した時に「小沢信者」と一緒になって生方議員(当時。2014年衆院選で落選)を批判したことがあったが、その時都会保守氏は「小沢信者」たちと一緒になって生方議員(同議員は民主党内の「リベラルの会」に所属していた)を批判した。当時の記事を読み直すと、生方氏が批判していたのは「民主党は中央集権。権限と財源をどなたか一人(小沢一郎のこと)が握っている」ことであって、今でいえば「安倍一強」を批判するのと同じことだった。なお、この当時、「生方降ろし」に狂奔したのは、小沢一郎本人というよりはむしろ小沢の心中を「忖度」した、当時の言葉でいう「ソンタクズ」であって、あとになって小沢が「そこまでやることはない」と言ったという情けないオチがついたものだ(呆)。一方の生方氏は、民主党内「小沢ソンタクズ」による副幹事長辞任要求に対し、「普通のことをしゃべっているのに辞めろというのは、党内に言論の自由がないということだ。情けない」と反発していた。今の自民党になぞらえるなら、村上誠一郎による安倍晋三批判のような内容であって、まっとうそのものの主張だとしか私には思えなかった(今もその意見は変わらない)のだが、都会保守氏は 

まあ、鳩山氏高嶋氏らの言うように、党内でやるならともかく、わざわざ外部で批判アピールをするのは、少なくとも執行部の一員として、望ましい行動だとは言えないだろう。(-"-)

と書いて、「小沢ソンタクズ」の肩を持ったのだった*1

この一件が騒がれたのは2010年3月だが、翌月には鳩山由紀夫普天間基地移設問題で「現行案回帰」を言い出して、鳩山自身が危惧していた通り「小沢さんに政局にされ」た。こんなことを書いても覚えている人などほとんどいないだろうが、「鳩山降ろし」の最中には、小沢一郎も反鳩山側として動いていると見られていたのだ。しかし、6月2日に鳩山が辞意を表明した時、小沢も幹事長の辞意を表明した。

実はこれにも裏があって、当時次期民主党代表・首相が本命視されていた菅直人に、小沢が「俺を幹事長に留任してくれたら協力してやる」と持ちかけたのを菅が断ったらしい。それで小沢が、それまで「鳩山降ろし」に加わっていたことが嘘のように「反菅」側に回ったのだ。両者が仇敵同士になったのはこの時からだ。それまでは、たとえば2005〜06年の前原代表時代には、鳩山は党幹事長として前原を支えていたが、菅と小沢は前原と距離を置いていた。2006年の民主党代表選では小沢と菅が争ったが、そのあとも民主党が小沢・鳩山・菅のトロイカが共演するテレビコマーシャルを流すなど、サンフレッチェの関係はさほど険悪ではなかった(但し小沢と菅は最初から最後まで馬が合わなかったらしく、両者は鼻をつまみながら協力していたようだ)。

私見では、小沢も菅も単独では大した政治家ではない。小沢と菅、さらには鳩山由紀夫も加えた3人が「サンフレッチェ」となって初めて力を発揮する政党、それが民主党だったと思っている。つまり、2人(あるいは3人)合わせてやっと一人前になれる程度の政治家同士が、2010年以降醜い権力抗争を繰り広げたことに民主党凋落の原因がある。そう思っている。

しかし、「小沢信者」も「民進党信者」もともにそのことを理解していない。というより、うすうすとは感づいているのだが、民主党凋落の真因を直視できずにいる。

民主党は、「中央集権」で「権限と財源をどなたか一人が握」る党運営、政権運営を可能にした。それこそ、小沢一郎が旗を振った「政治改革」の目的だった。ただ、小沢はこらえ性がなく、三度の飯より権力抗争が大好きな人間なので、せっかく作り上げた独裁政治のシステムを自力ではうまく運用できなかった(これが、単独では大したことのできない政治家だと私が小沢を評するゆえんだ)。結局独裁政治のシステムを最大限に活用したのは安倍晋三だった。思えば、衆議院選挙の小選挙区制の(権力者にとっての)メリットを最初に最大限に活かしたのは小泉純一郎だった。第2戦には民主党がリベンジしたが、第3戦、第4戦は指揮官が安倍晋三に代わった自民党が連勝して(改憲への)「王手」をかけた。これが現状である。第5戦は、王手をかけた側もぐちゃぐちゃにあってはいるものの、相手チームが崩壊寸前とあっては「改憲」というゴールは、実は見えている。

細野豪志がいずれ合流するであろう「小池ファ★スト」(新・新進党、小池新党などとも呼ばれる)は、自民党と連立するかどうかはともかく、安倍の改憲構想に協力することだけは間違いない。なお、何度も書くが民主党内にも野党にもライバル不在の安倍は、支持率が30%に下がった程度では辞めないし、政党支持率からいって今直ちに衆院選が行われたとしても自民党が(圧勝とはいわないが)勝つことは間違いない。「小池ファ★スト」が参入した場合、自民党議席を減らしても、「小池ファ★スト」もまた改憲政党である以上、「改憲勢力」はむしろ増えるのである。