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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「学術会議OBは学士院で死ぬまで年金250万円」なる虚言をテレビで垂れ流した恥知らずのフジテレビ・平井文夫と、平井に嘘を教唆した(?)長島昭久の醜態

 フジテレビに平井文夫というチンピラ右翼の「上席解説委員」がいて、好き勝手なことをほざいていることは知っていたが、その平井がテレビで大嘘を垂れ流していたらしい。毎日新聞が「ファクトチェック」をやっている。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

ファクトチェック

「学術会議OBは学士院で死ぬまで年金250万円」 フジ解説委員発言は誤り

毎日新聞2020年10月7日 06時30分(最終更新 10月7日 13時58分)
吉井理記

 

 日本学術会議の任命拒否問題に絡み、フジテレビの5日昼の情報番組「バイキングMORE」で、平井文夫上席解説委員が「会員OBは日本学士院会員になり、死ぬまで250万円の年金をもらえる。そういうルールになっている」と発言し、インターネット上で拡散された。同様の発言をする与党議員もいたが、日本学士院などに確認すると、日本学術会議OBが学士院会員になるというルールはなく、発言は誤りだった。【吉井理記/統合デジタル取材センター】

 

「税金でやっているのは日本だけ」発言も

 

 平井氏は、日本学術会議のように、公金が運営している学術団体は「欧米は全部民間。日本だけが税金でやっている」と発言したうえで、さらにこう続けた。

 

 「民営化して、自分たちで会費を払って、提言すればいいんじゃないですか。だってこの人たち6年、ここで働いたら、その後、学士院というところに行って、年間250万円年金もらえるんですよ。死ぬまで。みなさんの税金から。そういうルールになってるんです」

 

 この平井氏の発言に、スタジオから「えーっ」と驚きの声が上がった。年金不安を抱え、新型コロナウイルス禍の下、将来の見通しも危うい私たち庶民にとっては、なんともうらやましい話ではないか。

 

 早速、ツイッター上では、安倍晋三前首相や菅義偉首相の支持者らが、日本学術会議を批判する趣旨で平井氏の発言を次々にツイート。自民党の長尾敬衆院議員は「同じ立命館大学出身の平井先輩!よくぞ番組で言ってくださいました!ありがとうございます。この既得権益の在り方、しっかりと是正していきます」とまで投稿するなど、広く拡散した。

 

 驚いたのは日本学士院日本学術会議の担当者たちだ。

 

日本学士院を直撃

 

 事実はどうか。

 

 日本学士院事務室(東京・上野)の担当係員、望月健志さんは「誤りですね」ときっぱり。

 

 基本をおさらいしよう。まず日本学術会議日本学士院は別組織だ。前者は首相が所轄する内閣の機関(法令上は「特別の機関」)、後者は文部科学省所轄の機関(同)である。

 

 今話題の日本学術会議は1949年設立。推薦で会員になった学者・研究者が集まり、科学的観点から政府に提言する組織と位置づけられ、定員は210人で任期は6年。再任はできない。

 

 一方、1879年発足の日本学士院は、日本学士院法で「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関とし、学術の発達に寄与するため必要な事業を行う」とされる。会員は任期のない終身制で、定員150人。初代会長は福沢諭吉で、野口英世北里柴三郎新渡戸稲造西田幾多郎など、教科書の「偉人」がぞろぞろ登場するし、現在もノーベル賞受賞者が名前を連ねる。

 

 確かに会員は存命中、250万円の年金を受け取れるが、学術上の功績を考えれば「既得権益」などと呼べないだろう。

 

「そんな規則はありません」

 

 では平井氏の言う通り、日本学術会議にいる「この人たち」は、6年働いたら日本学士院に迎えられるのか?

 

 望月さんは「違います。日本学術会議の会員やOBは学士院会員になるといった規則はありません」としたうえでこう説明した。

 

 「会員の選出は日本学士院会員選定規則に定められており、年1回官報で会員候補者の推薦を募ることを公示し、総会での承認を経て選出します。推薦ができるのは▽大学や研究機関の長▽日本学士院の会員▽日本学術会議の会員――の三つです。推薦を受ける会員候補者の所属団体は問うていません」

 

 つまり、日本学術会議の会員であれば、日本学士院会員になれる、というのは誤りである。

 

 定員150人のうち、現会員は130人だが、欠員がすべて補充されるわけではない。逆に言えば、会員のハードルはそれほど高い、ということだ。

 

 「日本学士院会員の中で、現役の日本学術会議の会員は梶田隆章会長ひとりだけですし、日本学術会議の会員経験がなく、学士院会員になる人はたくさんいます」と望月さんは強調する。

 

「税金でやっているのは日本だけ」も誤り

 

 ちなみに、平井氏は国を代表する学術団体について「税金でやっているのは日本だけ」とも発言した。

 

 しかし、日本学術会議の各国科学アカデミーの調査報告(2000~02年)で確認すると、全米科学アカデミーや英国王立協会、フランス科学アカデミー、ドイツ学術アカデミー連合、スウェーデン王立科学アカデミーなどの主要団体には、運営費用の50%や90%、全額など差はあるが、ほぼすべてに税金が投入されており、ここでもまた、平井氏の発言は誤りである。

 

 さて、こうした批判の高まりを気にしてか、フジテレビの「バイキングMORE」は6日放送分の番組末尾で、担当アナウンサーが「昨日の放送について補足と訂正がある」と前置きした上で、平井氏の発言について「学術会議の会員全員が学士院の会員になって、年間250万円の年金を受け取れるといった誤った印象を与えるものになりました」として謝罪した。

 

 毎日新聞は今後、局として平井氏の発言趣旨の確認などをするかなどを問うたが、同局企業広報室は「本日の『バイキングMORE』でお伝えした通りです。今後、チェック体制を強化し再発防止に努めてまいります」と回答した。

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20201006/k00/00m/040/302000c

 

 ところで、問題だと思うのは、平井が発した妄言の元ネタは、どうやら元民主党民進党自民党に転じた長島昭久が発したものらしいことだ。

 

hbol.jp

 

 上記リンクの記事より、該当部分を以下に引用する。

 

最大級の低劣さを晒した長島昭久衆院議員

 

日本学術会議問題は、政府から明快な説明責任が果たされるべきであることは勿論、首相直轄の内閣府組織として年間10億円の税金が投じられる日本学術会議の実態や、そのOBが所属する日本学士院へ年間6億円も支出されその2/3を財源に終身年金が給付されていること等も国民が知る良い機会にして貰いたい。”〈出典:長島昭久衆院議員のTwitter

 

 

 長島議員は日本学術会議OBがそのまま日本学士院の会員へスライドし、終身年金を受給できるかのように語っていますが、事実無根です。日本学術会議日本学士院とは目的も機能も、また会員となる要件も全く異なります。前者は政府の所管する諮問機関で会員は任期制であり、後者は「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関」(日本学士院法第1条)、つまり功労の多大な科学者の栄典・顕彰を目的とした機関です(会員は終身制)。人間国宝文化功労者、あるいは叙勲・褒章などと同趣のものと考えてよいでしょうが、ただ学士院の場合、会員が寄稿する紀要の発行や資料の収蔵管理などを行う学術研究機関としての機能も持っています。  日本学士院公式ウェブサイトを見れば即座にわかるのですが、現在の150名の定員はノーベル賞受賞者をはじめ各分野の権威中の権威といえる科学者で占められていて、法令に基づいて会員1人あたり250万円の年金が支給されています。この数字をどう見るかは人によってさまざまでしょうが、日本の学術への長年にわたる、そして圧倒的なまでの功績に報いるべく支払われる額としては、実にささやかなものだと筆者は思わざるを得ません。科学者として、その人生の大部分を費やして人類の知の領土を大きく拡げてくれた方々を皆で支え、その功績を讃えることを躊躇うほど、人間として落ちぶれたくはないものです。  この長島議員のツイートを受けてなのか、「この人たち(日本学術会議会員のこと)6年働いたら、そのあと学士院という所に行って年間250万円年金貰えるんですよ、死ぬまで。皆さんの税金から。そういうルールになってる」と発言したテレビ解説者がいたそうですが、上記の通り金額以外は徹頭徹尾デマです。後日別の番組内で訂正したそうですが……。

 

さらに低劣発言を重ねる長島議員

 

 長島昭久議員は更に次のようなツイートをしています。 日本学術会議問題は、今週にも行われる衆院内閣委員会での政府説明で決着がつくと思うが、結局、官邸としては、過去の慣例を踏襲せず、政府の一機関に属する公務員として相応しいか否かで任命の判断をした迄で、政府に認められないと学問の自由が侵害されるとの批判は、自由とは真逆の発想ではないか。”〈出典:長島昭久衆院議員のTwitter

 

 

 看過しがたいのは、「政府に認められないと学問の自由が侵害されるとの批判は、自由とは真逆の発想ではないか」という発言です。どうやら長島議員は日本国憲法第23条「学問の自由は、これを保障する。」の「保障」は、政府ではなく国民が自助でやるべきことと認識されているようです。  言うまでもないことですが、第99条に規定されている通り、日本国憲法の名宛人は日本政府にほかなりません。したがって学問の自由を保障する義務を負うのは国民ではなく日本政府です。こんな中等教育レベルのことも理解していない人間が与党議員として議員歳費を貰い続けていることと、人類の歴史に偉大な足跡を残した150名の日本の科学者に終身年金を支給することのどちらが国家国民のためになるのかは明白ではないでしょうか。(後略)

 

(GEISTE「無知に浅知恵、はてはデマまで。日本学術会議会員任命拒否問題が露呈させた与党自民党政治家の低劣ぶり」;ハーバー・ビジネス・オンラインより)

 

出典:https://hbol.jp/229899/2,https://hbol.jp/229899/3

 

 この件に関しては、長尾敬や細野豪志らも菅義偉を擁護する発信を盛んにしているが、長島を含む彼ら3人はいずれも元民主党系だ(長尾以外は元民進党でもある)。生え抜きの自民党議員の方が、下手に近づいたら火傷しかねないこの件にはあまり触れたがらないように見える。

 つまり、こういうアブナイ案件の時に限って政権擁護に精を出すのが元民主・民進の連中だということだ。新立憲民主党に加わらなかった玉木雄一郎にも同様の傾向がある。

 しかし、いくらこんな時に忠犬ぶりをアピールしたところで、自民党は彼らに良い顔などしてくれない。要らなくなったらすぐに捨てられる。浅尾慶一郎が好例で、浅尾は2017年9月に自民党に入ったものの、その翌月に行われた衆院選前回に自民党が浅尾の選挙区である神奈川4区に従来通り山本朋広(2014年の衆院選では選挙区で浅尾に負けて比例復活していた)を公認したために無所属での出馬を余儀なくされた結果、落選して惨めな姿を晒した。この選挙区には立憲民主党が早稲田夕季を立て、民主党系の票の多くを集めて当選し、浅尾は山本にも及ばない得票で敗れたのだった(とはいえ希望の党泡沫候補の3倍近い票は得ていた)。

 そういえば細野豪志など現時点でも自民党籍を持っていないのではないか。

 彼ら元民主・民進の政治家たちの姿は、権力の亡者の哀れな末路としかいいようがない。自業自得だが。