また平井卓也がパワハラをやらかしたようだ。問題の重大さに鑑みてなのか、はたまた7月からの購読料値上げを前にした低姿勢なのか、朝日新聞デジタルが珍しく無料記事を出している。
「徹底的に干す」「脅しておいて」平井大臣、幹部に指示
座小田英史、松浦新 2021年6月11日 5時00分
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック向けに国が開発したアプリ(オリパラアプリ)の事業費削減をめぐり、平井卓也デジタル改革相が今年4月の内閣官房IT総合戦略室の会議で同室幹部らに請負先の企業を「脅しておいた方がよい」「徹底的に干す」などと、指示していたことがわかった。
平井氏は朝日新聞の取材に発言を認めたうえで、「交渉スタッフに檄(げき)を飛ばした。行き過ぎた表現があったかもしれない」などと話した。
アプリは海外からの観光客や大会関係者の健康管理のためのもの。NECが顔認証機能を担う共同事業体1者が1月に応札し、国が指定した仕様に基づいてアプリの請負契約を約73億円で結んだ。ところが新型コロナウイルスの感染拡大による海外客の受け入れ中止などで機能が見直され、野党からの批判などもあり、5月31日に約38億円に圧縮する契約に変更した。平井氏は6月1日の会見で、「(NECの)顔認証(機能)は、開発も運用もなくなりゼロ(契約解除)」と説明した。しかしNECはすでに開発をほぼ終えており、国の都合で減額になった経緯について、不自然さを指摘する声が国会であがった。
朝日新聞が入手した音声データによると、平井氏は4月上旬にあった内閣官房IT総合戦略室のオンライン会議で、減額交渉に関連して、「NECには(五輪後も)死んでも発注しない」「今回の五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」「どこか象徴的に干すところをつくらないとなめられる」などと発言。さらに、NEC会長の名をあげ、幹部職員に「脅しておいて」と求めていた。
この発言について、平井氏は取材に、「交渉するスタッフが弱腰になったら、いくら取られるかわからない。国民の血税だから強気で交渉しろ、と伝えた」とする一方、「国会で野党から、契約額が高いと迫られていた。自分も追い込まれていた」とも話した。
NECの契約解除については、「同社の顔認証機能が不要になった。すでにNECが開発済みのシステムを使ったサービスなので払う必要はない。現場には裁判になってもいい、と指示して交渉させた」と説明した。
NECは「政府の方針を踏まえて共同事業体として検討した結果に異論はない」とコメントしている。
会計検査院OBの星野昌季弁護士は「国が不当な圧力をかけて請負金額の減額を迫ったとすれば優越的地位を背景とした事実上の強要で問題だ。このアプリは緊急事態宣言の発出後に駆け込み的に契約しており、契約の必要性などに疑問が生じていた。今回さらに不透明感が高まった。契約変更に大臣の発言の影響がなかったか調べる必要がある」と指摘する。(座小田英史、松浦新)
(朝日新聞デジタルより)
記事には4桁の数の「はてなブックマーク」がついているが、その中でも筆頭の人気ブコメは、かつて平井の選挙区である香川1区に7年間住んでいた私が持っている心証とドンピシャリだ。思わずグリーンスターを3個進呈した。
「徹底的に干す」「脅しておいて」平井大臣、幹部に指示:朝日新聞デジタル
二世のボンボンで、ヤクザ紛いで、ネトウヨ頭で、オカルト・疑似科学かぶれで、当然のごとく無能だが、エスカレーター式に出世街道を上っていく。今の自民党のダメな所を煮詰めたような人物
2021/06/11 07:13
以下Twitterより。
真面目な話、デジ庁に関わっている民間の人が気の毒だなあと思います。
— 遠藤 結万 | CMO (@yumaendo) 2021年6月11日
一夜にしてパワハラおじさんが恫喝してるだけの部署になっちゃった。
平井さんという人選が悪い。
党内でももっとIT詳しい人いるでしょ、流石に。小林さんとか元榮さんとか。https://t.co/3vXzYzLWxM
平井卓也という人選が悪いというのはその通りだが、その平井を大臣に任命してきたのが安倍晋三であり、菅義偉であった。
脅して抵抗する人びとの口を塞ぐとは、まるで反社会組織のようなやり方ではないか。コロナ禍の五輪に、そうまでして固執する価値があるのか疑問に思う。「平和の祭典」も地に落ちたものだ。https://t.co/zWUBMOqY7g
— 神子島慶洋⊿ (@kgssazen) 2021年6月10日
その通り、ヤクザを思わせる手口だ。しかし、この人物が香川県の「メディア王」である事実が、香川県に限らず保守化・右傾化をきわめた西日本を象徴している。
当て逃げ事件の武井俊輔も、恫喝報道の平井卓也も宏池会所属とのこと。「ハト派リベラル」の看板に偽りありというほかない。そういう派閥の歴史があったとしても、いまや見る影もない。なのに、こんな派閥に期待するリベラル層が少なからず存在するのが、不思議でならない。
— 神子島慶洋⊿ (@kgssazen) 2021年6月11日
平井卓也が「ハト派リベラル」であったことなど一度もない。平井は親父の平井卓志の代から、小沢一郎のタカ派・新自由主義的「カイカク」にかぶれていたが、所属したどの集団とも馴染めず、はぐれ烏のようにさまざまな政党や派閥を渡り歩いてきた。その平井卓也が宏池会に「再入会」したのは2015年で*1、それだけ岸田文雄という派閥の長がなめられているということだ。安倍晋三や菅義偉の意向に全く逆らえず、一昨年の参院選ではのちに逮捕されて裁判で有罪判決を受け、失職する直前に議員辞職した河井案里を応援して、自派閥の長老・溝手顕正を落選に追い込んだ。溝手は広島再選挙にも立候補することなく政界を引退したとみられる。そんな岸田が括弧付きの「リベラル」ですらないことは明らかだ。現在の岸田は、なんと安倍晋三・麻生太郎・甘利明の「3A」とやらにすり寄る醜態を演じている。
記事には、「安倍、麻生、甘利の3氏に挟まれた岸田氏は興奮気味に語った。“『3A』そろい踏みであります"」。岸田氏は次期総裁選へむけ「頼もしい」と興奮したのであろうが、国民は長老裏支配に異様さを感じたに違いない。擬似政権交代、擬似民主主義ももはやない。 https://t.co/bu3yV8290p
— 田口朝光 (@taatyandes) 2021年6月11日
存在意義を失った宏池会はもはや解散すべきだろう。
なお、平井卓也のはぐれ烏ぶりについては、以前にも弊ブログで記事を公開したことがある。以下に再掲する。
一昨日(2日)の記事に平井卓也の悪口を書いたが、私は平井卓也の名前を聞いただけで切れてしまう人間なので、入閣と聞いて頭に血が昇った。だから平井の過去の悪行を調べ直すなどの手間を省いて発作的に記事を書いてしまった次第だが、この男はまず地方政治家にあるまじき新自由主義志向の「改革派」で(何といっても初めて衆院選に出馬した時平井を公認した政党はあの小沢一郎の新進党だった)、ドラ息子の不祥事の報道をもみ消そうとしたり(週刊文春買い占め事件など)、最近では(といってももう5年前のようだが)福島瑞穂への「黙れ、ばばあ!」の一件があったりと、「香川の安倍晋三」的な印象を持っている。その平井が「岸田派」らしいことを昨日知ってびっくり仰天したが、父親の平井卓志(元参院議員。1998年引退、2009年死去)も派閥のはぐれ烏みたいな人間で、初め中曽根派だったが小沢一郎に呼応して1995年に自民党を離党して新進党に移った人間だったから(その縁で平井卓也も初めは新進党から立候補したのだろう)、ボンボンにありがちな「派閥よりも血統」みたいなわがままな人間と思われる。その類型としては麻生太郎がすぐに思い出される。
その平井卓也が「EM菌議連」の幹事長を務めていることを自ら認めた。(後略)
出典:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20181004/1538607963
そうそう、「EM菌議連」の幹事長を「科学技術担当大臣」に任命したのが安倍晋三だった。安倍政権の時代を経て、感染症の専門家の意見に全く耳を傾けずに「GoToキャンペーン」推進に固執し、今また東京五輪開催に固執している菅義偉の政権に至っており、この国はとんでもない身分制が極端に強化された、非常に生きにくい国になってしまったなあと思わずにはいられない。
この平井卓也に衆院選で過去1勝5敗、現在3連敗中というふがいない成績を残してきた小川淳也には、今年の衆院選こそ対平井の連敗を阻止する使命が課せられている。
ワニ、徳島や高知のごちゃごちゃを考えると次回完全落選の可能性が一番高い大臣でもある https://t.co/nnhKXU7XKR
— /しらたき\ (@sirataki_kokkai) 2021年6月11日
そうあってもらわなければ困るのだが、2009年の衆院選では下馬評で不利とされていた愛媛1区の塩崎恭久が選挙区で当選したりしたために平井が比例復活しやがったんだよな。今回も平井の比例復活まで阻止するハードルはかなり高いと言わざるを得ない。