kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「明治天皇の御製引用を批判=共産・志位氏」(時事)

 通常国会が開会した。安倍晋三の施政方針演説が報じられている。時事通信より。

 

www.jiji.com

 「平成の、その先」7回連呼=安倍首相、新時代到来を強調—施政方針演説

2019年01月28日15時06分

 

 安倍晋三首相は28日の施政方針演説で、平成最後となることを強調し、「平成の、その先の時代に向かって」との表現を7回繰り返した。「平成」は合計15回使用。首相周辺は「平成の30年間を振り返るとともに、新しい時代に向けたメッセージを込めた」と解説した。
 首相は、平成で大きな自然災害が相次いだことに触れ、天皇、皇后両陛下の阪神淡路大震災東日本大震災での被災地訪問のエピソードを紹介。「被災地の現場には必ず天皇、皇后両陛下のお姿があった」と振り返った。
 首相は明治天皇の御製「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」を引用。「日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに力を合わせることで乗り越えてきた」とし、少子高齢化や激動する国際情勢など直面する課題に立ち向かう決意を訴えた。
 2025年の大阪・関西万博に絡め、少年だった京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長が1970年の大阪万博を訪れたことも紹介。「驚異の世界への扉をいつか開いてくれる鍵。それは科学に違いない」との山中氏の言葉を引き合いに、「次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな『力』を感じることができる時代を共に切り開いていこう」と語った。
 演説では「切り開く」が7回、「子ども」も16回登場、未来志向をアピールした。演説の分量は1万2820字で安倍首相の施政方針演説では過去最長となった。(2019/01/28-15:06)

時事通信より)

 

 この施政方針演説で安倍晋三明治天皇の「御製」を引用したことを、共産党志位和夫委員長が批判した。同じく時事通信の記事を引用する。

 

www.jiji.com

明治天皇の御製引用を批判=共産・志位氏

2019年01月28日17時46分

 

 この批判は正当だろう。日露戦争の頃の日本が、安倍晋三もその一員である復古主義的右翼の理想であることをよく示す施政方針演説だ。

 ただ、ネットを見渡すと、「明治天皇の御製の引用は、今上天皇陛下には心外だろう」などとする、「リベラル・左派」側の「ネオ皇道派」的な反応が見られることにはうんざりしてしまう。ここでそれらを引用はしないけれども。

 

 また、朝日新聞は「リベラルな天皇陛下」の宣伝を行っていた。

https://www.asahi.com/articles/ASM1T6KWMM1TUTIL05X.html

 

 諸君から「皆さん」に変えた天皇陛下、最後の国会開会式

緒方雄大 

 

 天皇陛下は28日、国会・参院本会議場で開かれた第198回国会(通常国会)の開会式に出席した。宮内庁によると、即位後の出席は今回で82回目。4月末に退位するため、これが最後になる見通し。

 宮内庁によると、国会の召集は憲法で定められた国事行為だが、開会式出席や「おことば」は公的行為にあたる。衆参両院議長の願い出を受ける形で、1947(昭和22)年の第1回から天皇が出席してきた。

 陛下は今回、「国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり国権の最高機関として、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」とおことばを述べた。

 即位後最初の出席は、1989(平成元)年2月。昭和天皇は国会議員に「全国民を代表する諸君」と呼びかけていたが、陛下は「全国民を代表する皆さん」と表現を改めた。

 95年1月の阪神・淡路大震災直後の開会式では「今次の地震による被害は、きわめて甚大であり、その速やかな救済と復興は現下の急務であります」と述べた。

 欠席は、前立腺の全摘出手術で入院した2003年1月の第156回の1度だけ。宮内庁関係者によると、陛下は開会式を「重い行事」として考え、出席を大事にしてきたという。(緒方雄大

朝日新聞デジタルより)

 

 「1989(平成元)年」などと、最近は、元号で報じるNHK産経新聞を除いてどこもやらなくなった元号併記をこういう記事に限ってわざわざやる神経に腹が立つ。

 そもそも、昭和天皇が用いていた「諸君」の言葉を現天皇が踏襲せずに「皆さん」に改めたのは、何も今回ではなく30年前のことだった。つまり朝日は「平成時代を回顧する」記事を書いたのだ。

 天皇の代替わりに際して、権力側によって天皇制の強化が意図され、それに朝日が易々とのっかっている構図だ。もちろん朝日に限らずどこの「リベラル」メディアでも同様だろう。

 前述の「リベラル・左派」に蔓延する「ネオ皇道派」的な気運ともども、気分を限りなく陰鬱にさせてくれる記事だ。