上記記事の冒頭に、渡辺輝人弁護士が発信した下記ツイートが引用されている。
学術会議の人事に介入した菅政権に贈る言葉はただ一つだ。「本を焼く者は、やがて人も焼くようになる。」
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) 2020年10月1日
ああ、焚書坑儒か。そう思った人は少なくないだろう。実際、多くの方が「焚書坑儒」の四字熟語のみを呟いた反応をしている。
— namikuma (@namikuma2) 2020年10月1日
焚書坑儒か…
— たなとす♪♪ (@ede_m6q) 2020年10月1日
— 青粥 (@ihsns1) 2020年10月1日
焚書坑儒ですね。
— 物乞いフェルスタッペン (@dezfLf6x2Ht00VV) 2020年10月1日
焚書坑儒?
— y-kubota (@ykubota68646994) 2020年10月1日
あるいは大人よりも中学生や高校生のほうがピンときた人の比率は高いかもしれない。なぜなら、この四字熟語は中学校か高校の世界史の授業で習うはずだからだ。下記の高校受験のサイトにも載っている。
以下引用する。
読みは、普通には「ふんしょこうじゅ」だと思う。
そういえば、最近は、どういうわけか中国史がしばしば話題になる。私が思い出したのは、例の「前菅(前漢)と後菅(後漢)の間に晋(新)が挟まっている」というやつだが、焚書坑儒は新でも「晋」でもなく秦の始皇帝がやった。前漢は、秦が滅亡した後に建てられた。まあ、日本の現代史でも「前菅」の何代か前に「晋」があったわけだが。
ところで、今回の「後菅」による焚書を計画したのは「晋」(安倍晋三)だったと、安倍の鮨友だったはずの田崎某が指摘しているらしい。
田崎史郎が「前々から学術会議任命の件を準備しててこのタイミングになった」と言ってたから、安倍の意向だと思う。
— Sonota (@yuandundun) 2020年10月2日
学術会議人事見直さず 官房長官:日本経済新聞 https://t.co/gubtLvWkf1
今回の焚書は、「菅(後菅)案件」ではなく「安倍(晋)案件」だとの指摘をしきりになしているのは。こたつぬこ(木下ちがや)氏だ。
学術会議の件は、「菅案件」ではなく「安倍案件」だったことが次第に明らかになりつつありますが、要するに「安保法制に反対する学者の会」に深い恨みを持つ誰かが官邸・政府にいるということです。15年反安保運動への復讐という観点からみる必要があります。 https://t.co/QyWnTzHPGF
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年10月2日
確かに、5年前のことを根に持つ陰湿さと執念深さには、安倍晋三を強く想起させるものがある。なにしろ安倍は、5年前どころか12年前のことまで根に持って、参議院広島選挙区の溝手顕正を追い落とした。その結果、溝手を追い落とした側の河井克行・案里夫妻が逮捕・起訴されて現在裁判が行われている。自民党政治はここまでどうしようもない腐臭を発するようになった。
しかし、たとえ安倍が敷いた路線であっても、菅義偉にはそれをひっくり返せるだけの権力を持っている。それをやらなかったどころか、菅が能動的に任命拒否劇を主導したのではないかと疑わせる報道が毎日新聞から出た。
以下引用する。
学術会議候補者、「官邸が覆した」? 内閣府は「そのまま全員を上げた」
毎日新聞 2020年10月3日 05時00分(最終更新 10月3日 09時00分)
日本学術会議が新会員として推薦した候補者105人について、内閣府がそのまま首相官邸に上げていたことが2日、複数の政府関係者への取材で判明した。
人事の決裁は、内閣府日本学術会議事務局から内閣府人事課を経由して首相官邸に上げられる。政府関係者は「内閣府は『首相官邸側がいきなり覆した』と言っている。人選に関して内閣府が身分照会をかけることはなく、今回もそのまま推薦者全員を官邸に上げた」と指摘した。別の政府関係者は「事務方は今回、当事者能力はないから国会でも答弁のしようがない。官邸に聞いてくれ、となるだろう」と語った。
2日の野党によるヒアリングで、内閣府の担当者は「決裁文書で残っているものは、(学術会議から)推薦のあった105人のものと、99人を任命するという決裁文書だけだ」と説明。当初、105人を任命する決裁文書があったかについては明言を避けた。【竹地広憲】
出典:https://mainichi.jp/articles/20201002/k00/00m/010/339000c
今回の件について、これは「安倍案件」だからといって、ことさらに菅義偉の責任を矮小化しようとする言説には私は大反対だ。そもそも私は、菅も安倍と同じくらいの陰湿さと執念深さを持っていると認定している。そして、今回の「焚書」に関しては、安倍晋三と菅義偉は同じくらい責任が重いと考える。
安倍晋三の政治生命はまだ絶たれていないから、今度こそ徹底的に安倍を(政治的に)叩き潰さなければならないが、それと同様に来年(2021年)が終わるまでには「後菅」の命脈も絶たなければならないと強く思う今日この頃だ。