kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

菅義偉、日本学術会議の推薦候補6人の任命を拒否。「極右政権」の本質をむき出し

 この日記では首相・菅義偉に対して、これまで専ら「新自由主義者」との観点から批判をしてきた。「右翼(極右)趣味」は前首相・安倍晋三よりもいくぶん薄く、だから杉田水脈が「名誉男性」を思わせる、極右人士に媚びた醜悪な発言(「女性はいくらでも嘘をつける」)をして叩かれても放置していたのだろう*1

 しかし私は、そんな菅義偉の本質が「陰湿な強権政治家」であることは心得ていたため、警戒はしていた。その菅の本質が露呈したのが、日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人の任命を拒否した一件だった。下記は時事通信の記事へのリンク。

 

www.jiji.com

 

 以下引用する。

 

菅首相、推薦者6人任命せず 現行制度で初―学術会議会員

2020年10月01日19時03分

 

 共産党志位和夫委員長は1日の記者会見で、日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち、任命権者の菅義偉首相が6人の任命を拒否したと指摘した。同党の機関紙「しんぶん赤旗」が報じたもので、現行制度ができた2004年以降、日本学術会議が推薦した候補が任命されなかったのは初めて。


 

 日本学術会議法は、会議が候補者を推薦して、首相が任命すると定めている。志位氏は会見で「今回の任命拒否は日本学術会議法に反する違法なもので、憲法23条の学問の自由を脅かす違憲行為だ」と撤回を要求。立憲民主党安住淳国対委員長も記者団に「法案に対する賛否を(任命の)参考にするような、政治的意図を持っていたとすれば看過できない」と批判した。


 

 任命を拒否された6人のうち、小沢隆東京慈恵会医科大教授、岡田正則早大院教授、松宮孝明立命大院教授の3氏は連名で「任命拒否の撤回に向けて、学術会議の総力を挙げてあたることを求める」との共同声明を発表した。

 

時事通信より)

 

出典:https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100100929&g=pol

 

 また、下記毎日の記事には任命されなかった6人の名前が掲載されているので、こちらも挙げておく。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

菅首相日本学術会議「推薦候補」6人の任命拒否 「共謀罪」など批判、政治介入か

毎日新聞 2020年10月1日 14時57分(最終更新 10月1日 22時45分)

 

 政府から独立した立場で政策提言をする科学者の代表機関「日本学術会議」が新会員として推薦した候補者105人のうち、6人を菅義偉首相が任命しなかったことが明らかになった。「学者の国会」と呼ばれ、高い独立性が保たれる学術会議の推薦者を首相が任命しなかったのは、現行の制度になった2004年度以降では初めて。

 

 政府は拒否した理由を明らかにしていないが、6人の中には、安全保障関連法や「共謀罪」を創設した改正組織犯罪処罰法を批判してきた学者が複数含まれている。関係者の間では、学問の自由への政治介入との見方が広がっている。

 

 日本学術会議法は「優れた研究、業績がある科学者のうちから会員候補者を選考し、首相に推薦する」と定めており、推薦に基づき首相が会員(210人)を任命する。任期は6年で3年ごとに半数を改選している。

 

 関係者によると、推薦されながら任命されなかったのは、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)▽岡田正則・早稲田大教授(行政法学)▽松宮孝明立命館大教授(刑事法学)▽加藤陽子・東京大教授(日本近代史)▽宇野重規・東京大教授(政治学)▽芦名定道・京都大教授(哲学)――の人文・社会科学系の6人。学術会議は今年9月末で会員の半数が任期満了を迎えることから、8月31日に6人を含む計105人の推薦書を首相あてに提出したが、9月末に学術会議事務局に示された任命者名簿には6人を除く99人の名前しかなかったという。新会員99人は1日付で任命された。

 

 1日に東京都内で開かれた学術会議総会で、9月30日付で退任した山極寿一・前会長は「(1949年の)創立以来、自立的な立場を守ってきた。説明もなく任用が拒否されることは存立に大きな影響を与える」と危機感をあらわにした。9月30日に、菅首相に対し文書で理由の説明を求めたという。一方、加藤勝信官房長官は1日の記者会見で「個々の選考理由は人事に関することでコメントを差し控える。直ちに学問の自由の侵害にはつながらない」と述べた。【池田知広、柳楽未来、岩崎歩】

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20201001/k00/00m/010/145000c

 

 私はこの6人のうち、加藤陽子宇野重規の本を読んだことがあるが、2人とも右翼ではないが、左派でもリベラルでもない。こんな2人まで「排除」するとは、菅義偉安倍晋三同様の極右政治家であると認定するほかない。もちろん菅の行為は違憲の疑いが濃厚だ。

 

 加藤陽子の著書で読んだ本は下記。

 

 

 あと岩波新書も1冊読んだが、そちらはあまり感心しなかった。

 

 加藤の任命拒否に関しては、下記ツイートに同感だ。

 

 

 また、宇野重規に関しては、下記のツイートに言及されている本を読んだ。

 

 

 確かにこの本も「左右問わず読まれる」本だ。加藤陽子宇野重規まで「排除」しようとする菅義偉政権は、安倍晋三ほどの「スーパーウルトラ」まではつかないかもしれないにしても、やはり「極右政権」の範疇に入るというほかない。こんな政権は、来年(2021年)が終わるまでには「排除」されなければならない。

*1:杉田は「そんな発言はしていない」と開き直っていたが、誰も庇ってくれなかった。結局杉田は発言が事実だったことを認めざるを得なくなった。