kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

都民ファ□ストの会が食うのは自民の票ではなく立民の票/都議選で民民と「山本太郎組」の没落が深刻化

 都議選で、前評判に反して都民ファ□ストの会に投票しようと考えている人たちがかなり多いとの情勢らしいことに、ネットでもいろんな意見が出ているが、私は繰り返し書く通り、反自民の論者の多くに見られる「対小池百合子宥和論」には断固反対だ。

 都ファの「高止まり」は煎じ詰めれば小池百合子への支持の高さからきている。小池は都ファが自民に敗れて自分に失点がつくのを嫌がって入院先のベッドに「逃げた」が、下記はこの件に関するくろかわしげる氏のツイート。

 

 

 そりゃそうだ。休んでちょっと体調が良くなれば、普通ならすぐ退院を強制される。小池がいつまでも入院していられるのは、大阪でいえば大阪維新の会所属の府議の新型コロナ陽性が判明したらすぐに入院できたのと同じことで、政治的な力が働いているのではないかとの合理的疑いが強く持たれるのは当然だ。だが、「対小池由里子宥和論」に立つ反自民の人士たちにはその程度の小池批判すらできない。彼らは考え方が骨の髄まで新自由主義に侵されているのだろう。

 

 

 「立憲野党側の候補不足」もあるだろうが、「自民党には消去法でも入れたくない」人たちが選ぶ投票先が、新自由主義的かつ右派的な都民ファ□ストの会だということだ。同じことが大阪府民についてもいえるが、東京都民の多くには長年にわたって新自由主義思想が強く刷り込まれてきた。都ファの現職には、かつて民主・民進に所属していた人が少なくない。但し、前回の都議選で小池百合子は民主・民進からの移籍希望者を全員受け入れたわけではない。小池はリベラル系その他の気に食わない人たちを「排除」していた。私はこの経緯を当時購読していた朝日新聞の地方版で読んで知っていたから、都ファの国政政党版である希望の党でも同じ「リベラル派の排除」をやらかすであろうことを、実際に小池が「排除」発言をやる2か月前に言い当てることができたのだ*1

 なお民進系右派新自由主義者の政治家であっても、野心家の柿沢未途の妻である柿沢幸絵*2などは都ファに公認してもらえず推薦止まりだったために、前回の都議選で落選した(今回の都議選には不出馬)。小池は自分を脅かす可能性のあるものはたとえ思想が近くても受け入れない。根っからの独裁者なのだ。

 要するに、国政選挙では大失速した「希望の党」が都政では未だに生き残っており、都民ファ□ストの会とはかつて存在した「希望の党」の地域政党版だといえる。だから本来「立憲野党」を支持する人間であるなら都ファは強い批判の対象であってしかるべきだと私は考えるのだが、現状は必ずしもそうなっていない。

 

 

 それは党の成り立ちからいって無理な注文だ。都ファが食う票は立民の票であって、自民の票ではない。

 以下は蛇足。今回の都議選では国民民主党や某「組」が低調だ。民民は国政選挙でも山尾志桜里に「引退」されてしまったが、これは衆院選東京ブロックの比例1位でも当選は覚束ないとみた山尾が、小池百合子にも似て敗北を嫌って逃げ出したものだろう。そのうち自民か維新、おそらく後者から国政に再挑戦するのではないか。同じ新自由主義的右派でも小池百合子や大阪の維新には支持が集まるのに、民民には支持が全く集まらない。

 それから某「組」だが、一時山本太郎の経済政策のブレーンではないかとみられていた植草一秀が「ワクチン陰謀論」に走っているのを昨日知った。植草の没落はここまできたかと思った。

 

 

 今回の都議選でも予想獲得議席がゼロで、かつて山本太郎や某「組」に対して批判的なツイートを多く発信していた人たちも、また一時期熱心に彼らを応援していた人たちも、いずれも彼らに言及する機会が激減している。

 昨年の都知事選に続いて、今回の都議選は山本太郎と某「組」の没落を強く印象づける選挙になりそうだ。もともと東京でも東部で弱く西部に支持基盤があった山本と某「組」が東京全体で通用しないとなれば、その没落は深刻だ。山本太郎がいったん政界から退くべきタイミングがますます迫ってきた。

*1:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20170802/1501632632

*2:旧姓野上。2013年の都議選で3選された時(江東区では初当選。それまでの2期は練馬区から当選)には、みんなの党に所属していた。