kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ブログを始めてから7度目の東京都知事選だったが、これまでに良い思い出は皆無。今回もやはり「鬼門」だった

 過去の東京都知事選に関して私が一番熱心にブログ記事を書いたのは、まだ東京都民ではなかった2007年だった。

 その頃、前年秋に就任した安倍晋三内閣支持率が下がり続けていたので、これは当時都知事だった石原慎太郎を倒すチャンスだと思ったのだ。

 対立候補は民主・社民が支援する元宮城県知事の浅野史郎共産党が支援する吉田万三、それに建築家の黒川紀章の三氏で、各局がやった候補者討論会は全部見た。私が応援したのは浅野史郎だった。それまでのらりくらりと対立候補の攻撃をかわしていた石原は、最後のフジテレビの討論会で十字砲火を浴びて蜂の巣にされたかに見えた。

 しかし選挙結果は石原の圧勝だった。得票率は石原51%に対して浅野31%。

 これを皮切りにブログを開設してから計7度の都知事選があり、2度目の2011年からあとは12年、14年、16年、20年、24年だったが、ろくな結果が出たことがない。いつしか東京都知事選は鬼門だと思うようになった。

 そして今回もそれは変わらなかった。東京都知事選は、大阪府知事選などと並んで難易度が飛び抜けて高い。

 選挙前あるいは選挙の序盤、石丸伸二が削るのは小池百合子の票だけであって蓮舫の票は削らないと主張していた論者たちがいたが、それが誤りだったことを示す選挙結果だった。

 

 

 江東区は昨年4月の区長選は旧保守同士の戦い、同12月の出直し区長選は旧保守を新保守の小池百合子が乗っ取って野党系(酒井菜摘)や分派系(三戸安弥)を制圧した戦い、衆院東京15区補選ではようやく野党系が小池百合子の候補の出し惜しみに乗じて勝てた選挙だった。都知事選は最初っから新保守の大ボスである小池百合子が出てきた上、注目度が高い選挙であることに乗じた右派ポピュリスト(石丸)が参戦し、予想外の大量得票をかっさらった選挙だったと思う。基礎体力もさることながら、イメージ競争ばかりになっている選挙のあり方も問題なので、非常に根が深いのではないか。

 

 

 これはかなり違うのでは。告示日の前日まで、候補者の大久保朋果よりもでかい小池百合子のポスターが事務所に貼られていて、自公はそれに抱きつくだけだった構図は同じだけれども、三戸安弥は過去二度の都議選で酒井菜摘と戦って1勝1敗だった人で、所属する日本を守る会都ファからの分派である上田令子と元みんなの党渡辺喜美が中心となった政治団体だから、むしろ民主系右派に相当し、酒井氏が民主系リベラル派に相当して「野党共闘」の候補となった。この構図だったから得票は酒井氏>三戸氏になったのであって、それに対して石丸は完全な広島からの落下傘ポピュリストだ。そして石丸のような右派ポピュリストは旧民主・民進系がもっとも苦手とするタイプではないかと思われる。よく石丸は橋下徹との類似が指摘されるが、それに負けないくらい小池百合子との類似性も強いと思う。昨年12月の出直し区長選のような地味な選挙には、今回の石丸のような派手なポピュリストは出てこない。三戸安弥は今回の都議補選で石丸と連携はしたが、三戸を石丸と同じカテゴリにくくることはさすがにできないと思う。石丸はそのうちぽしゃると思うが、三戸は今後とも長く警戒すべき政治家になり得ると私はみている。

 

 あと国政への影響だけれども、2007年には支持率低下の一途だった安倍内閣が少しの間だけ持ち直した。その期間は1か月半くらいだった。その後、5月末になって松岡利勝農水相の自殺、ついで「消えた年金」問題が表に出てきて、後者を主な理由として自民党は7月の参院選で惨敗した。

 今回も似たような推移になるのではないかと思う。つまり、わずかな期間だけ岸田政権と自民党はひと息つけるが、その後再び内閣支持率自民党支持率は低下に転じるだろう。

 厄介なのは、その「わずかな期間」に岸田文雄解散総選挙をやらかすかもしれないという可能性が出てきたことかもしれない。