兵庫県知事選の雲行きが怪しくなっている。
11月17日に投開票が行われる兵庫県知事選挙の情勢報道です。新たに朝日新聞を反映しました。 pic.twitter.com/jEBHqs8xAK
— 三春充希(はる)⭐未来社会プロジェクト (@miraisyakai) 2024年11月10日
「猛追」とか「激しく追う」とか表現される場合、通常は一定の差がついているので、普通に考えればこのまま稲村和美が当選しそうに思われるが、少し前までは斎藤元彦をテレビが取り上げると視聴率が上がるといわれたほどの大逆風が斎藤に吹いていたことを思えば、風雲急を告げるの感は否めない。
特に注目されるのが斎藤を支持する人たちの構成だ。
下記は、共同通信の情勢調査が出る前の、神戸新聞とJX通信社による情勢調査(稲村ややリード)を受けての「\しらたき/」氏のX。
https://t.co/BQRMEId8Ki
— \しらたき/ (@sirataki_kokkai) 2024年11月6日
まあ接戦にはなってないだろうと思っていたけど、初日に貼り切れないほどの組織の弱さでこれくらい食らいついているのも事実上
そして国民民主の支持層の5割弱が斉藤支持ですって 他政党と比較しても明らかかに多い
衆院選前と比較して支持層の変質と見るべきか
上記神戸新聞記事は有料だが、途中まで読める。無料部分のうち、字が薄くなりかかっている部分に、稲村と斎藤の支持層の内訳が一部書かれている。それを以下に引用する。
投票態度を明らかにした人を普段の支持政党別でみると、稲村氏は自民支持層の4割弱、立憲民主党支持層の6割強、維新支持層の3割弱から支持を得ている。また、公明党支持層で5割弱、無党派層で4割弱の支持があり、幅広く浸透している。
斎藤氏は自民、維新層のそれぞれ3割強と、無党派層の2割弱が支持する。斎藤氏は、衆院選で躍進した国民民主党の支持層の5割弱にも浸透。一方、清水氏に対する支持は、維新支持層で2割弱、自民支持層と無党派層でそれぞれ1割弱だった。
URL: https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202411/0018312479.shtml
どうやら「玉キッズ」と呼ばれるような連中は、兵庫県知事選では斎藤を支持する心性を持っているようだ。もっとも、他の調査には民民の斎藤支持がここまで高いと示すものはない。
兵庫県在住のぷろもはん氏は下記Xをポストした(11/5)。
的確だと思います
— ぷろもはん#ともにひょうご🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2024年11月6日
国民民主党県連は自主支援というか手弁当で稲村さんとこにあちこちから集まっている
リアル国民民主党支持層はさいとうには入れない
ただ吉村や維新にのり、石丸騒動にのり、国民民主にのる…
強そうで目立ちそうなところに乗る層が今は国民にいる気がする https://t.co/B7WxKpeKbm
下記は、上記Xからリンクされている久世高弘・愛知県犬山市議のポスト。
「国民民主党の支持層」というより、「ある性質の集団」が国民民主党に乗っかり、斎藤氏にも乗っかっている、という状態に見える。
— 久世高裕 犬山市議会議員 (@kuze_takahiro) 2024年11月6日
"斎藤氏は自民、維新層のそれぞれ3割強と、無党派層の2割弱が支持する。斎藤氏は、衆院選で躍進した国民民主党の支持層の5割弱にも浸透"https://t.co/fmJI1y8WBq
ひとことでいえば、かつて「ネトウヨ」と呼ばれる範疇に属したような、強烈な極右性と強烈なネオリベ性を併せ持った人々が民民支持になだれ込んでいる状態といえようか。彼らは自民党がもはや斜陽と見るや、その時その時にもっとも有力なあちこちの政治勢力を渡り歩く。今は維新も斜陽なので、民民へとなだれ込んだというわけだ。
その(一時的に)膨れ上がった民民支持層は、若年の男性支持者が特に多い。
11/2,3 朝日新聞世論調査
— カタコト明明🍥(メェメ)🍥 (@yoyaMACD) 2024年11月9日
政党支持率
男/女//18-29/30-/40-/50-/60-/70--
自民25/26//15/23/30/19/22/37
立民12/13//4/10/12/11/15/18
維新3/2//2/3/1/3/1/3
国民13/7//16/14/12/12/8/4
公明3/4//4/2/5/2/4/3
れ新6/1//3/4/7/3/4/0
共産2/2//2/1/1/1/3/4
参政1/2//2/-/1/2/1/2
保守1/1//-/3/-/1/2/1…
民民は男性の支持率が13%で女性の支持率が7%。また18〜29歳の支持率が16%、30代の支持率が14%。
これが立民では男性の支持率が12%で女性の支持率が13%。また18〜29歳の支持率がわずか4%で、30代の支持率が10%。ピークは自民・共産と同様に70代以上だ。この3党はいずれも高齢化の問題を抱える。少し前までは産経などが「自民党は若者の支持が厚い」などと威張っていたが、彼らはすっかり自民支持層から剥がれ落ちたw
なお民民以上に男性支持者が多いのが新選組で、男性の支持率6%に対して女性の支持率は1%しかない。18〜29歳の支持率は3%、30代の支持率は4%とさほど高くなく、支持層のピークの年齢層は40代の7%だ。ロスジェネの男性に支持者が多いことがわかる。
維新の凋落は目を覆うばかり。男性3%、女性2%、18〜29歳3%、30代3%、40代1%、50代3%、60代1%、70代以上3%で、少し前まであれほど厚かった30〜50代の支持がすっかり剥がれ落ちた。
これらの数字から、今回の衆院選で大幅に増えた「玉キッズ」たちの多くは、もとは自民や維新を支持していたと推測される。
下記朝日新聞デジタル有料記事のデータは示唆的だ。
この記事は、無料部分には見るべきところが全くないので引用しない。核心部は有料部分にあるので、最後にプレゼントのリンクを張る。驚くべきは、民民支持層が自民支持層と同等か、下手したらそれ以上に自民党議員の裏金問題に寛容であるらしいことだ。自民(や維新)の支持層のうち、「裏金の何が悪い」という露悪的または強烈に権威主義的な連中が民民支持層になだれ込んだと見るべきだ。
しかも悪質きわまりないことに、玉木雄一郎や榛葉賀津也が率先して彼らを扇動している。
上記のような心性の持ち主たちが、民民が躍進した衆院選で気分を高揚させている。兵庫県知事選での斎藤元彦の追い上げはその表れと思われる。
兵庫県知事選といえば思い出されるのが2017年7月2日に行われた同知事選に故勝谷誠彦が立候補して善戦したことだ(得票率35.1%で2位落選)。勝谷はその1年4か月後、重症アルコール性肝炎(劇症肝炎)で死んだ。つまり酒を飲み過ぎて若死にした。
あの時、兵庫県の有権者は辛うじて良識を示すことができた。今回も同様の結果を出すことを願う。
最後に、本記事中で言及した朝日新聞デジタル有料記事の無料プレゼントのリンクを下記に示す。リンクの有効期限は11月12日午前5時37分。