関西に遅れて、東京都でも新型コロナウイルスのイギリス型変異株の感染が急拡大してきた。
NHKニュースより。
感染力強い変異ウイルスの割合急増 前週の4倍 都の研究機関
04月08日 17時48分
東京都内で、感染力が強いとされる変異ウイルスの割合が急激に増加し、検査を行った検体に占める割合は直近の1週間で32%で、前の週の4倍となったことが都の研究機関の分析で分かりました。
東京都の「健康安全研究センター」は、ことし2月から今月4日までに陽性が確認された604の検体について変異ウイルスの種類などを分析しました。
それによりますと、感染力が強いとされ、関西で多く見られている「N501Y」と呼ばれる変異ウイルスは、今月4日までの直近1週間では158検体のうち51検体でした。
率にすると32.3%で、これは前の週の8.2%のおよそ4倍です。
研究センターは「N501Y」が「急激に増えている」と分析しています。
一方、従来のウイルスは先月7日までの1週間が52.1%だったのに対し、今月4日までの1週間では25.9%となり、減少しました。
また、「N501Y」とは別の変異ウイルスで、感染力が著しく高くなるなどの変化がこれまでのところ見られていない「E484K」は、先月28日までの1週間では60%でしたが、今月4日までの1週間では41.8%で、減少しました。
「健康安全研究センター」の吉村和久所長は「今後、『N501Y』の変異ウイルスの広がりが懸念される。『E484K』よりも脅威が大きいと考えている」と話していました。
(NHKニュースより)
出典:https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210408/1000062770.html
このところの感染急拡大の原因は、関西と東日本で原因となったウイルスが異なっていて、首都圏や一時GoToイートを再開させて感染を急増させた宮城県などでは主にE484Kと呼ばれる由来不明の変異株により、大阪府や兵庫県、京都府など関西では主にイギリスで感染爆発を引き起こしたN501Yと呼ばれる変異株によるらしいことがわかってきて、このことは報道でも連日伝えられている。
いうまでもなく脅威がより大きいのは後者であって、大阪府などはまたしても医療崩壊の危機に見舞われている。
そのN501Yの感染が東京都でも急拡大しているというのだ。
実は、第4波の感染拡大は全体としてはやや鈍化傾向にある。明日ブログ記事に載せる予定だが、対数グラフで見ると新規陽性者数の増加率が先週までよりも下がっていることがはっきりわかる。しかし、首都圏などでN501Yの感染が急拡大すれば、再び陽性者数の増加が加速する可能性がある。
そのような現象は、第3波の感染拡大でもみられた。昨年11月下旬頃、新規陽性者数の増加が鈍化して、宮沢孝幸が鬼の首を取ったように「ピークアウトした」と言ったり「東京都は陽性者数を水増ししている」などと九州ローカルのワイドショーで叫んだりしていたが、12月中旬に再び感染が急拡大した*1。おそらく第3波でも同時に2種類の株が感染拡大の原因になっていて、感染力の弱いウイルスの感染が先にピークアウトしたあと、より感染力の強いウイルスが年末年始に猛威を振るったのではないかという素人考えに、私は今でもとらわれている。
その悪夢が再来するのではないかと恐れる今日この頃だ。
*1:さすがに宮沢も曲がりなりにも学者ではあるので、「第3-2波」の拡大が始まった早い時点で、観念したかのようなツイートを発していたのが印象に残っている。