kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

森喜朗の失言から思い出した、20年前の小泉純一郎政権発足への流れ

 森喜朗が女性蔑視や新型コロナ軽視などの妄言を連発したとのニュースに接して思い出したのは、20年前の21世紀最初の年だった2001年にあった森喜朗から小泉純一郎への総理大臣交代の頃だ。

 首相在任中にやらかした「日本は神の国」発言などで私も森喜朗は大嫌いだったが、森がえひめ丸の事故の時にゴルフをしばらく続けた失態から政権が持たなくなり、森は辞意を表明した。えひめ丸の事故は確か今頃の季節に起きたはずだ。森の辞意を受けて行われた自民党総裁選は、当初は橋本龍太郎が普通に勝って総理大臣に返り咲くと思われたが、総裁選が始まると小泉純一郎が持ち上げられるようになり、いったんその流れが始まるとそれは誰にも止めることができず、大部分の人間が小泉になびいてしまった。その結果、21世紀初頭の日本に大きな災厄をもたらした長期政権が生まれてしまった。

 現在の日本にも、再び同様の流れが起きないとも限らない。2016年夏から17年夏にかけての小池百合子の異常な人気だとか、昨年春の吉村洋文の異常な持ち上げられ方などなど、小泉と同型の新自由主義者たちへのニーズはまだまだ強いと思われるからだ。

 ことに、昨年来の新型コロナウイルス感染症で人々は圧迫されているために、社会に歪みエネルギーのようなものがたまっていて、その解放を求めている。

 こういう時には常に知性と感性のアップデートが求められる。森喜朗に対して怒るのは当然だが、そのあとにさらなる怪物を生み出してしまった20年前の誤りを繰り返さないためにも。