kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「枝野なら民進党分裂、前原なら民進党解党」は私の予想通りだったが

渡辺輝人弁護士のツイートより。

https://twitter.com/nabeteru1Q78/status/913246633730613248

渡辺輝人
@nabeteru1Q78

民進党の代表選挙の時、「枝野なら分裂」とか言われたけど、実際は「前原なら自壊」だった。

20:38 - 2017年9月27日

いや、「枝野なら分裂」のあとに続けて「前原なら解党」と言われてましたよ、というか少なくとも私は何度もそう書いてきた。その中で一番古い記事は下記。

孫崎享『戦後史の正体』と育鵬社の教科書は「押しつけ憲法論」で完全に一致! - kojitakenの日記(2017年8月2日)より

 なお、仮に民進党代表選が枝野幸男前原誠司との争いになる場合の私の予想は下記の通り。

 まず枝野幸男が勝った場合、民進党は分裂するか、または右派の議員が衆院選前に大量に離党し、次の衆院選では「国民ファ★ストの会」から出馬する。

 また、前原誠司が勝った場合だが、この場合も民進党が丸ごと「国民ファ★ストの会」と合併することはあり得ない。民進党とは、国ファがそうなるであろうような右派ポピュリズム政党にとっては疫病神なのだ。特に民進党内の中間派やリベラル系議員は、長島昭久渡辺喜美若狭勝や、その背後にいる小池百合子(小池自身は次の衆院選には間違いなく出馬しない)に排除されるだろう。民進党の看板があっては国ファには絶対に受け入れられないから、結局前原が勝った場合に起きるのは、民進党の解党だろう。「国ファ」の公認さえもらえれば、いくら「元民進」だろうが勝てることは都議選の結果がはっきり示している。ついでに書くと、無所属の推薦程度ではダメなことは柿沢幸絵が示した(ざまあ!)。


「前原が勝ったら民進党はいったん落ち着く」と書いた天木直人を批判して下記のように書いたこともある。

民進党代表選、前原誠司と枝野幸男とでは路線も推薦人もあまりにも対照的 - kojitakenの日記(2017年8月22日)より

 天木直人が、辛坊治郎が週刊誌に語った民進党内政局展望を援用しながら、前原が勝てば民進党はいったん落ち着くかのようなことを書いているようだが*1、さすがは小池百合子びいきを隠そうともしない天木だけのことはあって、小池の恐ろしさに対する認識が全く欠如している。小池ファの国政政党は政党交付金との兼ね合いから年末までには必ず結成されることを天木は軽く見過ぎている。私は2010年に稲田朋美を絶賛したこともある天木を昔から嫌っているが、やはり天木はダメなやつだ。

 実際には、前原が勝った場合でも、歯が抜けるように民進党からの離党者が続出して、最後には、1997年に新進党小沢一郎がやったのと同じように、前原は民進党を解党せざるを得なくなるだろう。

 枝野幸男が勝った場合には、それは徐々にではなく短期間に起きる。民進党からの離党者(右派の連中たち)のうち、ある者は無所属となり、他の者たちは「新党」結成を経て、無所属となる者ともども最終的には小池ファへの合流を目指すだろう。

 前原が勝った場合には解党、枝野が勝った場合には分裂というのはそういう意味だ。そして、解党よりは分裂の方がよほどマシに決まっているというのが私の立場だ。


私が予想を外したのは、前原による民進党解党にもっと時間がかかると考えていたことだ。これは、その推測の前提としていた「安倍晋三は早期の解散総選挙はやらないだろう」という予想が誤っていたためだ。

前原誠司民進党新代表誕生で建前を語る小池百合子と本音を語る若狭勝 - kojitakenの日記(2017年9月2日)より

 今回の若狭勝の発言について、都会保守氏のブログを見ると、

自民党や維新、小池都知事などが前原代表誕生に歓迎の意を示す中、何故か、小池新党と任されている若狹勝氏は「民進党とは一緒にやらない」と急に言い出したりして、妙な感じに。(・o・)

などと書かれているが*2、私から見れば若狭の発言など意外でもなんでもなく、もう今の段階から本音を言ってるんだなとしか思えない。それは、衆議院解散総選挙がいつあるかわからない状況だから当然だろう。

 もう指摘し飽きたが、民進党は曲がりなりにも野党第一党だから、対等な立場での合流になると小池ファ★ストは民進党に呑み込まれてしまう。前原誠司民主党政権で大臣も経験し、民主党時代と合わせて二度目の代表でもあり知名度も高い。そんなところと対等合併しても、民進党を嫌う有権者の票が逃げて行くばかりで、小池ファにとっては何のメリットもないのだ。

 だから、小池ファの中核をなす若狭・細野豪志長島昭久渡辺喜美らが小池ファ加入の必要条件として、民進党なり自民党なりからの離党を要求することは当然予想される事態だ。自民党議員は損得勘定で損だと弾くのが普通だろうから離党者はほとんど出ないだろうが、民進党の右派議員たちは、前原誠司が少しでも「野党共闘の継続」に傾斜するならいつでも離党はスタンバイOKだろう。だから、前原が小池ファとくっつこうとするなら民進党の解消をいずれ決断せざるを得なくなる。これが私の予想だ。

 もし仮に枝野幸男が勝っていたなら、直ちに、つまりほとんど間を置かずに民進党の分裂劇が起きたに違いないが、今後予想される民進党の解党劇は、それよりもスパンの長いものとなり、最後に前原が民進党解党に追い込まれる展開だ。これを私は予想している。

 安倍晋三の立場に立って考えると、民進党の解党への流れが固まってから衆議院を解散した方が得に決まっているので、一部に噂される臨時国会の冒頭解散と10月22日の衆院選はあるまいとの予想だ。そんなに早く選挙を行ったら、森友学園問題はともかく加計学園問題はまだまだホットだから、その煽りを受けて安倍晋三が念願とする改憲が遠のく結果になる可能性が高い。もっとも前原が野党共闘継続の可否の判断を早急に迫られることになり、態勢を整えるタイミングが遅れて野党に不利になるという要素もあるから、10月衆院選の目が全くないとまでは言えないが、それよりも現在民進党で「安倍政権下での改憲には反対」と建前で言っている民進党右派の政治家が、小池ファ入りしたならその立場を豹変させることは目に見えているから、そうなってから解散した方が安倍の狙う改憲にとっては有利だろう。少なくとも私が安倍晋三ならそう考える。

 まあいずれにせよ前原の民進党代表就任がろくな結果を招かないだろうことだけは疑いない。

安倍晋三の「今なら勝てる」解散を予測できなかったことで「画竜点睛を欠く」結果になったが、前原の代表選勝利による民進党解党は完全に言い当てていたと自負している。もっとも同じことを言っていた人はいくらでもいるけれども。

ところで、「前原 解党」でブログ内検索をかけた結果、下記の一連の記事が見つかった。このいきさつは、実は忘れていたのだった。


これらの記事を読み返すにつれ、苦々しさが改めて込み上げてくる。前原誠司小沢一郎という日本政界屈指の「シロアリ」たちに小池百合子という「女王シロアリ」が加わって、ついに民進党を瓦解させた。

なお、これら一連の記事で、私は某都会保守のブログを批判しまくっているが、読み返すと私が一方的(全面的)に正しく、都会保守氏が一方的(全面的)に間違っていたことがいよいよ明白になったと改めて確信する。都会保守氏も今になって小沢一郎の危険性を思い知った記事を書くようになっているが、後の祭りだ。小沢は「ドーンと構え」るどころかフィクサーとして暗躍し、前原誠司による小池百合子への民進党売却という悪魔の契約を成立させたのだから。表で「野党共闘」のきれいごとを言っていた小沢の薄汚い正体に今になってようやく気づいた人も少なくないようだが、私はずっと前から小沢の本性を指摘し続けてきたのだ。

もっとも、それでも読みが甘かったと自省するほかないが。