kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都のPCR検査結果陽性率が累計で26.1%に達した

 大阪で毎日放送MBS)の取締役が新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなるなど、大阪もひどい事態になってきたなと思って大阪府のサイトにアクセスしたが、一昨日(4/8)の時点でのPCR検査結果の陽性率は累計で9.1%であり、全国平均より高いものの東京都に比べればまだまだ低かった。とはいえ、確認された陽性患者は上記のデータにまだ反映されていない昨日(4/9)に急増したから、大阪府でも東京都のあとを追って陽性率が急増する可能性はかなり高い。

 

www.pref.osaka.lg.jp

 

 東京都はといえば、これはもう悲惨の一語に尽きる。これまで遅かった検査実施人数の発表のタイミングは、意外にも早くなっていて、もう昨日の検査実施人数のデータが下記東京都のサイトに発表されている。

 

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

 上記サイトに掲載されたデータを見ると、4/9の検査件数は362件で、検査実施人数は351人だった。それに対し、確認された陽性患者数は、昨日報じられた通り181人だった。

 直近のデータは、おそらくは検査数を増やした影響で、検査した当日に結果が出るとは限らないようだが、単純に陽性患者数を検査実施人数で割ると、陽性率は51.6%となる。累計でみても、陽性患者数が1519人で検査実施人数は5821人だから、陽性率は26.1%にのぼる。大阪府の実に3倍近い、恐ろしい数字だ。

 東京都も以前は陽性率が全国平均(約6%)に近い数字だった。それが3月23日以降急増している。これが意味するところは明白で、事実上検査の閾(しきい)値が上がってしまっているのだ。つまり、以前なら東京都で検査を受けることができた軽症者が検査を受けられなくなってしまっている。とはいえ、すぐにも死に瀕した重症者も「まだ」少ないため、東京都での新型コロナウイルスの致死率はこのところ下がり続けており、それに引っ張られて日本全体での致死率も下がり続けている。

 一昨日の深夜(8日23時33分)に公開した下記記事で既に予測した通り、日本全体での致死率は既にドイツよりも低くなった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事で私は下記のように書いた。

 

 今日目についたのは、下記サイトで確認できるドイツでの新型コロナウイルスによる致死率がますます高くなってきたことだ。ドイツでの致死率は1.9%に達し、日本での致死率2.2%と大差なくなってきた。ひところは、日本の致死率が3.7%もあったのに対し、ドイツでの致死率は0.2%だったが、その差が急速に縮まってきた。おそらく、間もなく両国の致死率は逆転するのではないか。

 

出典:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2020/04/08/233323

 

 この予測は、記事を公開しなかった昨夜の同じ時間帯には既に実現していた。そして現在では日本はドイツにかなりの差をつけた。

 

 下記サイトでドイツと日本での致死率を確認されたい。

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

 この記事を書いている時点で上記サイトに表示されている数字を見ると、ドイツでは確認された患者数総計118,235人に対して死亡者は2,607人、致死率は2.20%だ。一方、日本では、患者数総計5,530人に対して死亡者は99人、致死率は1.79%となっている。逆転したばかりか、日本はドイツに早くも0.4ポイントの差をつけたのだ。

 なお、上記サイトに掲載されている数値は、日本の厚生労働省発表の数字とNHK・朝日・読売などの報道機関が報じる数字の中間になっている。厚労省発表でYahoo! Japanの「新型コロナウイルス感染症まとめ」*1に掲載されている数字(「4月10日時点 厚労省発表」と明記されている)は、患者数5,347人、死亡者88人(致死率1.65%)であるのに対し、NHKのサイトを見ると、同じ4月10日現在の数値が、患者数6,003人、死亡者112人(致死率1.87%)となっている*2。これはどうしたことか。以前から厚労省発表と大手マスメディア報道の数字は少し違いがあったが。致死率で0.1ポイントくらいの差だった。その差がここにきて急激に拡大している。またぞろ経産省だか財務省だか彼らの意を受けた官邸(安倍)だかによって、日本国内での新型コロナウイルスによる肺炎死を少なく見せかけようとする圧力でもかかっているのだろうかと疑ってしまう。あるタイミングで、報道機関が報じる数字が厚労省発表の数字に無理やり合わされてしまう事態でも起きなければ良いのだが。緊急事態宣言を盾にとってそんなことをやらかすなら、それこそ「大本営発表」の二の舞になる。なにしろ今の安倍政権は、このような疑念を起こさせる行いを繰り返してきた。

 とはいえ、ドイツでの致死率が急激に上がる一方、日本での致死率が急激に下がってきていること自体は間違いない事実だろう。だから、ドイツと日本の数字が間もなく逆転するだろうとの記事を私が書いていた、ちょうどそのタイミングでTBSのnews23が言っていた下記の報道は、あっという間に陳腐化してしまったかに見える。

 

 

 上記TBSの報道には、下記のような突っ込みがされている。

 

 

 しかし、上記ツイートもまた短絡的だ。私の意見は、このツイートにさらに反応した下記のツイートと同じだ。

 

 

 韓国、ドイツ、日本の3か国ではそれぞれステージが全然違う。各国の患者数総計と死亡者のほかに、回復者の数および割合も見る必要がある。

 まず韓国は、患者数総計が10,450人、死亡者が208人で致死率は1.99%だが、回復者が7,117人いて、回復率(というのだろうか)は68.1%だ。

 またドイツでの回復者は52,407人で、回復率は44.3%。

 これに対し、日本での回復者はまだ685人で、回復率は12.4%。致死率は1.8%だから、患者の85%以上は、回復するか、それとも不幸にして亡くなってしまうか、その結果が確定していない。典型的な「拡大期の国」だといえる。

 この段階ですでに韓国での致死率1.99%と大差ないのだから、最終的に韓国での致死率を下回ることは至難の業ではないか。そのように私は予想するのだ。

 最終結果が出るのはもう少し先だが、どう考えても明らかに感染の拡大期にある今の日本でなすべきことは、検査の拡充ももちろん大事だけれども、それよりも「人と人との接触を減らす」ことが最重要課題であることはいうまでもない。

 残念なのは、今日立ち読みした「週刊新潮」(ということは、私も今日外に出ていたわけだが)に載っていた上昌広氏のコメントだ。氏は、日本での新型コロナウイルスによる致死率が最大で3.5%*3あったのが現在では2.3%に下がったのは、これまで検査を受けられなかった軽症者が検査を受けられるようになったからではないか、などと言っていたが、これは明らかな誤りだ。

 東京でこのところ陽性率が跳ね上がり、どんなに検査数を増やしても陽性率が下がらない事実を認識していないとしか思えない上氏のコメントを読むと、これまで「危機感を煽っている」ようにしか見えなかった上氏とは、実は恐るべき現状に対して何ら根拠のない楽観論しか持っていない人だったことが、はっきりわかった。

 今回の新型コロナウイルス感染症に関して、上昌広は全く信頼できないコメンテーターだったのだ。

 上氏のメッキはいとも簡単に剥がれ落ちた。

 非常時にこそ人間の真価が問われる。上氏は、みごとなまでに悪い見本だった。

*1:https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207

*2:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012379151000.html

*3:私の認識では、これまでの最大値は約3.7%だった。