kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

立民・枝野幸男が内閣不信任決議案の提出に否定的な考えを示した (読売, 4/12)

 昨日(4/12)、埼玉の会合で枝野幸男が発した言葉がネットで話題になったようだ。これを江川紹子が肯定的に取り上げたことを知って、時代は2010年代初頭と比べると大きく変わったものだと思った。

 

 

 江川氏といえば2010年代初頭にはよく池田香代子とつるんで小沢一郎を応援していた印象が強い。池田氏などはとくに先鋭的なオザシン(小沢一郎信者)で、当時の政権与党・民主党の小沢Gを「サハッ」(「左派」の意か?)と呼んだりしていたので弊ブログは散々池田氏を馬鹿にしたものだ。さる問題のツイート(当時)などが原因で最近はおとなしくなっているが、10年代初頭には、遅く政治に関心を持った人にありがちな「一時的熱狂」の状態にあったと思われる。

 前振りが長くなったが江川氏のXからリンクされた読売の記事は下記。

 

www.yomiuri.co.jp

 

立民・枝野氏「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党を作ってください」党内の消費税減税論をけん制

2025/04/12 19:12

 

 立憲民主党枝野幸男元代表は12日、米国による一連の関税措置への対応を優先するべきだとして、内閣不信任決議案の提出に否定的な考えを示した。さいたま市での自身の支持者との会合で語った。

 

 枝野氏は関税措置を「国難」と指摘した上で、「不信任案が通ったら、自民党総裁選や衆院解散などで1か月半の政治空白ができる。年中行事だからといって、(不信任案提出を)やるのは無責任極まりない」と強調した。

 

 また、党内で消費税減税を求める声が強まっていることに関しては、「次の世代につけを回すことになる。選挙対策としても最悪だ」と批判した。「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党を作ってください」とも述べ、党内の減税論を強くけん制した。

 

(読売新聞オンラインより)

 

URL: https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250412-OYT1T50112/

 

 私がもっとも注目したのは消費税現在云々よりも、枝野幸男が「内閣不信任案提出に否定的な考えを示した」ことだ。

 こういうことを言えるのは結局枝野しかいなかったのかと思った。

 既に昨年秋の衆院選の翌々日に、弊ブログは少数与党政権下で、しかも与党・自民党内に強力な反動的反主流派(高市早苗や安倍派)を抱える状態下での不信任案提出が早期衆院選や衆参同日選挙につながり、それが1980年の衆参同日選と同様の破壊的な結果につながってしまう恐れを指摘した。以下に再掲する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 第50回衆院選は、第一党の自民党が191議席、第二党の立憲民主党(立民)が148議席だったが、小選挙区制という制度は第一党に極端に有利で、第二党は第一頭よりは非常に不利だが、第三党以下に対しては圧倒的に有利、以下同様という制度だ。その小選挙区制でこういう結果になることは珍しい。2003年の第43回衆院選以来だろう。その第43回衆院選議席による衆議院だった2005年8月以来、19年ぶりに緊張感のある国会になるはずだ。もっともその前に自公が過半数を割っているので、そもそも投票日から30日以内に特別j国会を開会できるのかという話がある。しかしこれは日本国憲法第54条に定められていることから必ずやらなければならない。

 そのために自民党内に混乱というか党内抗争が起きたのが1979年10月から11月にかけての、大平内閣時代の自民党衆院選に負けた時に起きた「40日抗争」という激しい党内抗争だ。これはなんとか収束したものの、反主流派の不満は抑え切れていなかったので、翌1980年5月の「ハプニング解散」につながった。

 ネットの右派(ネトウヨ)の中に「次は来年の衆参同日選挙だ」と言う人間が少なくないのは、この時の経緯を踏まえている。要するに彼らは、高市早苗一派などの自民党極右派が、野党が出す内閣不信任案に賛成するなり議決に欠席するなりして衆院選に持ち込み、自民右派や維新、国民民主党(民民)、日本保守党などと組んで極右連立政権を樹立することを夢見ているというわけだ。

 1980年の衆参同日選挙の頃は、私はまだ選挙権を持っていなかった。現在の規定だと選挙権を有する年齢には達していたが、当時は選挙権は20歳にならなければ付与されなかった。しかし若い頃の出来事なので鮮明に覚えている。あの時は、社会党がうっかり内閣不信任案を出してしまったのが大失敗だった。自民党反主流派の造反によって不信任案可決で行われた衆参同日選挙区は、選挙戦中の大平首相の急死による同情票も相俟って悪夢のような自民党の圧勝になった。それが現在に至る日本の政治の流れに大きく影響している*1ネトウヨにとっては「夢よもう一度」というわけだ。だから野党も来年の国会ではうかうかと内閣不信任案は出せなくなった。不信任案が大きな意味を持つ政局に変わったわけだ。そう、2005年の「郵政解散」のように。あの時も小泉純一郎が不信任案可決に解散で応じて歴史的圧勝を遂げた。(後略)

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2024/10/29/082248

 

 1979年の衆院選もそうだったが、昨年の衆院選自民党にとって都合の悪い結果だったから、選挙の翌日には「次は衆参同日選挙だ」という声が上がった。これは、作用があれば必ず反作用があるという、人間社会に必ず働く古典物理学的な力学*1からいって当然だ。それどころか、予算案をめぐって不信任案を出せば春にも衆院選だ、などという声まで上がったが、それは実現しなかった。だから次は衆参同日選挙というわけだが、現在の石破内閣や自民党政党支持率からして石破自身が(2005年の小泉純一郎のように)解散を仕掛けることは考えられない。だとしたら野党第一党が内閣不信任案を出すしかないが、そんなことをやったら1980年5月の日本社会党と同じ誤りを犯すことになるので止めろ、それよりも昨年秋の衆院選で新たに形成された少数与党政権下での熟議の政治のあり方を新たな惰性力(慣性力)にするべく野党は動け、という意味のことを書いた。

 その後も、今年1月11日に公開した下記記事で内閣不信任案提出に反対している。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 民民の玉木分派。ありゃ「極中道」なんかじゃない。れっきとした「経済極右」だよ。

 そんな「経済極右」分派がさらなる大躍進を遂げかねない内閣不信任案なんか、野田佳彦は3月に出してはならない。昨日も書いた通り、不信任案が可決されたら石破茂がおめおめと総辞職なんかするはずがなくて、必ず解散総選挙になるから、今度は民民が小選挙区の壁さえ易々と乗り越えかねないのではないか。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2025/01/11/101458

 

 このあたりはたとえば宮武嶺さんとは明確に立場が違う。だから、宮武さんが内閣不信任案を出そうとしない野田佳彦を批判するブログ記事を公開した少しあとだったと記憶するが、3月19日に公開した記事に下記のように書いた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 宮武さんは野田佳彦が「内閣不信任案を出したり退陣を求めたりはしない」と言ったことを批判している。一方私はその点については批判するつもりはない。なぜなら内閣不信任案が可決されたら石破は衆院を解散して衆院選になるが、その結果爆発的に伸びるのは民民、次いで一部の選挙区で支持層の性向が民民支持層と極めて近いことが明らかになりつつある元号新選組であり、立民は野党第一党の座はたぶん守るだろうが特に躍進もせず、宮武さんよりもっと石破政権に厳しいと宮武さんが書く村野瀬玲奈さんが熱心に支持していると見られる共産党に至っては、政党支持率がきわめて危機的な状況にある。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2025/03/19/090654

 

 上記記事から三春充希氏の下記Xをリンクした。

 

 

 三春氏の有料note記事の最新の更新を見ると、3月に観察された共産の支持率急落にはどうやら統計誤差の影響もあったようで、最新の4月の更新では少し元に戻っているが、それでもグラフに示された最新の点は、昨年夏に急落した時の底よりもわずかながらさらに低い。共産党の党勢が有意な衰勢に入っているかはなお断定できないが、少なくとも昨年秋(衆院選前)の立民代表選で保守的な野田佳彦が代表になったことで共産党衆院選での獲得議席数が上向くのではないかとの三春氏の予想は実現せず、その後も同党が不調から脱していないことは確実だ。

 だがこの件については稿を改める。

 とりあえず、枝野が不信任案提出にノーの意思表示をしたことを弊ブログは評価する。と同時に、他の幹部、たとえば泉健太西村智奈美、とりわけリベラル派のはずの西村がこれを言えずにきたことは少々情けないとも思う。いつまでも自称保守の枝野にとって代われないようでは困るのである。

 なお枝野発言を報じた読売の記事にある減税/増税論については、人気ブコメの一番下にあった下記ブコメが一番良いと思った。

 

立民・枝野氏「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党を作ってください」…党内の消費税減税論をけん制

インフレしている最中の減税は狂った行為 よって、減税には増税が伴う だが、減税を叫ぶ党は一切増税の話をしない 減税とだけ叫び、経済音痴を集める愚行は止めるべきだ

2025/04/13 00:36

b.hatena.ne.jp

 

 減税と増税というより、歳出面での積極財政/緊縮財政、いやそれも財政支出の増加/減少(引き締め)は時々の経済状況によって変えるのが当たり前で、緊縮派対増税派などという問題の設定のしかたが根本的に間違っている。

 今は、政府も日本版MMT派も認めていないが後世にインフレと判定されるのは確実だと私は思っているので、その最中の減税は悪い政策だ。これが雇用不安を伴う本当の不況になれば、その時こそ財政支出を増加させる必要があるのだが、今減税してしまえばそれができなくなるからだ。もちろん日本版MMT論者は国債を発行すれば良いと言うだろうが、国際の利払いが逆再分配以外の何物でもないことを彼らは意識的に語らない。自分たちにとって都合の悪い事実だからだ。

 また、本当の不況になれば、「財政規律を大事にする人」はそれでも財政支出の引き締めをやるだろうから、そういう立場とも弊ブログは敵対する。

 上記ブコメは字数の制限もあってかいささか舌足らずだが、おそらくそういうことを言いたいのだろうと推測する。

*1:弊ブログは「惰性(慣性)の法則」が決まり文句で、某やめ共の軍師氏がよく使う「作用反作用の法則」はあまり言わないが、この法則が働くのも当然のことだ。