テレビのニュースではほとんど話題にならないが、ネットのごく一部では山本太郎が東京都知事選に出馬するかどうかが話題になっている。
反山本側と見られる有田芳生参院議員(立憲民主党)のツイートで知ったが、「AERA」6月22日号にこの件に関する記事が出ている。有田議員は記事の一部の画像をツイートに貼り付けている。
「AERA」6月22日号。明日の14時に都市センターホテルで会見があるようです。 pic.twitter.com/wKXdWJ5VgA
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年6月13日
このツイートを見て近所の本屋に現物を見に行ったが「AERA」は置いていなかった。最近の本屋の傾向として、目立つように置いてあるのは「週刊文春」と「週刊新潮」だけで、他は現代やポストでも1ランク落とし、「週刊朝日」や「サンデー毎日」などは2ランク落とし、「AERA」に至っては3ランクくらい落として、そもそも入荷しなかったりするようだ。なお、小池百合子の「女帝」本は売り切れなのか入荷できないのかは知らないが、先週は売り上げランク20位、昨日はそれが1位と表示されていたのに現物がなかった。だからまだ立ち読みもしていない。
有田氏のツイートから参照できる「AERA」の記事の一部によると、山本太郎の擁立にはやはり小沢一郎が関与していて、小沢は山本太郎を無所属の候補として「野党共闘」の統一候補に担ごうと各党に根回ししていたが、山本が無所属ではなく「×××新選組」*1公認にこだわったために、顔を潰された形となった小沢が「勝手にしろ」と切れてしまった。それでも山本は出馬を強行する構えなのだという。
これにはかつて「小沢信者」御用達の夕刊紙として鳴らした「日刊ゲンダイ」も、「山本太郎氏には焦り」と評される始末だ。以下、記事を引用する。
■山本太郎氏には焦り
かたや、昨年から出馬をにおわせてきた山本太郎氏は、「告示日までに決める。フィフティーだ」とし、決断を先延ばし。背景には、なし崩しになった野党共闘があるという。
「立憲民主などが野党統一候補として担ごうとしましたが、山本太郎氏が『れいわ新選組』の看板にこだわったため立ち消えになった。コロナ禍で全国ツアーが中止に追い込まれ、存在感が希薄になった『れいわ』を再浮上させるため、山本太郎氏は出馬にこだわっている。しかし、方々に相談して物心両面の支援を求めているものの、色よい返事が全く得られない状態。焦りを募らせているようです」(永田町関係者)
元希望の党の国民民主党は自主投票。小池都知事が政党推薦を求めないと公言したことから、自民党も自主投票で決着したが、都議会で手を握る公明党は支援に回る。対抗馬は誰になるのか。
(日刊ゲンダイ 2020/06/14 06:00)
出典:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274559/3
この件に関する週刊誌や夕刊紙の報道は、これまで小沢一郎や山本太郎に親和的だった媒体の報道を含めて、すべて符合していて辻褄が合っているのが大きな特徴だ。「AERA」の記事は有田芳生が切り取ったごく一部しか参照できないが、十分に信用できるとの心証を私は持った。無所属で「野党共闘」が担ぐというのは、昨年4月の衆院大阪12区補選でやって大失敗した方法だが、小沢の発案だったとされる。この補選では参議院議員を辞職してまで無所属で立候補した共産党系の候補が供託金没収の惨敗に終わったのだが、山本陣営はそれをよく覚えているから、どうせ負けるんだったら自党の公認で出たいと思ったのかも知れない。
山本陣営にとって何よりも重要だと思われるのはやはり資金問題であって、例の事務所職員解雇の問題は、社会新報の編集長がツイートを削除してしまったらしいが、やはり陣営には大きな重石となっていて、このままではそう遠くない時期に事務所の移転をせざるを得なくなりそうな状態なのだろう。だからこそ都知事選で失地回復をしたいという「背に腹は代えられない」事情があるのではないか。
ところでネットで観察されるのは、これまで山本太郎(や小沢一郎)を応援していた人たちの大分裂だ。昔「そとんさん」と名乗っていたのと同じ人が運営していると思われる下記のツイートなどが好例だ。
山本太郎の都知事選立候補について、支持すると表明したとたん、宇都宮派からクソリプの嵐。自殺した木村花さんの心境がよく分かった。いわゆる野党共闘内には言論の自由はない。異論が許されない、ファシズムの世界である。
— Thoton Akimoto #山本太郎を東京都知事に (@thoton9) 2020年6月13日
「お前が言うな」としか私は思わない。
今回はまた、田中龍作とか室井佑月などといった、かつて右翼民族主義者の三宅洋平が参院選に立候補した時に熱心に応援した人たちまでもが山本太郎の出馬に批判的だ。ことに室井などは凝り固まったヤマシン(「山本太郎信者」)たちから罵倒されている。これなども政治勢力の支持が縮小していく過程でよく見られる現象だ。
しかし、山本太郎の出馬の意向に対しては、かつての師匠・小沢一郎の筋を含めて大部分がネガティブ。そんな状況で、本当に今日、山本太郎は出馬を表明するのか、それとも撤退するのかは興味津々。もちろん彼がどちらを選ぶのかは私にはわからない。
ただ一つだけ言えることは、山本太郎は東京都知事の器でも、ましてや総理大臣の器でも全くないということだ。山本太郎が今のままならば、総理大臣など目指してもらいたくない。真っ平御免だ。
もっとも今の日本は、7年半以上の長きにわたって、山本太郎よりももっと総理大臣にふさわしくないトンデモ野郎が権力の座に居座っているわけだが。