kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

大石晃子が「気性が強く退かない」人なら山本太郎は……/立民代表選で旧希望の党の人には金輪際当選してもらいたくない理由

 今や「敵は本能寺」ならぬ「敵は大阪(維新)」なのではないか。一部でタコが自分の足を食うことになぞらえられている文通費云々の件など、立民どころか共産までもが引っ張られて志位和夫が余計なことを言う現状には頭痛がする。こんな状況だから、あえて「敵の土俵に乗る」大石晃子のやり方は止むを得ないと思う。文通費を問題にすること自体が間違っているという指摘はその通りだが、そうは言っていられないほど敵の攻撃はすさまじい。あれには強烈なカウンターパンチが必要だ。お上品なことを言っていられる局面ではない。

 下記は社民党員のまことん氏のツイート。

 

 

 山本太郎は街宣で「リッケンカルト」と口走ったことがあるらしいね。

 

 

 某組で内紛が起きるとは思わないが(だってあそこは「カリスマ」党首の独裁政党だから、スピンアウトはあっても内紛は起きないと思う)、山本太郎が「気が小さくてすぐに妥協してしまう」性格だという指摘(そうは書かれていないけど「気性が強く退かない」性格と違うのならそういうことになるよね)は当たっていると思う。

 山本太郎の特徴として、まず挙げられるのは「影響されやすい」ことだ。前述の「リッケンカルト」という言葉を街宣で用いた件は、山本の思考が典型的なオザシンのパターンであることを示すものだ。だからオザシンに多い陰謀論思考に迎合して(さすがに山本が本心から陰謀論を信じているとは全く思わないが)いつまでも「人工地震」のツイートを残したり、新型コロナのワクチンを打たなかったりする。

 山本の第2の特徴は「爺殺し」と言うと語弊があるが、権力や権威のある者に取り入るのが非常にうまいことだ。それで小沢一郎松尾匡も心服させた。この点で山本と実によく似ていると思うのは、プロ野球で元中日・阪神楽天監督を務めた星野仙一だ。星野は現役引退後NHKの解説者になるや、さっそく川上哲治に取り入った*1。星野も大向こうをうならせるのは得意だったが、星野がもっとも得意としたのは処世術と金策だった。

 

 話は変わって立民の代表選。

 

 

 前川喜平なんか私は全く好まないし、別に旧希望の人間が「謝罪」する必要などないと思うが、今回の衆院選で躍進した維新に対していかなるスタンスをとるかは大きく問われるべきだ。維新と(辞任説が出ているらしい)小池百合子とは共通点が多い。勢い、4年前に希望の党入りした人には維新にすり寄る傾向が強く、それはどうやら今回立候補できそうにもない小川淳也に典型的に見られた。小川はサンクチュアリ入りするなどしてリベラル派の看板を掲げたが、いざ衆院選で維新が躍進するや、選挙翌日にはさっそく維新にすり寄った。旧希望左派の小川ですらそうなのだから、旧希望をバックにしつつ旧維新の江田憲司や4年前に「希望の党」騒動に首謀者格として関与した「衆院選小選挙区で落選した」小沢一郎の支持を取りつけようとしている泉健太など、小川どころではなく危険なことはあまりにも明白だ。

 ネオリベ道にかけては維新は2008年に橋下徹大阪府知事選になった時から首尾一貫している。ついこの間まで「新自由主義からの脱却」を言っていた立民が急に維新にすり寄っても、最大のボリューム層をなす無党派層は、同じネオリベなら長年それを貫いてきた維新を選んで、図体だけはでかい野党第一党が「バスに乗り遅れるな」式に追随しても軽蔑しかしないのは当たり前だ。また立民支持層にしても、共産と距離を置くことで戻る人たちよりも維新(ネオリベ)への接近に失望して離れる支持者の方がよっぽど多いことは絶対に間違いない。なぜならその逆が4年前の旧立民結党直後に行われた衆院選で同党に強い追い風が吹いた理由だからだ。それなのに何を今さら「希望の党」路線に戻ろうなどというのか。愚の骨頂だ。

 弊ブログの下記記事に昨日いただいたコメントが的を射ているので以下に引用する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 小田原人

立民党代表選挙について
小選挙区制は比較第一党に過大な議席を与える選挙制度です。そうである以上、結局、比例代表選挙で最も得票率の多い政党または「政党間の協力」となる以外に「得票率を大幅に上回る議席獲得」という勝利はありません。故に、比較第一党の自民党以外の勝敗を議席の増減で判断することは妥当とは言えない。各政党の力関係とその変化を見るには、比例得票と率でみるのが最も適切です。

立民党の衆参比例得票率の推移は、19.88%(17)-15.81%(19)-20.00%(21)。旧民進系再結集路線の採用によるリベラル色の後退(kojitaken氏が再三指摘している)により支持が減退していた17年参院選から今回総選挙では4.19%しか増えていません。旧国民党合流派との合同でリベラル色・改良主義色は一層後退したものの、19年時点との比較では路線にさほど変化はないといえます。
そのため、単純化すれば旧国民党合流組は4.19%の支持者を引き連れてきたに過ぎないと言えます。新旧国民党の得票率推移は、6.95%(19)-4.51%(21)。新国民党は、大半の議員が離脱したにもかかわらず旧同盟・旧中連系産別の支持を繋ぎとめ、旧党の3分の2の支持を獲得しています。これに比べれば、合流組がさしたる固定的支持者を持っていなかったことは明らかです。
 また、今回の立民党の得票には、2020年の党大会で分裂した社民党合流組の組織票も僅かとはいえあります。これら含めれば、なお一層旧国民党合流組の比例得票増への寄与度は低かったといえます。

 これら踏まえると、立民党代表選挙で旧国民党出身者が得意げに「野党協力の見直し」を主張する様は、奇異に見えます。勿論、kojitaken氏が指摘している様に、枝野前代表の「保守」自認に象徴されるように、支持者の政治意識より党所属国会議員・党幹部の政治志向がはるかに右寄りである同党の構成を見れば何も不思議ではありませんが。

 旧希望の党で獲得した比例議席に見合うだけの支持者を連れてこなかった旧国民党合流組が、少なくとも旧立民党時代の実力相応の支持者を獲得した旧執行部の路線を批判するのは、説得力あるものではありません。

 とはいえ、旧立民党も含め立民党は党組織が未確立で、「固有の支持者」と呼べるものを掴んでいるとは言えません。多くの一般党員に支えられた党組織が確立しなければ、自民党組織に範を取った強固な組織をもつ小澤一郎のいる岩手県連や、一定数の地方議員、党員が社民党から移行した沖縄県連などを除いて、連合系労組に依存しつつ、選挙の支持はマスコミ頼み風任せの国会議員政党、選挙互助会を脱却することは困難です。

 代表選挙を経て、同党がこの課題に正面から取り組むか、それとも選挙互助会機能の強化=他党との合同に進むのかが注目されます。

 

 上記コメントで指摘された「旧希望の党で獲得した比例議席に見合うだけの支持者を連れてこなかった旧国民民主党合流組」が、立民党内に支持層の志向とは必ずしも合致しない右寄りの国会議員たちをバックにして、何でかい顔してやがるんだよ、ということだ。

 だから私は、別に前川喜平が言うような「謝罪」なんかは一切求めないけれど、旧希望の党の人間には、今回の代表選で金輪際当選してもらいたくない。

*1:星野が長く在籍した中日球団のフロントにも食い込み、星野派と落合派みたいなものがあったらしい。これが原因かどうか、中日球団で星野のあと高木守道(この人は星野が中日に入る前からチームの中心選手で、しかも地元エリアである岐阜県の出身だった)を除いてなかなか中日の生え抜きOBが監督になれなかった。最近になって与田剛が監督になり、それに続いて立浪和義の監督就任が決まったが、これが旧星野派の復活に該当するのかは知らない。星野はもうこの世の人ではないから。