またレバ子氏のXより。
自称「反緊縮派」の対抗勢力が財政規律派であってはならないのです。企業において黒字は望ましいですが、税収を分配する国家において、何度も言いますが「適正さ」が本来問われるものです。だから財政規律派が自分達が中道である正道であると言い出したら、それは立派に権威主義です。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月9日
その通りだ。こういうことは、2000年代後半の政権交代前にはねっとでしばしば議論されていた。私は弊ブログにしばしば「『上げ潮派』と『増税派』はともに新自由主義の別々の分派だ」と書いてきた。今の玉木雄一郎や山本太郎や民民支持層や新選組支持層と、立民支持層との対立構図もそれと同じだ。両方とも新自由主義の別々の分派だと思う。しかし今は、00年代後半にはそれなりにいた、社会民主主義の立場から双方を批判する論者がネットにはほとんどいないように見受けられる。その意味でもレバ子氏は貴重な存在だと思う。
だから提案型野党と言ってそれを全肯定しては行けないのです。反対勢力が提案するのは当たり前の話です。その提案力がキチンと反対勢力、野党勢力として示されていない方が問題です。だから自称「反緊縮派」の攻勢を許す。資本主義を暴走させる勢力の対抗馬は資本主義を修正する勢力が望ましいです。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月9日
これは昨年までの泉健太や2000年代半ばの(今もそうだが)前原誠司らに対する適切な批判。しかし立民支持層の中に正面切って泉を批判する人たちはほとんどいなかった。いても参院選に負けて表向き路線を転換した泉を肯定する立場に転換してしまった。昨年、代表選には負けたけれども枝野幸男が泉を下ろしたことは良かった。結果は泉と変わらない野田佳彦になってしまったが、最低限、党内や支持者の同調圧力を強めようとした泉の意図を砕くことはできた。最低限の結果でしかなかったとはいえ、「選挙で執行部を代えることができる」ことを示した。泉には2008年の民主党代表選を無投票にした小沢一郎の再現はできなかった。
資本主義を暴走させる勢力の対抗馬は資本主義を修正する勢力が望ましいというか、そうでなければならないことも当然だ。「修正資本主義」という言葉は現在ではほとんど用いられないのだろうか。
本来社会民主主義とはそういう勢力だったのですが、社会民主主義を口では望みながら、実際は財政規律をありがたいと思うのなら十分後退しました。個人はともかく政党や政治勢力において既に日本は社会民主主義勢力は消滅しました。あるのは右派、宏池会の治世を崇拝するリベラル。
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月9日
私は「財政規律」とか「財政健全化」などという言葉に対して「減税」に対してと同じくらい強い拒絶反応が出るが、立民支持層諸氏のXを見ていると、「減税」には批判的でも「財政規律」や「財政健全化」には親和的な人たちが多いように思われる。もちろんそうでなく両方を批判する人たちもいるがごく少数だ。
景気判断、東北・北陸を上方修正 継続的賃上げ「必要性が浸透」―日銀報告:時事ドットコム https://t.co/yqi7OYs8IV
— レバ子@Labor Struggle (@laborkounion) 2025年1月9日
現在は緩やかな景気回復期にある。しかし賃上げが物価上昇に追いついていないため、人々の生活が苦しくなっている。こういう時期に必要なのは、政府の政策としては*1、高所得層から増税して富を再分配する政策であって「減税」ではない。従って民民玉木分派の主張は完全に間違っている。
玉木らの主張から私が思い出すのは、これも結構頻繁に書くことだが、バブル期の竹下登政権だ。
竹下政権は「増えた税収は使わなきゃダメだ」みたいな間違った固定観念にとらわれたのか、バブル期に景気をさらに煽るバラマキ財政を行った。好況期の積極財政こそ「バラマキ」という罵倒用語が正しく用いられる局面だと私は思うが、竹下はそれをやり、そういう局面においてこそ本来必要だった「財政健全化」をやらなかった。竹下には格差縮小の観念もなかったが、好況期には見られる「トリクルダウン現象」が起きていて格差が縮小していたことがデータに示されている。「トリクルダウン現象」は不況期には絶対に起きないので、新自由主義者たちの主張は間違っている。わかりやすく書くと、好況期には国富の増加に富裕層の強欲が追いつかないから富が低所得層にまでこぼれ落ちるのに対し、不況期には減少する国富に対して富裕層が自分の富を守ろうとするから「椅子取りゲーム」になって格差が顕著に拡大する。デフレとは富裕層にとってとても好都合な時期だが、どうやらその時期は終わった可能性が高い。
竹下政権がやったのはバラマキ財政だが、玉木分派が求めているのは財政出動ではなく減税であり、要するに露骨に「小さな政府」を求める新自由主義だ。緩やかな景気回復期にあると認められる現在、減税が招く可能性が高いのはインフレだ。
しかるに「バスに乗り遅れるな」とばかりに立民党内で減税を求めるのが江田憲司一派であり、立民代表選で江田に降りてもらって立候補できた吉田晴美は、うかつにも江田の誘いに乗って減税の立民内議連の役員になってしまった。それが批判されるべき行為であるのはその通りだろうが、軍師が「野田代表に後ろから弓を引くなど、けしからん!」と号令をかけるや、吉田に一斉射撃を浴びせかける光景は見るに耐えない。
例によって、あの「駅前は朝の七時」がその悪例を示している。
「代表選に女性がいなかったから」とかいうつまんない理由で菅直人が吉田を持ち上げなければ、ただ単に杉並の共産に近い陣笠都市型リベラルだったんだよな 菅直人の見る目ないのもあるが、誰も育成しようとしないのも立憲の悪いところだわね
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2025年1月8日
吉田晴美が「共産に近い」とか、どこに目がついてるんだよ。
この「駅前は朝の七時」は、昨年4月の衆院東京15区補選の結果が気に入らなくて、事実無根のデマを垂れ流したやつだ。こいつのXをリポストするだけでも、私はリポストした人に警戒感を抱いてしまう。
吉田晴美、もう一月万冊みたいなろくでもないメディアには出ないように。立憲民主党支持者、意見が違うからと言って「出ていけ」とか言わないように(陰謀論、ヘイトは除く)。
— 奈良リベ丸 (@Liberal_Nara) 2025年1月9日
せめてこのくらいにとどめておくべきだ。
それに何より立民支持層には、彼らの多くが持つ「財政規律重視」「財政健全化」のネオリベ性を自覚することが求められると思う。
*1:民間の企業においては大幅な賃上げが求められることはいうまでもない。しかしなぜか玉キッズたちは賃上げには消極的だ。