昨日(19日)注目されたのは、財務省理財局長・太田充だった。2つの件で注目された。その一つが下記。
理財局長「総理夫人ということ」 昭恵氏の名記載の理由:朝日新聞デジタル
理財局長「総理夫人ということ」 昭恵氏の名記載の理由
2018年3月19日15時03分
19日の参院予算委員会で財務省の太田充理財局長は、書き換え前の決裁文書に安倍昭恵氏を巡る記載があった理由について「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」と述べた。決裁担当者が、安倍晋三首相の妻としての立場を意識して書いたとの見方を示した。共産党の小池晃氏が、決裁文書に政治家らの名前を書いた理由を財務省が「国会対応のため」としていることに触れ、「なぜ議員でもない昭恵さんの動向が記載されているのか」と指摘したことへの答弁。答弁を受け、小池氏は「重大な発言だ。まさに国会議員以上に配慮しなきゃいけない存在だから決裁文書に登場した」と述べた。
太田氏は「(森友学園の籠池泰典前理事長が)盛んに昭恵総理夫人の名前を出していたので記述したということだろう」とも説明した。
こうした追及に対して首相は「決裁文書の変更については、一切私からも指示はしていないし、妻の昭恵も全く関わっていない」と反論した。しかし小池氏は「いくら昭恵さんが家では『言っていない』と言っても、誰も納得しない。昭恵さんの国会招致を求める」と述べた。
(朝日新聞デジタルより)
理財局長のこの答弁に議場は騒然となったという。
ところで安倍昭恵だが、『週刊現代』3月31日号が、「ついに別れのときが来た 安倍総理と昭恵夫人 結婚31年目の『決断』」との見出しをつけた記事を出したらしい。
バッカじゃなかろか、週刊現代。というか未だにそんなこと言ってるのかと呆れた。
離婚どころかあれ以上似た者同士でお似合いの夫婦はない。安倍晋三は昭恵を溺愛している。だからこそ「晋三を射んとすればまず昭恵を射よ」と私は力説するのだが、リベラルの間でも賛同者は決して多くない。
世間の「リベラル」の間では未だに例の「家庭内野党」とかいう安倍昭恵の虚像(実際は「リベラル」を骨抜きにするための狡猾な戦術)に未練を持つ人が多いらしく、そんな人たちに買ってもらうべく、週刊現代はこんな間抜けな見出しの記事を書いたのだろう。もちろんそんな記事を私は読んでいないし、このあとも読むつもりは全くないが。
昨夜(3/19)、Eテレで原武史を講師とした「100分 de 名著・松本清張スペシャル 第3回『昭和史発掘』」をやっていた。『昭和史発掘』の後半では、単行本7冊分(現在入手できる文春文庫新装版では5冊分)かけてまるまる「2.26事件」論が展開されている。
2.26事件は5.15事件のような単純なテロ事件ではなく、大がかりな軍事クーデターだったというのが清張の説だ。未遂に終わったそのクーデターには、昭和天皇を廃して秩父宮を皇位に就けるとの構想が含まれていたという。その背景には秩父宮を溺愛する貞明皇后(昭和天皇、秩父宮らの母)の意向があった。貞明皇后と秩父宮は反乱(クーデター未遂)を起こした青年将校たちのシンパだった。たとえば安藤輝三などは特に秩父宮と親しく、処刑された時にも「天皇陛下万歳」ではなく「秩父宮殿下万歳」と叫んだという。昭和天皇は、貞明皇后と秩父宮がクーデターに加担して秩父宮の皇位簒奪を狙っているのではないかと疑ったからこそ2.26事件に激怒したと清張は見ていたのではないか。これが原武史が唱える説だ。貞明皇后は皇室におけるシャーマンであり、女性権力者だった。
安倍昭恵も貞明皇后や清張の遺作『神々の乱心』(原武史の番組でも来週取り上げられる)に出てくる江森静子と同じで、安倍政権におけるシャーマンであり*1、女性権力者だと私は思う。貞明皇后は昭和天皇の母だが、『神々の乱心』の江森静子はクーデターを画策する平田有信の(事実上の)妻だ。
このアナロジーから、私は安倍昭恵こそ安倍政権の「急所」であると考えている。だから安倍昭恵に同情する必要など一切なく、徹底的に昭恵を突いて突いて突きまくらなければならないと思う今日この頃だ。