kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

20世紀以降の気候変動(地球温暖化含む)に人為的影響が強いことは不動の定説/tanpei1130さんとのコメント欄でのやりとりより

 このところ毎年のように思うのだが、若い頃(私が念頭に置いているのは、最初に上京した1980年から1993年頃までの間のことだ)に比べて、東京(や横浜など)の首都圏の夏は、異様なまでに長くなった。

 昨年と今年の夏は、ゴキブリや蚊が異様に少なかった。特別に酷い酷暑だった去年は、そのことがテレビのニュース番組でも話題になったが、今年も梅雨明け後は、一昨年まで夏によく見かけた路上を這い回るゴキブリが、昨年同様に少なかった。昨年も層だったが、暑さのピークを過ぎてからよく見かけるようになった*1。昨今の猛暑には、ゴキブリまでもが音を上げているのかと思った。

 そしてここ数日の蒸し暑さ。偏西風の蛇行によるという話だが、衣替えの季節で出先への外出時に必要になったスーツにネクタイの格好をした昨日(3日)は、外の空気の蒸し暑さに汗をじっとりかいて不快極まりなかった。天気予報を見ると、今日と明日は昨日以上に気温が高くなって30度を超える猛暑日になるらしい。10月に猛暑日なんて、昔は考えられなかった。今年は5月末にも猛暑日が続いたことがあって、5月としては異例の猛暑だとかテレビで言っていたが、いつの間にか、1年の半分を占める長い長い夏と、普通の冬と、ごく短い春と秋からなる四季の国になってしまった感がある。ことに今年は梅雨が長かった影響か、湿度がとても高い夏だったので、夏季の平均気温自体はおそらく今年より高かったであろう昨年の夏よりも、もっと疲労が蓄積した。

 もちろん猛暑の要因には「たまたまの」偏西風の蛇行もあろうし、東京の場合は人口の過剰な集中によるヒートアイランド現象の影響が強くあるに違いないが、それらを差し引いても気候の変動が極端に激しくなったように思われる。地球温暖化を含む気候変動が議論されるようになって久しいが、ここ数年、それがはっきり体感できるようになってきたと感じる。

 

 今日は、少し前に公開した下記記事に対するコメントを取り上げる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 この記事で私は、平河エリ氏の下記ツイートを引用した。

 

 

 上記に引用されているグラフを見れば一目瞭然、科学者たちは気温の観測結果を、「自然起源強制力のみを用いたシミュレーションのモデル」と「自然起源と人為起源の両方の強制力を用いたシミュレーションのモデル」とそれぞれ比較し、後者によく当てはまっていると結論を出している。だから、下記ツイートを皮切りに何往復かやりとりした「民主主義万歳」氏(エンジニアの人らしい)の一連のツイートを「知性的な立場とは言えません」と一蹴している。

 

 

 しかるに、グレタ・トゥーンベリさんを取り上げたこの日記の記事に、下記のコメントをいただいたのだった。

 

tenpei1130

 

私は今の地球温暖化の議論に疑問を抱いています。それは温暖化の最大原因を二酸化炭素濃度の増加に求めている点です。もしも地球がこれまで氷河期を何度か経験したことをkojitakenさんが認めていらっしゃるとしたら、その後は温暖化をしたことも認めていらっしゃるはずです。その温暖化当時も今のように何らかの原因で二酸化炭素を排出していたのでしょうか?二酸化炭素濃度が温暖化の直接原因でないとすれば現在の対策は修正されなければなりません。私は何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして、それなら対策は難しく、適応策を検討すべきと考えています。なお、人間の自然に対する影響は減らすべきだと考えます。ご意見伺えればうれしいです。

 

 このコメントに私は切れ、下記のように返答した。

 

id:kojitaken

 

tanpei1130さん>

コメントありがとうございます。しかし、いただいたコメントには全く同意できません。

理由は、あなたのコメントには、この記事からリンクを張って紹介した下記平河エリ氏のツイート(https://twitter.com/yomu_kokkai/status/1176691099873640448)に引用されている、温暖化に対する人為的影響のデータ(3枚のグラフに示されている)に対する反論が全く書かれていないからです。

ましてやあなたは、

>何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして

などと書かれていますが、これは議論する姿勢がないと言っているも同然であって、論外です。

 

 この返答はコメントをいただいたあと、たまたま在宅していたのですぐに書いた。すると数日後、下記の返事を頂いた。

 

tenpei1130

 

私の表現が稚拙でkojitakemさんに議論を求めているように取られたら謝ります。私が言いたかったことは、もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。氷河期がなぜ終わったかとか縄文時代はなぜ暖ったかという理由が探せなかったものですから。こういう投稿は初めてで短くしようとしたらさらに稚拙になったようです。ご不快の念を抱かせたとすればお許しください。

 

 こういう反応をされると、それこそ困ってしまいます。というのは、私はtanpei1130さんの最初のコメントを読んで確かにカチンときましたが、tanpei1130さんに悪意を持ったわけでは全くないからです。むしろ、気候変動に全く関心を持たないか、またはブログ主の私を怒らせるのを恐れてコメントしない人たちよりも、反応していただいただけでも大いにありがたいと思っています。

 

 しかし、ちょうど平河エリ氏がエンジニアである「民主主義万歳」氏に対して、

資料も読まずに「思いつき」で疑問をツイートして、まるでいろんな議論があるかのように主張されるのは、知性的な立場とは言えません。

と指摘されたのと同じことを、tanpei1130さんのコメントを読んで思いました。

 

もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。

とのことですが、平河エリ氏がツイートで引用したグラフに20世紀以降の地球温暖化に与えた人為的な影響が大きいことがはっきり示されていて、まともに議論しようとする態度を持った人であれば誰でも、グラフから了解できる事柄だ、というのが私の返事になります。そのシミュレーション自体に問題があるかもしれないと思われる場合は、根拠を持ってそれを主張する必要があります。科学者の世界にも「同調圧力」は強くあり、データをモデルに合わせて捏造するケースもしばしばあるからです。地球温暖化懐疑論者から「クライメートゲート事件」などと騒がれた問題もかつてありました(この件には懐疑論者にとって否定的な結論が既に出ているようですが)。

 

 私としては、まずまともに議論しようとする姿勢を持って下さい、としか言いようがありません。地球温暖化を含む人為的要因による気候変動を否定したがるのは、今やアメリカの共和党支持者や日本の「小沢信者」の一部しかいない絶滅危惧種になっています。10年くらい前にはノビー(池田信夫)も「地球温暖化陰謀論」を唱えていましたが、今やノビーですら、勝ち目のないこの立場から撤退しています。

*1:蛇足だが、今年はG球団がプロ野球セ・リーグで優勝しやがった。