kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「自民圧勝・都ファ惨敗」より「自民がそこそこ勝ち、都ファも健闘」する方がよほど大きな脅威。野党支持者やシンパは「都ファ主要打撃論」に立つべし!

 都議選の告示後最初の世論調査で、自民党が告示前の勢いをやや落とし、都民ファ□ストの会に追い上げられているという情勢調査を読売が発表したらしい。記事は有料なので読めないし、この週末から週明けにかけては読売という文字列を見ただけで頭に血が上るので見たくもない。しかし、前記の情勢調査は大いにありうる話だと思った。

 私が住む区にも都ファの現職がいる。東京東部なので民主・民進系は弱く、現職はいない。共産党の現職ならいる。私は候補者の訴えを見て、前々回・前回に引き続いて共産党候補に投票することを決めている。共産党に関しては、立花隆の訃報を翌日の機関紙で無視したり、そもそも民主集中制に反対し続けていることをこのところずっと書いてきたが、都議には直接の関係はないし、他の政党はそもそも天皇制に賛成だ*1。それに当区の民主系の候補には投票する気を起こさせない要素もある。候補者のポスターが張られた掲示板を見ながらそう思ったが、ふと、自分の投票先や主義主張を全く棚上げして考えれば、前回都ファの候補に投票した人たちのうちかなりの割合が、前回の投票行動を思い出して同じ候補に投票するんじゃないかと思った。そうなると、ただでさえ住民に全然浸透していない民主・民進系の候補が、本当にこの都ファの現職を破って当選できるとはあまり思えなくなってきた。

 そう考えると、都民ファ□ストの会が健闘する可能性を示唆されると、それでも投票予定を変える気は全く起きないものの、大いにむかつく。

 そもそも気に入らないのは、自民党都ファも嫌だけれど、都ファが負けすぎると自民党の勝ち幅が大きくなってしまうと危惧したり、さらにひどい場合になると、都ファ東京五輪の無観客を主張していることをブログ記事で強調して読者に注目させようとした「都会保守」の御仁までいる。後者はいつも弊ブログが批判しているあのお方だ。御仁本人はかなり熱心な民主党系(現時点では立憲民主党)のシンパらしいのだが、どうしても維新だの都ファだのを味方に引き入れようとする傾向が強く、それはどうしても受け入れられない。

 少し前に中日新聞の特集記事があって、何度かの衆院選挙での地域別投票先の変遷が日本地図で示されていたが、それを見て気づいたことは、2005年の郵政総選挙、2009年の政権交代選挙、2012年に安倍晋三を復活させて「崩壊の時代」の幕を開けた総選挙と激動の衆院選が3回続いたあと、東日本・北日本では民主・民進系が徐々に盛り返しているものの、西日本、特に大阪とその周辺では全く盛り返せないか、いったん盛り返し始めても再び縮小傾向をたどっていることだ。だから「政権交代の鍵は東日本」と言われる現状になっている。

 で、西日本では何があったか。いうまでもなく維新の台頭である。自民対維新の対抗構図になると、民主系は人々の関心外になる。また、維新が現れる前の2005年衆院選では、自民党の刺客対党を追われた人たちの対決(たとえば片山さつき城内実など)ばかりが注目され、民主党は大惨敗を喫している。

 ところがその維新の国政政党版である日本維新の会が現在の国会で果たしている役割は「与党」そのものである。そのことは、前記「都会保守」氏がよくブログで維新を「ゆ党ではなくよ党」だと表現している通りだ。

 しかし、前記の都会保守氏はそこまでわかっているにも関わらず、小池百合子都民ファ□ストの会に甘い。私にはこのことが全く信じられない。

 私の意見では、自民党が圧勝して都民ファ□ストの会が惨敗するのと、自民党がそこそこに勝って(これは避けられない)都民ファ□ストの会が「健闘」するのでは、まだ前者の方がマシだ。なぜなら後者の場合、都ファが一定の勢力を持って都政に影響力を持ち、議席を保ち続ける可能性が高い。共産党議席はそれらに影響をあまり受けないだろうが、旧民主・民進系にとっては都ファが一定の勢力を保つ方がよほど大きな脅威になる。それは、特に大阪府での衆院選における各党への投票率の推移を見ると、日を見るより明らかではないだろうか。

 都民ファ□ストの会の「健闘」は、東京都政にとって最悪だ。野党支持者は「都ファ主要打撃論」に立って良い、というより都ファ主要打撃論に立つべきだと強く主張する次第だ。

*1:民主集中制天皇制もどっちも悪いとは思うが、どんなに控えめに言っても、その悪さは相殺されている。