この朝日・軽部記者の書き方はややオブラートに包んだ書き方だが、身も蓋もない書き方をすれば、小池百合子は都合の悪い指標を使うのを止めてしまったわけだ。
【書きました】最近は1日50人台の感染が続いていたものの「4月の感染状況とは実態が異なる」と主張していた東京都。従来の指標だったら休業を再要請するレベルの人数だけど、経済面への打撃を考慮してそれはなしに。形骸化していた指標を今夜変更します#新型コロナウイルスhttps://t.co/BVGC5wzZQA
— 軽部理人/Rihito KARUBE (@rihito_karube) 2020年6月30日
実際には東京都の新型コロナウイルス感染症の陽性者は増えている。ひところ、新規感染者がほとんどいなくなったとされてきた大阪府でも、陽性者が出始めた。だがそれでも緊急事態宣言の再発令が必要だとする意見がなかなか強まらないのは、世界的に見ても、アメリカを筆頭に、感染拡大が全然鎮静していないのに経済活動を元に戻して感染拡大を座視することが世界的なトレンドになっていることが大きな原因だろう。
その状況にあぐらをかいて、小池百合子は新型コロナウイルス感染症をいいように利用している。五輪開催までは、東京都の開催の阻害要因になりかねないコロナに関しては全く動かず、延期が決まるや態度を豹変させて見え透いた演技をやり、今回は都知事選のために都合の悪い指標を葬り去ってしまう。やりたい放題のめちゃくちゃであり、全く評価できないのは当たり前だ。
しかし、そんな小池を肯定的に論評した下記ブログ記事には呆れ返った。
以前からこのブログ主には小池百合子に対して異様に甘い傾向があった。上記ブログは、今はそれほどでもないが、かつては人気が高かった。読者層の多数は安倍政権に批判的な人たちだろう。そんなブログがこんな記事を公開する。
もっとも、「小池に異様に甘い」のは何も上記ブログ主に限らず、無党派層の6割だの立憲民主党支持層の4〜6割だの共産党支持層の2割だの某新選組支持層の1割だのも小池に投票するのだという。
昔の石原慎太郎もそうだし、局所的に見れば今の山本太郎も同じだが、どうしてこのようにやりたい放題のわがままな独裁者に、多くの人たちは惹きつけられてやまないのだろうか。
わがままといえば、上記の「押しの強い」人たちとは類型はやや異なるものの、安倍晋三などその最悪の例だろう。
10年以上前に自分を批判した議員を落選に追い込むために立てた「刺客」に大金を投じたあげく、当の刺客陣営が買収をやって、安倍自身の側近でもある元法務大臣である夫もろとも、安倍を批判した議員を落選に追い込んで当選した「刺客」議員は逮捕されてしまった。
安倍晋三が「諸悪の根源」であることはあまりにも明らかなのに、それでも3割を超える内閣支持率を誇る。そして、安倍は山本太郎が野党陣営に亀裂を入れている現状をチャンスと見て、衆議院を解散して総選挙を行うのではないかとの観測が増えてきた。この場合は秋に臨時国会を召集して、冒頭で解散するという流れになるのだろう。