kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「都会保守」に忖度して「緊縮財政を主張する一部左派知識人」の重罪

下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事を読んで思ったことを書く。

都会のプチブルインテリに忖度した結果、安倍自民党に勝てない左派・リベラル【備忘録】 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2018年7月22日)

日本の場合は、長年、財政出動金丸信みたいな土建国家(ハコモノつくりまくり)のイメージがあって、それへのアンチとして、東京とか神奈川ののプチブルインテリの間で緊縮が受けた面はあると思います。

「田舎にばらまきやがってけしからん」的な感じです。
神奈川県の長洲知事は、日本社会党右派の代表的なイデオローグでしたが、彼が小泉的な行革の手法を実は最初にやっているのです。

小泉純一郎さんが、大都市部で受けたのもそれでしょう。

緊縮財政を主張する一部左派知識人は、欧州の最新の知識を摂取していないと言うよりも、有権者意識、特に大都市のプチブル・インテリの「財政出動は田舎へのバラマキだから怪しからん」的な意識に忖度しているだけでは無いかと思うことがあります。

小池百合子さんが一時バカ受けしたのも、「田舎へばらまく安倍晋三」へのアンチテーゼとして受けた面があると思う。戦前で言えば立憲民政党
安倍自民党立憲政友会みたいなイメージで受け取られている感があります。

左派知識人は大都市のプチブルインテリに過剰に忖度しないで欲しいと思う。
ちなみに、安倍自民党は、今次の水害でも補正予算を組もうともしないから、田舎バラマキですらないのです。
だが旧民主党とかのほうが、緊縮イメージを醸し出してしまい、安倍自民党が得をしていますね。
災害現場を見れば、分かるのですが、ボランティアでやるより、土建屋さんに公共事業で土砂を除去してもらった方が早いのは明白です。(公衆衛生上も、不衛生を放置すれば回りに迷惑が及ぶのだから公共事業でやるべきと思いますしね。)だから、極端な土建屋敵視も間違いだと思います。


この文章を読んで思い出したのは、3か月前に枝野幸男が発した下記のツイートだ。

https://twitter.com/edanoyukio0531/status/985749869766762496

私は、現在の消費不況の下では、緊縮は無理だし、消費に悪影響を及ぼす大衆増税はダメだと明確に申し上げています。(後略)

22:20 - 2018年4月15日


上記枝野のツイートは、下記ツイートへの返信として書かれた。

https://twitter.com/m3p0byqoAzOGiBA/status/985748173619523585

例えば石破や枝野だと緊縮増税政策になるかと思いますが、それでいいのですか。デフレに戻り失業者や自殺者がまた増えると思いますが。(後略)

22:14 - 2018年4月15日


実際には、『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事が指摘する通り、「安倍自民党は、今次の水害でも補正予算を組もうともしない」、つまり安倍政権こそ緊縮志向であるという事実があり(菊池誠などはこの事実から目を背けるというとんでもない知的不誠実さを日々露呈し続けている)、かつ枝野のツイートから容易に看て取れる通り、立憲民主党の支持者さえその気になれば、同党が「反緊縮」を打ち出すことも可能だと思われるのだが、私の見るところ、同党の熱心な支持層、その多くが『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事が「東京とか神奈川のプチブルインテリ」(私の表現では「都会保守」)と呼んでいる人たちがそれを妨げている。「土台が上部構造を規定する」というやつだが、これは何もマルクス主義の専売特許ではなく、晩年のガルブレイスも米レーガン政権の政策について同様のことを言っている。この言葉を政党政治大統領制に当てはめれば、政治家は支持者が欲する政策しかできないということだ。立憲民主党の場合は、熱心な支持層に「緊縮志向」が強いのだが、昨年の衆院選で同党を躍進させた無党派層の多くは緊縮を嫌う。これは、たとえば小泉純一郎政権などの緊縮志向の経済政策によって自らの生活が打撃を受けた人が多いことを考えれば当然のことだ。そうした無党派層が、熱心な支持層に引きずられて緊縮志向(新自由主義色)を強める立憲民主党を見放しつつあるのが現状だろうと思う。

『広島瀬戸内新聞ニュース』が指摘する「緊縮財政を主張する一部左派知識人」というのは、そんな立憲民主党のコアな支持層のような人たちに媚びて、野党への支持をも「緊縮」させているどうしようもなく罪深い人たちと評するほかないのではなかろうか。そんなことを思う今日この頃だ。