kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

河村たかしに加勢する吉村洋文に大村秀章が「はっきり言って哀れ」と批判

 先日、大村秀章には「知事」との役職名をつけて「大村知事」と表記する一方で、河村たかしを「河村」と呼び捨てにする記事を公開したが、実はこれは、12年前に話題になった年金問題に関して大村秀章を呼び捨てにして長妻昭には「長妻氏」と敬称をつけた記事の自己パロディだった。

 実際には12年前の年金問題に限らず、大村秀章が脛に傷持つ身であることは確かだ。今回の「表現の不自由展・その後」の展示中止の責任もあるし、過去には「中京維新の会」を立ち上げて河村たかしとつるみながら橋下徹に接近したこともある。検索語「大村 河村 橋下」でブログ内検索をかけると、2011年から12年にかけてかなりの量の記事が引っかかるが、大村と河村は大阪維新の会公開討論会に参加したり「橋下面接」を受けたりしたものの、橋下の反応はかんばしくなく(橋下は大村と河村にはなかなか合格点を出さなかった)、腹を立てた河村がまず討論会への参加を取り止め、大村もそのあと橋下から離れて行った。そして2012年の年内には既に河村と大村との間に亀裂も入り始めていた。

 この例に見る通り、権力者の野心には限りがない。現在の日本は、なぜか権力者(ことに安倍政権)を疑うことを忌避する空気が充満しているが、人々が無邪気に権力者の善意を信じられることがこの国の宿痾というべきだろう。これでは「立憲主義」がいっこうに根付かない。「立憲」を党名に冠した保守政党の支持者(リベラル派が多い)の間にも党首を無批判に信仰する「信者」が多数いるていたらくだ。

 左翼もさっぱりダメで、日本共産党はいまだに民主集中制にしがみついているし、山本太郎の「信者」も、主にかつて新左翼だった年配の人たちと、最近政治に関心を持つようになった若い人たち(あるいは若くなくとも最近になって政治に目覚めた人たち)から構成されているように見える。いずれも、保守思想の産物である「立憲主義」に対応するような、権力(者)を縛る仕組みを構想する能力、いやそういうものを構想しようとする発想さえそもそも持たないどうしようもなさだ。ひたすら党執行部だの党首(教祖)だのを盲信する彼らの姿には寒心に堪えない。

 大村秀章に話を戻すと、上述のように脛に傷持つ身ではあるけれども、河村たかしや吉村洋文のような歴史修正主義者と戦う局面においては大村を支持すべきだろう。醍醐聡氏が下記ツイートで呟いた通り。

 

 

 下記は大村秀章が吉村洋文を批判したことを報じる朝日新聞デジタルの記事。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM884RWCM88OIPE01D.html

 

大村氏、大阪・吉村知事の発言に「はっきり言って哀れ」

表現の不自由展・その後

堀川勝元

 
 
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示に対し、ファクスで脅迫文を送った疑いで男が逮捕されたことを受け、芸術祭の実行委員会会長を務める大村秀章愛知県知事は8日、報道陣の取材に応じた。大村氏は「多くのみなさんに不安を与え、芸術祭の安全を脅かした。一日も早く事実関係を明らかにし、法と証拠に照らして対処してほしい」と述べた。

 企画展の実行委員会は企画展が中止になった後も芸術祭の実行委事務局の了解を得て現場を保全し、一日も早い再開を求めている。これに対し大村氏は「その後も様々な脅迫めいた電話や犯行予告のようなメールが届いている」と説明。「すべての情報は警察と共有しているが、引き続き対応していかなければいけない面がある。まずは当面、(芸術祭の)安全な管理、運営に全力を期したい」と語った。

 一方、大阪府吉村洋文知事が7日、大村氏が企画展の展示内容を容認したとして「辞職相当だと思う」と述べたことに対し、大村氏は「はっきり言って哀れだ」と批判。そのうえで「憲法21条の表現の自由についてまったく理解していないのではないか。公権力を持っている人がこの内容はよくて、この内容はだめだとずっと言っている。(吉村知事が常任役員を務めている)日本維新の会表現の自由はどうでもいいと思っているのではないか」と疑問を呈した。

 企画展は1日に始まり、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品など各地の美術展で撤去されるなどした二十数点を展示。大村氏は3日、テロ予告や脅迫も含め、抗議の電話やファクスが相次いだため、中止すると発表した。(堀川勝元)

朝日新聞デジタルより)

 

 大村に批判された吉村の発言は下記。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM875WW0M87PTIL023.html

 

大阪府知事、愛知の知事は「辞職相当」 表現の不自由展

表現の不自由展・その後

 

 

 大阪府吉村洋文知事は7日の定例記者会見で、企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会会長を務める愛知県大村秀章知事について「辞職相当だと思う」と述べた。

 企画展をめぐっては、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などが展示されたことを日本維新の会代表の松井一郎大阪市長も批判している。吉村氏は、維新の常任役員を務めている。

 吉村氏は会見で、少女像などの展示について「反日プロパガンダ」だと指摘。「愛知県がこの表現行為をしているととられても仕方ない」と述べ、公共イベントでの展示は問題だとの認識を示した。また、大村氏が展示内容を容認したとして、「愛知県議会がこのまま知事として認めるのかなと思う。知事として不適格じゃないか」と語った。

朝日新聞デジタルより)

 

 ついでに、河村たかしの盟友であり、過去には「私の意見は橋下市長と同じだ」と口癖のように語っていた小沢一郎のコメントを下記に示す。なぜかスポーツ紙(神戸新聞系のデイリースポーツ=阪神タイガースを応援する記事で有名)の記事。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190807-00000149-dal-ent

 

小沢一郎氏「表現の不自由展」への脅迫ファクスに「憎悪しか生まない」

8/7(水) 21:36配信

 

 

 国民民主党小沢一郎衆院議員(76)が7日、公式ツイッターを更新。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示に対する脅迫文がファクスで届いたとして、愛知県が6日に愛知県警に威力業務妨害容疑で被害届を出し、受理されたことを受けて「偏狭なナショナリズムに基づく脅迫行為の横行。憎悪は結局、憎悪しか生まない」などと嘆いた。

 愛知県の発表によると、2日朝、展示されていた慰安婦を表現した少女像について「大至急撤去しろや、さもなくばガソリン携行缶持って館にお邪魔するので」と書かれたファクスが会場に届いたという。企画展は3日に中止が発表された。

 小沢氏は「嫌な時代になったものである。偏狭なナショナリズムに基づく脅迫行為の横行。この国は明らかに変わりつつある。とても悪い方に。憎悪は結局、憎悪しか生まない」と指摘。さらに、展示物を糾弾した立場の人たちが脅迫のファクスに対しては強く抗議しない傾向も含めて「政治が『憎悪』を煽れば、最後は収拾がつかなくなるだろう。今この国に何より必要なのは、『良識』と『冷静さ』」と訴えた。

(デイリースポーツより)

 

 一目瞭然、小沢はテロを煽った河村たかし菅義偉、それに便乗する松井一郎や吉村洋文らを筆頭とする大阪維新の会などへの名指しの批判を避けている。この小沢の腰の引けぶりが山本太郎にも影響を与えているのではないかと疑われる。