数日前に気づいたが、街角で元維新の党衆院東京15区支部長・金澤結衣(の陣営)が衆院選後に貼ったと思われる新しいポスターを目にした。
金澤はどうやら次の衆院選にも出馬するつもりのようだ。
衆院選東京15区は、当選した酒井菜摘(立民)の得票率が27.5%で、以下須藤元気(無所属)27.1%、大空幸星(自民)25.9%、金澤結衣13.4%、小堤東(共産)6.2%だった。金澤は上位3人に大差をつけられた。
それでも一発逆転での当選が望めると金澤は考えているらしい。その理由は容易に推測される。それは、東京都知事選での石丸伸二や兵庫県知事選での斎藤元彦(及び斎藤を持ち上げた立花孝志)のような勢力と結びつけば、須藤から浮動票を奪って酒井や大空を上回ることができると考えているからに違いない。実際、金澤は衆院選前の7月に、石丸の選挙参謀だったという藤川晋之助なる人物と対談した動画をYouTubeに公開した*1。
しかし衆院選では石丸も藤川も動かず、日自民ないし反自民のうち右寄りまたはノンポリの浮動票はもっぱら須藤元気に集まった。大空が当選し、金澤が2位になるだろうと書いた憎むべき「アエニキ」(野田佳彦支持者)の予想は完全に粉砕された。
石丸や斎藤、立花らについては、今回のテーマ以上に言いたいことは山ほどあるが、金澤についていえば、無所属で立った10月の衆院選はもちろん、維新公認で立った4月の補選においても、保守票を分散させて酒井菜摘の当選に貢献したといえる。たとえば10月の衆院選に金澤が立たなかった場合、衆院選で金澤が得た得票のうち酒井に回る分はほとんどなく、もっとも多くが須藤、次いで大空に回ったと思われるから、須藤が選挙区で当選し、大空2位、酒井3位という、産経が最終盤の予想記事を出した通りの順位になった可能性がある。
それにもかかわらず、参院選で維新との候補者一本化を言い出したのが立民代表の野田佳彦(野ダメ)である。
【速報】立憲・野田氏と維新・吉村氏が参院選の野党候補一本化方針で一致 予備選実施も含め模索へ|FNNプライムオンライン https://t.co/pSdLONzVVd
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月8日
上記FNNの報道をリンクしたレバ子氏は下記Xで野田を批判している。
これを貫けば、立憲民主党は終わりの始まりになります。今回の総選挙において維新票の関西以外の弱さは、はっきりと明らかになったのに延命に手を貸そうとする。前の執行部とは違うという意見もありますが、現執行部も前執行部を容認していました。旗色が悪くなったから戦術を変えただけ。 https://t.co/9lVUuwgeRM
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月8日
「前の執行部」とは馬場伸幸を、「現執行部」とは吉村洋文を指す。私は「前の執行部とは違う」という意見には全く与しない。それどころか、兵庫県議会の(自主?)解散を要求した吉村洋文は、馬場信幸よりさらに危険性が高い政治家だと考えている。
維新の府政と一部の県政の出鱈目さの責任が立憲民主党にもかぶさる事になります。国会での協調は戦術としてやればいい。日本共産党も同様です。ただ選挙協力としては意味がない。関西以外において維新の地方組織なんか無きにも等しいのに、維新の地方政治の不始末が候補者に降りかかる。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2024年12月8日
野田が維新にすり寄った件については、宮武嶺さんのブログにもリンクを張っておく。
泉健太は「維新八策」に「大部分強調できる」と言ったが、野ダメは「全く同じになった」と言った。泉もどうしようもなかったが、野ダメはさらにひどいとしか言いようがない。
現に、東京15区では(石丸や藤川、あるいは玉木雄一郎らと組まないなら)金澤結衣の立候補は酒井菜摘の2連勝を大いにアシストしたではないか。
野田の路線は百害あって一利なしである。