玉木雄一郎といえば、ほんの2か月前に「右へ右へと支持を広げていく」と宣っていた御仁だった。
- 玉木雄一郎、「右へ右へ」と自滅への道をひた走る(呆) - kojitakenの日記(2017年11月29日)
その玉木がもう前言を翻したのだから恐れ入った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018020101189&g=pol
玉木希望代表、安倍首相の9条改正案に反対=中道ど真ん中の政党に
希望の党の玉木雄一郎代表は1日、時事通信のインタビューに応じ、安倍晋三首相が提唱する9条改正案に反対する考えを強調した。主なやりとりは次の通り。
−結党時、希望は「安倍政権の補完勢力」と言われた。
われわれは政権を担うもう一つの軸を作りたいし、その核になりたい。外交・安全保障政策は現実的にやるが、内政は自民党と大きな差がある。中間層を徹底的に豊かにする配分重視の政策は自民党と明確に違う。
希望を中道ど真ん中の政党にしたい。イデオロギーや理念ではなく、困っている方や地方の声を受け止め、現実的に応える政党に育てたい。
−安全保障関連法に関する代表見解と衆院選公約との整合性は。
ぎりぎり整合性を取った形にまとめ上げることができた。
−結党メンバーとの分党議論は終わりか。
はい。憲法や安保についての考えが一定程度固まったので、あれ(代表見解)をベースに党内議論を深めたい。その上で決まったことにはしっかりとみんなで従い、一致協力してやっていく文化を醸成したい。
−首相が提唱する9条改正案への考えは。
自衛隊を憲法に書き込むことで、仮に自衛隊が合憲の位置付けを与えられたとしても、行使する自衛権について違憲の疑いはずっと続く。自衛権の議論がなく、単に自衛隊だけを明記する首相案には反対だ。むしろ、自衛権の範囲、発動要件をきちっと憲法上明記することが、真に自衛隊の活動を支え、彼らのプライドに応えることになる。これから党内の議論を正式に始めるので、自衛権を明記するかも含め、党内議論に委ねたい。
−最初の改正発議は失敗してはならないか。
そうだ。与野党を超え、多くの議員の合意が得られるような中身を丁寧に仕上げていくことが大事だ。
−立憲民主、民進両党との統一会派は。
統一会派の話はいったんなくなったが、国会の中ではさまざまな協力関係を積み上げていくことに力を注ぎたい。
−党内には日本維新の会との会派結成を求める声もあるが。
あらゆる政党との連携は模索したいが、(2017年度)補正予算の賛否が(維新と)分かれてしまったので、なかなか難しい。
(時事通信 2018/02/01-19:07)
玉木は昨年11月下旬の産経のインタビューで、
希望の党の政党支持率が「3%台」などと厳しい数字が出ています。なんでわれわれがこんなに信頼されないのか。代表として、この数字と真摯(しんし)に向き合い、地道に実績を重ねていくしかないと考えています。
と言っていた。支持率低迷は「右」側の支持が得られていないことが原因だと考えた玉木は(これは玉木に限らず、前原誠司、長島昭久、細野豪志らが民主党時代からずっと言い続けてきたことだ)、「右へ右へ」と支持を広げる方向性を示したが、玉木の思惑に反して政党支持率はさらに低下の一途をたどり、今や1%前後にまで落ちぶれた。しかもどうやら、党内に細野豪志を抱えていては民進党との統一会派結成はできないとの民進党(岡田克也など)に言われてしまったらしい。
そこで一転して厚かましくも「中道ど真ん中」などと言い出したのだろう。
そもそも、「中道」とか「真ん中」を自称する人間ほど信用できない者はいない。私が直ちに連想するのは某都会保守氏であって、氏は橋下徹を「立憲主義を理解している」と評したり、小池百合子と民進党党の連携に「ワクワク」したりした。私の目からは、郵政総選挙のあった2005年にブログを立ち上げた頃の初心をすっかり忘れて「右へ右へ」と傾斜し続けているようにしか見えないのだが、その氏はしばしば「中道」を自称している。
玉木雄一郎は、民主党時代から党内でも有数の右派だと私はみていた。何しろ玉木は元フジテレビ政治部長にして反自民系右派政治評論家の鈴木哲夫の大のお気に入りであり、早くから小沢一郎にも接近していた人間だ。その玉木が、紛れもない極右政治家である小池百合子が商標登録した政党名を持つ政党の代表を務め、「中道ど真ん中」を僭称する。これほど腹立たしいことはない。
そもそも「真ん中」というのは自分で言うことではないと私は以前から思っている。前にも書いたかもしれないが、私はいつも新約聖書の「ヨハネ黙示録」の一節を思い出すのだ。
わたしはあなたのわざを知っている。あなたは冷たくもなく、熱くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。
このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あなたを口から吐き出そう。
そもそも玉木は2か月前に「右へ右へ」と言ったばかりの人間だ。その玉木が自称する「中道ど真ん中」なんか、誰が信用できようか。