「安倍王朝」との「両統迭立」を目指す(?)小泉進次郎に対する批判が、最初ネットで、次いで週刊誌、そして今朝のTBSテレビ「サンデーモーニング」でも取り上げられた。週刊誌の中でも「文春砲」として持ち上げられている『週刊文春』で取り上げられたことでTBSも動いたのかと意地悪く勘繰ってしまった。ただ、TBSでは橋下徹や松井一郎による小泉進次郎批判を取り上げたり、「汚染水問題で日韓が非難を応酬し合っている」などと紹介して、後者については反自公政権系原発推進派人士にして保守派であるコメンテーターの寺島実郎から「日韓関係の問題じゃなくて、日本は世界から厳しい目を向けられている」と番組の伝えからにクレームをつけられる一幕があった。このところ毎週のように目につく、この番組の右傾化を表す一例といえるだろう。今朝はこの件だけではなく、最初に取り上げられたサウジアラビアの石油施設攻撃の件もアメリカ寄りの視点に偏った伝え方をしていた(同様の伝えからは先週末のテレビ朝日「報道ステーション」でも見られた)。TBSとテレビ朝日の右傾化はもはやとどまるところを知らない。下記「広島瀬戸内新聞ニュース」からリンクされた改憲派人士の篠田英朗の言説にも見劣りするようでは、報棄てもサンモニももはや括弧付き「リベラル」とさえいえなくなってきたようだ。
小泉進次郎批判に話を戻す。ここでは「女性自身」の記事を引用する。
以下引用する。
小泉進次郎氏 回答がポエム?「何言ってるかわからない」の声
記事投稿日:2019/09/18 16:28 最終更新日:2019/09/18 21:31
小泉進次郎環境大臣(38)が9月17日、除染廃棄物の最終処分にまつわる質問に答えた。ただその内容が意図の読めないものだったため、ネットでは「何言ってるのかわからない」といった声が上がっている。
同日、福島県に訪問した小泉大臣。記者から福島第一原発事故で発生した除染廃棄物について「45年3月までに県外で最終処分をすることは大きな課題」「その最終処分場の検討が進んでいない。現状や見通しについて見解をいただきたい」と問われた。「これは福島県民の皆さんとの約束だと思います」「その約束は守るためにあるものです。全力を尽くします」と発言したところ、記者が「具体的には?」と再び訊ねた。すると、こう返したのだ。
「私の中で30年後を考えた時に、30年後の自分は何歳かなと発災直後から考えていました。だからこそ私は健康でいられれば、30年後の約束を守れるかどうかという、そこの節目を見届けることが、私はできる可能性のある政治家だと思います」
さらに「だからこそ果たせる責任もあると思うので」と続けた小泉大臣は、同県のふたば未来学園について「その思いがなければ取り組んでいません」と発言。「教育というのは、一過性の支援ではできません」「生徒たちが社会に羽ばたいた後の人生も含めて、責任を負うんだという思いがあるからこそ取り組んできました」と語った。そして「この30年の約束もその思いで、ライフワークだと言ってきたことをしっかり形にするために全力を尽くしたい」と結び、会見は終了した。
30年後の自身について語り、教育の持論を展開。そして最後まで「何にどう全力を尽くすのか」を明かさなかった小泉大臣にネットでは「言ってる意味がわからない」といった声が上がっている。
《ごめん、進次郎のポエムが何言ってるのか全くわからない》
《それっぽい感じで何か語りつつ、実は何も言っていない小泉進次郎。こういう人を雰囲気で持ち上げるのは、いい加減にしたほうがいい。ろくなことにならない》
《自分の意見すら持ってるか怪しいよね》
6日、仙台市で「震災からの復興」をテーマに講演をした小泉大臣。そのなかでもこんな漠然とした発言をしている。
「支援をされる側でなくて、未来の被災地を支援する側に回るような発想ができれば、私は日本人らしさを発揮できる復興や国づくりができるんじゃないかと思います」
また11日の就任会見で原子力発電に対する考えを問われた際も、「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」と返している。
小泉大臣は11年3月の東日本大震災以降、復興に精を出してきた。自民党の青年局長だった12年には被災地を巡回する「TEAM-11」を発足。翌年、復興政務官に就任。野党議員から与党議員ともなり、この8年間で様々な立場となって現地と向き合ってきた。しかし前述のように、壮大に聞こえるものの具体性のない返答を繰り返している。
朝日新聞が17日に発表した世論調査によると、小泉大臣は「次の自民党総裁にふさわしい」という問いに対して22%から支持。石破茂議員(62)や河野太郎防衛大臣(56)、菅義偉内閣官房長官(70)を差し置いてトップだった。さらに16日の産経新聞でも、最も活躍を期待する閣僚として48.9%がその名を挙げたという。
前記サンデーモーニングでは、「私の中で30年後を考えた時に」以降の小泉進次郎の意味不明の返答の映像を流したあと、関口宏が念を押すように水野真裕美アナウンサーにこの小泉の発言を繰り返して読み上げさせたのだった。私も小泉進次郎は大嫌いだから進次郎批判は大歓迎なのだが、これまで進次郎応援の旗を振ってきたに違いないTBSがなぜ一転してここまで執拗にやるのかと訝るとともに、進次郎批判に橋下や松井一郎のコメントを援用したことにドッチラケしてしまった。加えて日韓関係の言及して寺島実朗に批判された。結局番組の迷走化を感じさせただけだった。なお、スポーツコーナーでは昨日の不快なニュースが延々と流されるだろうと思って同コーナーの開始と同時にテレビのスイッチを切った。
このようにサンモニはもはやどうしようもないが、「女性自身」とそれを発行している光文社に関して、先日下記の記事にコメントをいただいたので、それを紹介してこの記事を締める。
以下、上記記事にいただいたコメントを引用する。
curetraum
なるほど。光文社といえば昔は「カッパ・ブックス」、今では光文社文庫版で出ている「松本清張プレミアムミステリー」や、同じ流れで刊行された松本清張短編全集(実際には1962年までの短編の選集)などにお世話になっていますが、骨のある出版社のようですね。もっとも清張の本は文春や新潮からもずいぶん出ていて、清張がもっとも力を入れたのは文春・新潮の媒体に発表する作品を書く時でしたが。
コメントに書かれた経緯は全く知りませんでした。ご教示どうもありがとうございます。コメントをいただいてからもう1週間になりますが、反応が遅れてどうもすみません。
光文社といえばVERY。
今尾朝子が編集長に就いてから、読者ターゲットを有閑マダムからワーキングママへと方針転換。社会派ネタを多く取り入れ部数を伸ばし、ここしばらくは同タイプの雑誌の中で発行部数トップ。
(本文中の「読者層が変わってきているのか?」は、実はある程度当たったいて、ライトな社会派ネタ目当ての新規/鞍替え読者も少なくないそうです。)
となれば、「安倍晋三とその仲間たち」が放っておくはずもなく、何年か前にも特定秘密保護法絡みでキッチリ圧力をかけています。
内閣広報室が告知前の企画(お母さんこそ、改憲の前に知憲!というタイトルの座談会)対して、自分達にも取材するよう編集部に申し入れをしてきたのです。
つまり、「こちらの意見も載せろ」告知前でも知ってるぞ」ということ。
これに対し、編集長および社長が申し入れを拒否、かつ申し入れがあった事実そのものを公表しました。
(で、一時的に世間の話題となり、該当号はむしろ売り上げがよかったとか。これが小学館あたりだと、いったいどんな対応になっていたでしょうか。)
「権力を批判する言説」は、少なくとも光文社のそれは、このような努力(出版社としては当たり前ですが)の積み重ねの上に存在しており、決して同社が非大手だから安倍内閣が「手を抜いて」いるからではない、ということを知っていただきたく、今回は長々と書かせていただきました。
最後に企画タイトル/告知コピーから、両社の現在地を確認してみましょう。
「『きちんと家のことをやるなら働いてもいいよ』と将来息子がパートナーに言わないために今からできること」
(光文社VERY2019年1月号記事タイトル)
「働く女は、結局中身、オスである」
(小学館Domani2019年4月号告知コピー)