第2次から第4次まで、7年8か月もの長きにわたって続いた安倍内閣に対する評としては、下記平河エリ氏の連ツイがいちばん核心を突いているのではないか。
安倍総理は、「現状維持をやりきった」宰相だと思います。日本の厳しい現実から目をそらすためにスローガンを連発し、有権者もまあまあ幸せだった。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
コロナで玉手箱が空いて、ITシステムの老朽化、衰退した地方、その他諸々に気が付かされたけど、それまではみんな現実を見ないですんだわけです。
72歳の麻生副総理は、そのまま79歳になった。我々も7年半歳を取りました。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
でも、政治が変わらないことは安心感を与えた。
世界は激動の時代だったけど、日本だけは問題を先送りして、穏やかな日常を送れた。
良くも悪くも、それが有権者の選択でした。
キャッチフレーズと現状維持、そして問題の先延ばしと国会の空洞化。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
これが安倍政権の勝ちパターンでした。有権者がそれを選んだ。
次の政権で通用するのかはわかりません。新しい顔には新しいものを求めるものだから。
家中の鏡を割って回っても、歳を取ることを止めることはできない。ふとしたときに現実に気付かされます。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
これに続く2つのツイートには少し異論がある。
多くの人が安定を望んでいるときに、安定を提供したのは安倍総理。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
それの歴史的評価はあるでしょうが。有権者の期待に答えたことは否定できないと思います。
これは、「『安定を提供した』かに見せかけて人々を騙した」とでもいうべきではないだろうか。
安倍総理は何かを成し遂げた人として記憶はされないですが、「あの時代はまだ良かったね」と懐かしく思い出されることは多々あるでしょう。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
それは、一つのレガシーであると私は思います。
これもどうだろうか。よく、現役時代には評価が高かったものの、死後評価が急落する芸術家がいるが*1、安倍晋三もその類ではないか。もちろん「死後」ではなく「退陣後」になるが。あの頃、安倍浦島太郎が竜宮城で好き勝手にやっていたツケを払わされてるんだと気づいた人々が、安倍をこき下ろすようになるんじゃないかと思う。
もちろん、安倍政権時代を懐かしく思い出す人も中にはいるだろう。しかしそれは、既に初老といえる歳になった私よりもさらに上の、1970年代だの80年代だのの栄光が忘れられない一部の年配者に限られるのではないか。
そういえば私も以前、安倍政権を支えているのは1970年代だの80年代だのの栄光が忘れられない人たちだ、という意味のことをこの日記に書いた記憶がある。安倍政権はその世代のほか、「安倍政権しか知らない」若い世代にも支えられてきたが、若い世代は新しいものに接するとすぐに態度を変えるものだ。戦争中の軍国少年、軍国少女が戦後も変わらずそうだっだか、などと考えればすぐにわかる。
結局、一部の高年齢層が安倍時代に郷愁を抱くものの、その層の人たちが退場したあとには、第2次〜第4次安倍内閣に対する評価はネガティブなものしか残らないだろうと私は予想している。
以上のような留保はあるが、平河氏の連ツイはほぼ納得できるものだった。
安倍政権の7年半を総括しました。原題は「空虚の宰相」です。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年8月28日
この連ツイの内容とも重なりますが、なぜ有権者が安倍政権を欲したのか、なぜ実績を残せなかったのかを論じています。
ぜひご笑覧ください。
https://t.co/BqLK2kgvVN
この記事も興味深いが、ここでは引用しない。リンク先をご覧いただきたい。