kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都知事選で山本太郎に「特に強い地域」は見られなかった

 東京都知事選は結局、小池百合子が3,661,371票(得票率59.7%)で圧勝した。2位の宇都宮健児は844,151票(得票率13.8%)で、小池の4分の1にも満たなかった。3位の山本太郎は657,277票(得票率10.7%)で、2013年の参院選東京選挙区で得た得票数666,684票を下回った。4位の小野泰輔は612,530票(得票率9.99%)で、供託金を没収される見通し。山本は辛くも供託金没収を免れた。

 NHKの開票速報で投票所別の開票結果を見ると、山本太郎が特に強い地域はなかったといえる。

 

www.nhk.or.jp

 

 従来(昨年の参院選など)では、中央線沿線などの西部で強く、東部で弱かったが、強かった西部で宇都宮健児に票を持って行かれた結果、満遍なく弱い候補になったようだ。宇都宮健児は前述の通り中央線沿線などの西部でやや強く、小野泰輔は千代田、中央、港の都心3区で強い分、それらの地域で小池の票が削られた、等の特徴があるが、山本太郎の得票傾向には本当に特徴がなくなった。あえていえば、山本が唯一宇都宮健児の票を上回ったのが江戸川区で、他に足立区と葛飾区でもほぼ互角だったが、これはこれらの地域で宇都宮健児が特に弱いということを意味するものでしかないだろう。これらは従来から山本太郎が弱い地域でもあった。

 山本太郎のようなマッチョな政治家にすべてを委ねるという悪弊は、もういい加減止めるべきだろう。今回の都知事選で山本が得た得票は、山本に対する幻想がまださめやらぬ人たちが、これまでの惰性に引きずられて投票したのが大部分であって、MMTerによる投票その他はごく一部だろう。

 今の山本は、昔のプロ野球にたとえれば、球団でいえば1986年の阪神タイガース、選手(投手)でいえば1981年の木田勇、1983年の工藤幹夫、1990年の阿波野秀幸といったところではないか。

 この過渡的な政治家は今や終わろうとしている。これからは、主権者が政治家にすべてを委ね、信奉する政治家に対する批判は断じて許さない、などという「信者」的な態度を止めることが求められていく世の中でなければならない。そうでなければいつまで経ってもこの国の政治は良くならない。