kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都とけんもねずみ氏のグラフで、なぜ陽性率が乖離するのか

 昨日(5/8)、東京都のサイトに新型コロナウイルス感染症の都内における陽性率の推移のグラフが載った。下記リンク先をご参照いただきたい。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/youseiritsu.files/020508_1.pdf

 

 私が知りたいのは、このグラフに表示されてる陽性率と、けんもねずみ氏のサイトで表示される東京都の陽性率のグラフがなぜ大きく乖離するのかということだ。けんもねずみ氏のサイトへのリンクを下記に示す。

 

datastudio.google.com

 

 上記サイトで「県名」をタップし、東京都を選ぶと都のグラフが表示されるが、上の実線で表示された曲線が週間陽性率を示す。5月7日にカーソルを合わせると、同日の週間陽性率(5/1~5/7)が14.5%と表示される。都のグラフでは、同じ期間の週間陽性率(つまり報道で5/7の陽性率とされた値)が7.5%だというのだ。両者にはおよそ倍の開きがある。

 4月中旬にピークがあり、それ以降陽性率が低下していったことは都とけんもねずみ氏のグラフで同じだ。但し値は異なり、都のグラフでは4月11日と14日に最大値31.6%を示すが、けんもねずみ氏のグラフでは4月15日に23.28%の極大値*1を示している。その後は4月30日の9.67%まで陽性率が下がり続けている。そこまでは同じ傾向だが、それ以後が異なる。けんもねずみ氏のグラフでは、5月1日以後再び陽性率が上昇に転じ、5月6日の13.79%、7日の14.5%に至った。陽性率が再上昇に転じたのは、連休中の検査数の減少に伴うと考えられる。つまり、少なくとも連休中には都の検査数は「足りていなかった」ことになる。一方、都が公表したグラフによると、5月に入ってからも陽性率が下がり続けている。なぜこんな違いが生じるのか、私には理解できない。

 陽性率の計算など、生データがきっちり公開さえされていれば単なる四則演算しか必要とせず、小学生にもできる程度のものだ。それがなぜできないかというと、検査を受けた人と検査結果の紐づけができていなかったり、一時期には都のサイトに表示されている検査数に、陽性者の陰性検査のためのデータが混ざっていたりしたり*2するなど、東京都が生データの整理と提示を十分にできていなかったためだろう。

 このところ私が毎週末に行っている簡略な試算と傾向が合い、かつ数値が近いのは、けんもねずみ氏のグラフの方だ。なぜこんな乖離が生じるのか、都には説明責任があると考える次第。少なくとも、検証が可能な生データを都は公開すべきだ。昨日も書いたが、現在都のサイトに表示されているデータからは、都が示した陽性率の数字は出てこない。

*1:最大値ではない。3月にもっと高い陽性率を示した日があった。

*2:昨日の昼間まではこの状態だったが、昨夕の更新でこの重複は除去されたようだ。