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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞)

 これ、すごい話だな。下記の西日本新聞記事に大量の「はてなブックマーク」がついている。

 

news.yahoo.co.jp

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に

10/19(火) 10:02配信

 

連載【コロナ×社会 考 衆院選2021】

 

 7月上旬、福岡市内のファストフード店。注文しなくても入れる飲食スペースで、路上生活を始めて間もない男性(51)は客が食べ残したポテトをつまんだ。食べ物を口に入れるのは4日ぶりだった。

 

 もともとはサラリーマン。独身で年収は1千万円台。営業成績が1位になり、海外の本社で表彰されたこともある。3年前、リズムが崩れた。「心がプツッと切れた」。心臓病や糖尿病も患い、出社できなくなって4月に辞めた。

 

 退職金はない。失業手当は会社との手続きが苦痛で申請していない。心身の不調でよく考えることができないまま、コロナ禍で苦しむ知り合いの飲食店主の求めで750万円もの大金を貸してしまった。それが、路上生活の引き金になった。

 「雇ってください」。従業員募集の張り紙を見つけると店に飛び込んだ。15軒ほどに断られ、手持ちは600円台になった。やがて体が悲鳴を上げ、心臓に痛みが走る。薬も切れた。「泥沼に沈んでいく感じ。自分で何とかしたいけど」

 

 自分で何とかする―。いわゆる「エリート」として第一線で働いてきた自負。「最終的には生活保護(公助)という仕組みがある」と、時の宰相が唱えた際に併せて強調した「自助」の大切さ。それが、生活保護という選択から遠ざけた。

 

 政治家や行政にこの感覚は伝わりにくいかもしれないが、生活保護の申請時に行政が家族に援助できないかどうか確認することへの抵抗感は相当に強い。先の年末年始、東京の支援団体が申請を拒む困窮者128人に理由を尋ねると、34%がこれを挙げた。安全網は十分に機能していない。

 

「政治は一番弱いところに届いていない」

 

 医療のセーフティーネットもほころびを見せる。病院代を払えない人の受け皿となっている制度に「無料低額診療事業」がある。医療団体のまとめによると、昨年度、医療機関に駆け込んだ人数はその前の年度よりも増加した。ニーズはある。

 

 だがこれは全ての医療機関が導入しているわけではないという点で欠陥がある。もう一つの大きな問題は、原則、薬代は自己負担ということだ。花園大の吉永純教授(公的扶助論)は政治の責任を指摘する。「自治体や医療機関は以前から、薬代も制度の対象にするよう求めていた。コロナ禍では困窮して病院にかかれない人が出ている。政治主導で進めておくべきだった」

 

 ウイルスは社会的な弱者を追い詰めた。逆に言えば、十分に弱者を救えるほどの社会ではなかったということだ。富の分配や格差是正に関して声をそろえる与野党の目に、命を守る最後のとりでの手薄さは映っているだろうか。

 

 9月末。男性は歩くのもつらくなり、生活保護を申請した。公園で寝泊まりした3カ月で気付いたことがある。「政治は一番弱いところに届いていない」

 

 (河野賢治)

 

 新型コロナウイルスの出現であらわになった社会のひずみ。衆院選を機に社会の姿、在り方を見つめたい。

 

西日本新聞より)

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/f31a0537b35d7024a153d269dabf7b175cce3edf

 

 記事についた「はてブ」コメントだが、まず悪例と私が考えるコメントから2件紹介する。

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

なんでこう極端な人を記事にするのかねえ。しかも内容薄い。この人を取り上げるならもう少し掘り下げてほしい。とりあえず見出しで目を引ければそれでよしみたいな記事は読みたくない。

2021/10/19 14:14

b.hatena.ne.jp

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

独身で年収1千万台で辞めたらあっという間に路上生活って、それまでどんだけ浪費豪遊してはったんですかね。。/ワープアの4年分くらいの年収をソロで残らず使いきるような人でも弱者扱い出来る人は尊いとすら思うわ。

2021/10/19 14:34

b.hatena.ne.jp

 

 一方、男性を批判するブコメを批判したのが下記の上位3件。

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

貯金が750万しかない、それをポンと知人にあげてしまう、雇用保険を受け取れない、全部含めてメンタルの不調なわけで、どうしてあたかも同情できないみたいな論調になるのか分からん。過労で誰にだって起こり得る。

2021/10/19 16:17

b.hatena.ne.jp

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

比較的リベラルが多いはずのブクマカですらこんな反応なんだから、日本人がどれだけ弱者に冷たいかよくわかる。川に落ちた犬を棒で叩くのは日本人としての嗜み。

2021/10/19 14:22

b.hatena.ne.jp

 

「心がプツッと切れた」年収1000万円から路上生活…“自助”の呪縛の末に(西日本新聞) - Yahoo!ニュース

メンタルやられると金銭感覚おかしくなるのはよくある。一種の自傷行為かも。浪費でしか精神の均衡を保てないこともあるだろう。公助の届かなさの例として極端だし、過度に物語的だとは思うけど、責めるのは分からん

2021/10/19 16:50

b.hatena.ne.jp

 

 記事に出てくる51歳の男性は外資系企業に勤め、(市場原理主義系)新自由主義イデオロギーを心底信奉していた人なのだろう。過剰に働き、夜の自由時間にも自分の体に多大な負担をかけたあげく、メンタルが自分の体を制御できなくなったのだろう。新自由主義イデオロギー自家中毒を起こしたともいえる。痛ましい話だ。

 その間違ったイデオロギーの犠牲になった男性を批判するのに、元凶である新自由主義の自己責任論を論拠にするところがどうしようもないと思うのだ。

 真に撃つべきは新自由主義イデオロギーであり、それを推進してきた自公政権や維新などだ。それを理解できない人が多すぎる。