kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

神戸市で3/5〜11の週に変異株感染者が新規陽性者の半分を超えた

 今日(3/22)午前0時に1都3件の緊急事態宣言が解除された。

 しかし周知の通り新型コロナウイルス変異株の脅威が増している。日本では菅政権の無能などの影響でワクチンの接種が遅れているので、今後も感染者が増えることが予想されている。東京五輪も海外からの観客受け入れも、少し前から報じられていた通り20日に断念が正式に決定された。これで昨年前首相・安倍晋三が言っていた「完全な形での五輪開催」は不可能になった。開催自体が可能かどうかもまだわからない。

 今後の感染予測が出始めているが、はっきりしないのは現時点での変異種の感染状況だ。

 この点で「先進的」なのは神戸市だ。同市ではPCR検査の検体の半分以上について、陽性者が変異株に感染しているかどうかを調べている。下記は19日(先週金曜日)に報じられたNHK「関西 NEWS WEB」のニュース。

 

神戸市 変異ウイルス割合50%超える 新型コロナ

03月19日 16時34分

 

神戸市は、独自に行っている、変異した新型コロナウイルスの検査で、今月11日までの1週間に検体を調べた人のうちおよそ55%で、イギリスで広がる変異ウイルスが見つかったと発表しました。
市は変異ウイルスがさらに広がっているとして注意を呼びかけています。

神戸市は、変異した新型コロナウイルスが地域でどれくらい広がっているか、実態を調べるため独自に検査を行っています。


19日、直近の検査となる、今月5日から11日までの1週間の結果を発表しました。
それによりますと、PCR検査を行った105人分の検体のうち、58人、率にして55.2%が変異ウイルスだったことがわかりました。

いずれもイギリスで広がる変異ウイルスだったということです。

神戸市の独自の検査では、▼先月25日までの1週間は21.9%、▼今月4日までの1週間は38.8%となっていて、変異ウイルスの割合が徐々に高まっています。
一方、神戸市は亡くなった1人が、変異ウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。

兵庫県内で変異ウイルスの感染者の死亡が発表されるのは初めてで、関西では、17日の大阪府の80代の女性に次いで、2人目です。


神戸市の久元市長は記者会見で、「変異株が広がってきているのは間違いなく、市民はこれまで以上に感染対策を徹底してほしい。また、国には変異株の重症化リスクや感染力がどのくらいあるのかしっかり知見を示してもらいたい」と述べました。

 

NHK「関西 NEWS WEB」より)

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210319/2000042706.html

 

 神戸市では毎週金曜日から翌週木曜日までの結果を、毎週末の金曜日に集計し、結果を翌週の金曜日に発表しているようだ。上記NHKニュースでは変異株の陽性者数の推移がよくわからないので、下記リンクの神戸市のサイト及び神戸新聞の記事を確認してみた。

 

 

www.kobe-np.co.jp

 

 神戸市のサイトによると、初めて変異株が確認された1/29〜2/4には新規陽性者317人のうち173人について変異株の感染の有無を調べたところ、変異株確認数は8件だった。

 以後の数値は下記の通り。左から、変異株確認数/変異株検査数、(PCR検査数)、変異株感染率の順。なお変異株確認数を赤字で示す。3/5〜11の数値はNHK及び神戸新聞の報道による。また神戸新聞によると、3/5〜11にはイギリス型以外の変異株が2例確認された。これについては下記の表からは除外した。

 

1/29-2/4 8/173 (317) 4.6%

2/5-11  11/105 (175) 10.5%

2/12-18 12/79 (122) 15.2%

2/19-25 7/32 (50) 21.9%

2/26-3/4 26/67 (97) 38.8%

3/5-11 58/105 (不明) 55.2%

 

 神戸市においても第3波と第4波が重なり合っていて、新規陽性者全体では2/19〜25の週に極小値を記録したが、以後は増えている。神戸市のサイトを見ると、上記とは別に毎週月曜日から日曜日までの新規陽性者数がグラフで示されており、それによると3月第1週に新規陽性者数が大きく増えたが、同第2週と第3週、つまり昨日(3/21)までの2週間は緩やかな増加を示している(3月第1週から順に134人、154人、166人)。

 変異株は最初に確認された1/29〜2/4の週から4週間は10件前後でほぼ横バイだったが、2/26〜3/4の週に26件、3/5〜11の週に58人と急増した。このように、新型コロナウイルス陽性者数はあるタイミングで一気に増えることがある。規模の小さなクラスター等によるものだろう。不思議なのは、その間に変異株でない新規陽性の件数も下げ止まりないし微増していることだが*1、その理由はよくわからない。

 ただ間違いなく言えることは2月末から3月初めあたりから変異株の感染数が目立って増加していることだ。

 神戸市のサイトを見ると、変異株が最初に確認される前の1月1日から28日までにも、新規陽性例1,962件のうち677件、つまり34.5%について、変異株感染の有無を調べていることだ。

 私が疑っているのは、神戸市では早くから変異株について調べていたから早くから感染例が多く報じられているだけであって、他の地域でも本当はもっと多く変異株の感染者が出ているのではないかということだ。

 菅義偉は緊急事態宣言解除に際して、これまで5〜10%の感染例について変異株の感染有無を調べていたが、それを40%に引き上げると言っていた。しかし神戸市は1月に既に約35%について調べているし、3/5〜11の週では7割に達している。

 また、相手が兵庫県、特に神戸市や阪神間となるとライバル意識を剥き出しにする吉村洋文・松井一郎大阪府市でも、そのおかげで変異株の検出にはかなり積極的だ。しかし首都圏ではどうだろうか。

 東京都では第3波の感染規模が、菅義偉小池百合子が昨年11〜12月に責任の押しつけ合いをやっていたせいで非常に大きかった。そのせいで変異株の感染拡大が検出しにくくなっている。しかし、第3波に隠れて見えにくかっただけで、実際には変異株の感染画家なり拡大しているのではないか。それに対して東京都はPCR検査のどのくらいの比率に対して変異株の有無を調べているのだろうか。

 小池百合子ももともとは神戸市に隣接する芦屋市の出身のはずだが、東京が神戸から遠く離れているせいもあってか、吉村や松井ほどの対抗心もないようだ。小池が敵意を燃やす対象は、一つは菅義偉自民党政府であって、もう一つは4年前に排除しようとしたものの逆襲されて野望を挫かれた野党の「リベラル」勢力なのだろう。

 変異株対応に関しても、菅義偉小池百合子が足を引っ張って、新型コロナウイルスの感染拡大に十分な対策が打たれていないのが現状だといえる。

 

*1:たとえば2/26〜3/4に25件だったのが3/5-11には47件に増えている