kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

"長谷川羽衣子含めた現代貨幣理論推進派は、コロナ禍において事実上「反緊縮」財政が行われたのですが、発生したインフレに対し現代貨幣理論の背骨であった増税で対策できるという事を意図的に言っていない、騙していると言えます。" (レバ子氏のXより)

 現在のネットでは一部の共産党支持者ないし信者と元号新選組の支持者ないし信者が、昨年の今頃の話(能登の大震災への政治家のボランティア)をめぐって大バトルをやっているらしい。これは一部の独善的新選組信者がデマを垂れ流したことが発端になっているようだが、新選組批判の急所はそんな瑣末事ではない。現在の「減税真理教」を呼び込んでしまった責任こそ、新選組がもっとも強く問われなければならない。そして現時点における新選組の経済政策の責任者は緑の党グリーンズジャパンから新選組に移籍した長谷川羽衣子(1981-)だ。

 今日もレバ子氏のXより。

 

 

 前回の政権交代自民党が政権に返り咲いた2012年だが、その前の自民党が下野した2009年の「前夜」は、今と違って新自由主義批判が全盛で「減税真理教」など影も形もなかった。その頃にサッチャーが1989〜90年に人頭税を導入して政権支持率が暴落し、それがきっかけで長年続いた同政権が1990年末にあっけなく崩壊したことを学んだ。当時、竹中平蔵人頭税を理想としているという話がネットで流布したが、それは竹中が冗談で言ったことに過ぎず、実際には竹中は直接税中心の「小さな政府」が良いとの立場をとっている。それが標準的な新自由主義者の思想だ。つまりあの竹中でさえ人頭税の害毒くらいは理解している。その竹中が「そんなに私は悪いのか」と言った(それがテレビ番組のあおり文句になった)のが2009年の正月だった。名古屋の河村たかしが「減税日本」を立ち上げたのは、民主党政権初期の2010年4月26日だった。それを私はブログで「減税真理教」と呼んで批判した。もちろんこんな言葉は全く世に広まらなかったが、今では誰が言い出したか知らないが「ザイム真理教」なる言葉が世に広く流布している。

 

 

 

 日本でその反動の口火を切ったのは前述の河村たかしの「減税日本」だったと思うが、愚かしいことにその河村を熱狂的に応援したのがオザシン(小沢一郎信者)たちだった。河村は出発点は民社党だが自民党を経て、衆院選初当選は日本新党(1993年)。ということは枝野幸男と同期にして同僚か。細川護煕日本新党は明確な保守政党だった。河村はのち新進党に移り、衆院選では超逆風だった2005年まで5連勝した。河村が名古屋市長選に初当選したのは2009年4月26日、その1年後の同じ日に「減税日本」を立ち上げた。

 この河村は民主党時代には鳩山由紀夫菅直人の二頭支配に反発して野田佳彦前原誠司松沢成文らと「第二期民主党をつくる有志の会」を結成した。つまり河村は前原、野田らと一緒になって「右」から鳩菅体制を揺さぶったわけだが、小沢一郎民主党入りすると、どういうわけか小沢に接近し、そのためかオザシンたちに熱狂的に支持された。2009年の名古屋市長選でもオザシンたちが熱心に応援した。この人脈からくるしがらみが、のちに山本太郎MMTを「減税真理教」の方向にねじ曲げた遠因になったのではないかと私は推測している。山本は2012年に政界入りしてから2019年に元号新選組を立ち上げて独立するまでの間、ずっと小沢一派の人間だったとみられる。

 

 

 

 サッチャー死亡は2013年4月。「いまや地獄が私営化(民営化)されたぞ!」と言ってその死を祝ったイギリスの反サッチャー派はさすがだと思ったし、それを弊ブログの記事でも紹介した。それに引き換え、ナベツネの死を「渡邉恒雄さんは反戦の人だった」などと美化する日本の「リベラル」はふがいないの一語に尽きる。中には「ナベツネは地獄でも権力闘争に勝ち抜くに違いない」とのXを発信した人もいたが、残念ながらごく少数だった。

 

 

 

 ここらへん、私はMMTはもちろんリフレについても生半可な知識しか持ち合わせていないが、MMT派学者のランダル・レイによると「通貨主権を有する政府には自国通貨建てで無限の支出能力がある」(監訳者・島倉原の言葉*1)とのことで、財政支出の制約条件は従来の経済学の教え通りにインフレだ、ということではないかと思う。そして、インフレをコントロールする(できる)というのはむしろリフレ派の考え方であって、だから(日本では?)リフレ派がMMTに流れていった。そして周知のように、リフレ派には松尾匡のような左翼(数理系のマルクス経済学者)もいるけれども右翼の方が多数派だった。そして積極財政政策には、リフレに対しては反対論者だった三橋貴明ら右翼が少なからずいる。その両者が結びついて、ついに大きな流れになり始めた。それが選挙結果に反映されたのが昨年10月の衆院選での国民民主党(民民)の躍進だったのではないか。

 これに関して、例の「積極財政を推進する地方議会連盟」の政治家へのアンケート結果が興味深かったが、これを紹介し始めたらまた超長文になるのでこの記事では割愛する。

 

 

 

 この記事を書きながら半ばBGMとして流しているTBS『サンデーモーニング』でも新春特集「保守派 vs リベラル派 すれ違う幸せのかたち」の中でアメリカの物価高が取り上げられている。コロナ禍における積極財政はもちろん教科書通りの正しい政策だが、それがインフレを招き、人々の生活苦が2024年の米大統領選でトランプへの支持を押し上げた。

 

 

 

 上記Xの後半は、アメリカではコロナ禍を境にMMTの明確な支持層が左派から右派に代わったという意味だろうか。

 この次のXに新選組の経済政策の責任者である長谷川羽衣子の名前が出てくる。

 

 

 アメリカほどひどくはないが、日本でも2021年を底にした物価高がみられ、それと自民党政党支持率との相関があるのではないかとの仮説を三春充希氏がデータ(グラフ)を示して提起した。アメリカでは民主党のバイデン政権が受けたダメージを、日本では保守の自民党が受けた。それは単なるめぐり合わせでしかないが。

 なお現在の日本の物価高については、リフレ派やMMT派はもちろん、政府も(まだ)「インフレ」とは認定していないので、以下ではインフレとは書かず物価高と表記する。

 長谷川羽衣子(ら)が、現在の日本の物価高を「現代貨幣理論(MMT)の背骨であった増税で対策できるという事を意図的に言っていない、騙している」という点こそ、左派が新選組の経済政策に対して行うべき批判の急所だと私は思う。

 何度も書くが、ランダル・レイのMMT入門書監訳者の島倉原は下記のように書いている。

 

 次に、政府にとって、「税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない」というものです。一般的には、政府は税金や国債発行によって通貨を入手し、それを支出に回していると考えられています。しかしながら、その通貨は、発行主体である政府がその前に支出を行わなければ、世の中に存在しないものです。

 従って、政府が先に通貨を支出しない限り、民間部門は税金を納めることも、国債を購入することも論理的に不可能である、というのがこの命題が意味するところです。さらにここから、「税金は所得、国債金利に働きかけ、経済を適正水準に調整するための政策手段」という結論が導き出されます。

 

URL: https://www.data-max.co.jp/article/32497

 

 今の日本の「反緊縮派」の大半は、上記引用文の青字ボールドの部分だけを声高に叫んで、それからMMT派が導き出した赤字ボールドの部分を無視している、あるいは隠しているといえる。

 右翼ならそれでも構わないだろう。事実、高橋洋一はかつてMMTには賛成しないと明言していたし、玉木雄一郎MMTの考え方を取り入れていることを認めていない。

 しかし左派が高橋や玉木と同じであって良いはずがない。そんなことはあまりにも当たり前だ。

 

 

 

 

 長谷川羽衣子が「積極財政が単純に減税を意味して発信している」ことはさすがにないだろうけれども、「積極財政イコール減税」だと信じ込んだ一部の新選組信者たちがイギリスのトラス政権成立に熱狂した時に長谷川がそれをなだめもせず黙認するXを発信したことを私は執念深く覚えている。あれは事実上、長谷川のトラスへのすり寄りだった。そう私はみなしている。長谷川はその後、トラス政権があっけなく崩壊したあとになってやっとこさトラスを批判するXをポストしたけれども、そんな意見はトラス政権成立のタイミングで発信なければ何の意味もなかった。

 

 

 錦糸町駅近くにある金沢カレーの店で、ついにカツカレーが950円になった。15年前には650円で、長く全然値段が変わらなかったが、ここ3,4年で急激に値段が上がった。また木場駅近くで建屋の改造を経て2年ぶりに開店したさる喫茶店でも、サンドイッチとブレンドコーヒーのセットメニューが2年前のおよそ5割増の値段になった。最近は食料品以外でも値上がりが増えた。

 その対策として、まず富裕層に対する増税しかないことは、昨年12月に経団連が出した提言からも明らかだと私は考える。下記は朝日新聞デジタルの有料記事へのリンク。未登録者でも無料部分は読める(有料部分のプレゼントのリンクを本記事の末尾に張る)。

 

www.asahi.com

 

 以下無料部分を引用する。

 

富裕層への課税を強化、経団連提言 2040年見据え社会保障費抑制

木村裕明 2024年12月9日 19時47分

 

 経団連は9日、2040年を見据えた「公正・公平で持続可能な経済・社会」の実現に向けた提言を発表した。富裕層への課税を強化して10年後に5兆円規模の税収を確保し、現役世代の社会保険料の負担を抑えて「分厚い中間層」をつくるべきだとした。来年5月に2期4年の任期を終える十倉雅和会長にとって、総仕上げの提言となる。

 

 提言のタイトルは「FUTURE(フューチャー) DESIGN(デザイン) 2040」。高齢者数がほぼピークを迎える40年を見据え、資源のない島国で、少子高齢化や人口減が進むという大きな制約条件に直面する日本が「成長と分配の好循環」を続けるための道筋を示した。二つの制約条件から派生する日本の諸課題は「相互に絡み合う入れ子構造をなしている」と指摘。全世代型社会保障、環境・エネルギー、地域経済社会、イノベーションを通じた価値創造、教育・労働、経済外交という六つの柱を設けつつ、全体最適の視点で包括的な提言をまとめた。21年の会長就任時から「社会性の視座」を唱え続ける十倉カラーがにじむ内容だ。十倉氏は9日の記者会見で「提言が起点となって、中長期的な視点で国のあり方について議論が深まることを期待している」と述べた。

 

 分厚い中間層の形成に向けて…

 

朝日新聞デジタルより)

 

URL: https://www.asahi.com/articles/ASSD93FXLSD9ULFA005M.html

 

 しかしこの経団連の提言にさえ口を極めて反論したのが楽天三木谷浩史であり、その三木谷を応援するような記事を出したのが産経だった。

 

www.sankei.com

 

 上記記事を以下に引用する。記事中に弊ブログのNGワードである現元号が出てくるが引用文だから仕方ない。しかし記事中の表記が「西暦(元号)」になっていることや、何より産経の記事のURLに西暦の年数の「2024」が含まれていることには笑いを禁じ得ない。そういえば記事のタイムスタンプにも西暦が使われている(これは以前からずっとそうだが)。

 

経団連終わってる。成功した人に懲罰的重税か」楽天・三木谷会長 富裕層の負担増提言に

2024/12/10 18:01

 

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は9日、X(旧ツイッター)で、富裕層の課税負担増などを打ち出した経団連の政策提言について、「経団連終わってる。頑張って成功した人に懲罰的重税、正気か」と批判した。

 

経団連は同日公表した2040(令和22)年を見据えた提言「フューチャー・デザイン2040」で、富裕層の所得税負担を拡大して現役世代の負担を減らし、消費税増税などで財源を確保するよう求めた。社会保障制度に関しては、金融資産への課税強化など、富裕層への応能負担の徹底も打ち出した。提言は来年5月で任期を迎える十倉雅和会長の集大成としてまとめた。

 

三木谷氏はXで、「日本の最高税率は55%で主要国ではダントツ。最高相続税も55%とダントツ。合わせると実質80%。中国よりも高い税金」と指摘した上で、「日本から富裕層はいなくなり、海外で起業する人が増えるだろう」と危機感を示した。

 

「優秀な技術者もビジネスマンもスポーツ選手も日本にはほとんど来なくなるだろう」とも指摘した。三木谷氏はIT企業を中心とした経済団体「新経済連盟(新経連)」の代表理事も務めている。

 

産経新聞より)

 

URL: https://www.sankei.com/article/20241210-WMSYQFLXHFDB7DBUZ3647WZVE4/

 

 記事中で言及された三木谷のXは下記。「減税真理教」信者たちによる、三木谷応援&経団連・戸倉雅和・住友化学disのリプで溢れ返っている。

 

 

 三木谷は自民党よりも民民を応援しそうな勢いだ。だから私は楽天が大嫌いだし、プロ野球でも今や大嫌いな球団のワースト3は読売、ソフトバンクと並んでこの楽天だ。

 そろそろ結びにする。

 「コロナ禍における積極財政」や「物価高」が問われる局面になって、先の衆院選で大々的に「減税真理教」*2を打ち出した民民が大躍進した。衆院選後になって初めて民民に注目した人も少なくないだろうから、立民や新選組その他の政党の支持率が「選挙ブースト」が去って下がったあとも、民民の支持率は上げ止まっている。今年行われる選挙でも、民民や「石丸新党」、それに、たとえば私が住む東京都江東区においては須藤元気(無所属)や三戸安弥(上田令子一派)に代表される右派ポピュリストたちに引っ掻き回される可能性が高い。

 そんな現在の状況を呼び込んだ責任をどう考えても免れ得ない山本太郎、長谷川羽衣子及び元号新選組を厳しく批判する必要があると私は考える。

 最後に経団連の富裕層増税に関する前記朝日新聞デジタル有料記事プレゼントの利リンクを下記に示す。有効期限は6日10時41分。

 

digital.asahi.com

*1:https://www.data-max.co.jp/article/32497

*2:玉木雄一郎が発した「手取りを増やします」というスローガンは純減税しか意味しない。