kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

立民 枝野前代表 党代表選の立候補「熟慮している」(NHKニュース, 7/25)

 自民党総裁選に関して、少し前に石破茂が軍事費倍増計画の見直しを主張していることを肯定的に紹介した記事を公開したが、現在は非表示にしている*1。それは、さる方から石破の本意は「軍事費を2倍を超えてもっと引き上げろ」というものではないかとのご指摘をいただいたからだ。

 確かに石破は円高を見直しの理由に挙げていたので、その可能性が高い。私はそれを見落としていた、というより2倍よりもっと軍事費を引き上げよなどというトンデモな主張などあり得ないという勝手な思い込みがあったために石破の意図を曲解してしまったようだ。

 だから当該記事の結論も改めるほかない。仮に石破が新たな総理・総裁になったら一時的に内閣支持率自民党支持率も上がるだろうが、早晩それは落ち込み、再来年(2026年)頃には現在の岸田内閣と同じくらいの状態に落ち込むだろう。しかし来年の衆参同日選挙ともなれば自民党が勝つだろうから、日本の政治の先行きはますます暗くなってしまう。

 立民(立憲民主党)の代表選も、自民党総裁選とセットにして考えるほかない。現在は泉健太が、持ち前の党内権力闘争での強さを発揮して(この人は他党との折衝は全然ダメだが党内政治にだけはやたらと長けている)、着々と再選へと布石を打っている。

 その結果、旧民主・民進は好きではなかったが旧立民以来の立憲民主党は支持しているという兵庫県在住のぷろもはん氏が下記Xをポストするに至った。

 

 

 

 この「#枝野立て」の大義名分がない、というのが枝野支持者でも枝野出馬に消極的な理由のようだ。

 本当に「ケンタで伸びてる」かといえば、実はそれは違う。

 三春充希氏が下記Xで指摘している通りだ。

 

 

立憲の支持率は前回衆院選の解散前の水準を下回りつつあります。

 

 つまり、泉が代表になって以降立民の党勢は最初に大きく下落して参院選に惨敗したあと主に自民と維新の敵失で大きく上昇して今年春の衆院補選に3選全勝したがその後の都知事選でまた落ち込んで元に戻ったということだ。差し引きゼロである。

 でもこの程度では「#枝野立て」の大義名分にならない、せめて泉に一度衆院選をやらせろという声が泉支持者の間に強いことは理解はできる。そうなると、立民支持層とさえもいえない私にはどうしようもない。

 加えて、党内権力闘争巧者の泉は、周囲の空気が3年前のような「立憲民主党」批判一辺倒ではないと見るや、社民党福島瑞穂と会談したり、共産党の田村智子とも会談を申し入れるなどして、何も維新の馬場伸幸と密談してばかりではないとアピールしている。

 実際には、東京15区補選での立民議席獲得の原動力となった高野勇斗区議(野田G)の立民会派設立(今年1月。それまでは民民や音喜多妻などの右派と野合していた)などの動きは泉Gには望むべくもないのだが、他Gの功績をちゃっかり自分の功績にしてしまうあつかましさが泉にはある。

 そもそも春の3補選のうち島根と長崎は完全な敵失によるものであり、東京15区も議員辞職した柿沢未途が最後に所属したのは自民党だったが、柿沢はもともと民主系右派(都議時代には民主党衆院議員時代にはみんなの党、維新の党、希望の党)の在籍歴が長いから、その人物が去ったあとを立民が埋めるべく動いた高野区議は政治家としては当然の行動をとったといえる。しかしそういう動きさえなかなかできないのが泉Gである。弊ブログの下記記事にいただいたGl17さんのブコメが正鵠を射ていると思う。

 

「野田佳彦議員と小沢一郎議員が代表選で推す粘り強い交渉が上手な40代議員がいるといった動画を目にしたが、一体誰なのだろうか?」(笛吹打弦奏者さんのX) - kojitakenの日記

他でも書いたが泉は維新や民民のような右派を政治志向から仲間と判定していて、立憲の右派以外や、支持層の多数であるリベラル等々を敵だと見做しているのでは。必然的に彼が党内基盤を伸ばすと党勢が失われる。

2024/07/26 06:04

b.hatena.ne.jp

 

 実際にはその通りだと思うのだが、立民党内政局においては、4月の3補選全勝で泉の続投に文句など言えない空気になり、都知事選で蓮舫が惨敗したことで泉下ろしの動きが公然化したという。しかし東京15区補選でも都知事選でも立民内で大きく寄与したのは野田Gだった。15区補選では前述の高野区議が奮戦したし、都知事選は野田Gの都連幹事長・手塚仁雄が差配した。この手塚というのはもともと保守系の政治家だから、党内右派の声に配慮して、蓮舫擁立までは市民連合共産党の動きが活発だったのに対し、選挙戦での応援演説などはほとんど立民の国会議員党の政治家で回したという。この経緯から手塚に対しては市民派からの反発も強いようだが、都知事選の惨敗でここぞとばかり声を張り上げているのはやはり右派が目立つ。まあなんというか捻れに捻れた構図になっている。

 ここにきて朝日、毎日やNHKが立民の政局報道を活発にやるようになった。ここでは一昨日のNHKニュースを取り上げる。

 

www3.nhk.or.jp

 

立民 枝野前代表 党代表選の立候補「熟慮している」

2024年7月25日 21時17分

 

立憲民主党の枝野前代表は、党所属の地方議員からことし9月に行われる代表選挙に立候補するよう求められ「いま熟慮している」と述べました。

 

立憲民主党の枝野前代表は、25日午後、国会内で、党所属のおよそ20人の地方議員と面会しました。

出席した地方議員からは、「機が熟したらしっかり先頭に立って責任を果たしてほしい」など、ことし9月に行われる代表選挙への立候補を求める意見が出されました。

これに対し、枝野氏は「大きな期待をいただいていることに心から感謝したい。いま、いろいろと熟慮している」と述べました。

また、党のあり方については「わが党らしさを示す一方、政権をとるためには広く社会を包摂できることも必要だ。両立が非常に大事だ」と述べたということです。

 

立民 小沢氏と赤松氏が会談 党代表選めぐり意見交換か

 

立憲民主党小沢一郎衆議院議員と、赤松元衆議院副議長が25日午後、小沢氏の議員会館の事務所で会談しました。

ことし9月に行われる党の代表選挙をめぐり意見を交わしたものとみられます。

赤松氏は、前回・3年前の衆議院選挙に立候補せず国会議員を引退しましたが、リベラル系の議員でつくる党内最大のグループでかつて代表を務め、現在も顧問としてグループの運営に影響力を持つとされています。

 

NHKニュースより)

 

URL: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240725/k10014523991000.html

 

 この記事にも、ぷろもはん氏が間接的に反応している。

 

 

 ところでNHKニュース後半の小沢一郎の動きは余分だ。どうやら小沢は、泉は下ろしたいが枝野の返り咲きもノーという意向らしく、どうも野田Gとリベラル系を連携させて誰だかは定かではない「40代の若手」(泉健太は明後日には50歳になる)を担ごうとしているとの話もある。

 しかし前回の代表選で小沢は泉と野合して現状を招いた責任がある。そして小沢がちょろちょろしている代表選に枝野幸男が出てきたら、泉健太に「世代交代」の大義名分を与えることになってしまう。このあたりの動向はいくぶん泉に味方しているが、泉が土台としたい党内基盤が弱いので、泉はサンクチュアリに手を突っ込むなどしているようだ。とはいえ泉が人参にぶら下げている党内執行部のポストが、勧誘される側にとってどのくらい魅力的なのかは私にはわからない。

 立民党内政局に関しては、党内右派はもちろん中間派からも評判がよろしくないらしい衆院愛知10区総支部長の藤原規眞氏のXにも注目した。

 

 

 下記は上記Xをめぐるやりとり。

 

 

 

 その通り、私も政党のゴシップ記事は「楽しく読む。もっとやれ」と思う。「政局よりも政策」と言い出す人に限って政策など政局のためのダシにしかしないことが多い。その代表的な悪例が民民代表の玉木雄一郎である。

 実際、組織においては権力闘争が行われていることの方が当たり前なのであって、それは可視化された方が良い。下手に「団結」だの「党内融和」だのを唱えて代表選を無投票にしたりすると、その方が外部からの敷居が高くなって政党に寄り付かなくなる。その最たる例が共産党であって、立民の支持層の高齢化に苦しんでいるが共産党はそれがさらに顕著だ。共産党の「民主集中制」のうち、少なくとも分派禁止条項を削除すべきだと弊ブログはずっと書いている。それなくしては若年層からの支持を拡大することはできないだろう。立民も、もっと「権力闘争を楽しく」やれば良いのである。たとえば同じ藤原規眞氏が正面切って批判した衆院愛知15区総支部長任命の件など、大いに議論すべきだ。

 

 

 なんと立民は衆院愛知15区総支部長に「クルド人:意見書に賛成して元号新選組を離党した埼玉県川口市議を任命したというのである。こんな人をかつて在籍させていた新選組もたいがいだが、その人をスカウトした立民愛知県連やそれを承認した泉執行部は何を考えているのだろうか。

 

 

 

 少し話を戻して、藤原氏が「何も言っていないに等しい」と評した朝日の立民党内政局記事、これは確かにたいした記事ではないのだが、今月の有料プレゼント枠はまだ1件しか使っていないので、プレゼントのリンクを下記に張っておく。

 

digital.asahi.com

 

 リンクの有効期限は7月28日10時36分。

*1:追記を書いて表示したままにしようかとも思ったが、その手間さえ煩わしかったのでいったん非表示にしてそのままになっている。