kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「参院選比例区の投票先、目立つ国民民主とれいわの勢い 朝日世論調査」(5/3有料記事の無料プレゼント)

 三春充希氏のXより。

 

 

 朝日が「三春形式」のグラフを採用したんだな、と思った。朝日新聞デジタルの有料記事へのリンクだが、グラフは無料部分に含まれているので見ることができる。三春氏のXからも参照できるが、直接リンクを下記に示す(スクリーンショットはしない)。

 

www.asahi.com

 

 グラフの上が昨年の衆院選の現実の投票行動で下が「参院選で投票するとしたら」の数字だ。

 しかしこのグラフには大きな落とし穴がある。

 それは、昨年の衆院選に「投票しなかった人」の多くは今年の参院選でも「投票しない」可能性が高いことだ。

 だから、他党への流出と他党からの流入に着目した方が良い。

 グラフを見ると、入超になっているのが民民で、その民民への流出が目立つのが自民、立民、維新の3党だ。うち立民と維新には自民からの流入もあるが、トータルでは民民への流出が多い。つまり昨年の衆院選と比べてもっとも勢いを落としているのは自民で、次いで立民と維新が悪い。昨年の衆院選で投票しなかった人たちは今年の参院選でもあてにならないと考えるとそうなる。その人たちの最多の選択は自民だから、やはり自民には朝日のグラフの印象よりももっと強い逆風が吹いていると思われる。

 私が選挙でもっとも注目しているのは議席数ではなく得票率である。参院選では比例区での議席数が得票率をよく反映する。その比例区の現段階での推定得票率、これはもちろん三春氏によるものだが、それは下記Xのようになっている。

 

 

 三春氏のグラフの並び順に、自民13、立民8、民民10、公明5、維新4、新選組4、共産3、参政3、日保1、社民1、みんつく0である。

 これを今回改選分の2019年と非改選の2024年の両方と比較してみる。

 2019年参院選は、自民19、立民8、民民3、公明7、維新5、新選組2、共産4、社民1、N国1だった。

 また2022年参院選は自民18、立民7、民民3、公明6、維新8、新選組2、共産3、参政1、社民1、N党1だった。

 つまり「今の情勢だと」下記のようになる。

  • 自民 19→18→13
  • 立民 8→7→8
  • 民民 3→3→10
  • 公明 7→6→5
  • 維新 5→8→4
  • 新選組 2→2→4
  • 共産 3→3→3
  • 参政 0→1→3
  • 社民 1→1→1
  • 日保 0→0→1

 社民の1は、三春氏のグラフでも0になったり1になったりしている。また日保の「0」は実際には日保自体が結成前だが、便宜的に「0」と評価した。

 朝日が民民と新選組の勢いが目立つと書くのは当然で、その他に参政の躍進も目立つ。民民や新選組とは対照的に、参院選比例区で確実に敗北するとみられるのが自民、立民、維新の3党だ。6年前に19議席だったのが13議席と予想されている自民もとんでもない惨敗になりそうだが、今でこそ19年並みの議席が予想されている立民は、ここから1議席減らしたら「提案型野党」時代の前回と同じレベルの大惨敗になる。また維新も2021年衆院選以降しばらく続いた好調期から、2017年衆院選前後を底にした「伸び悩み期」に逆戻りしそうだ。

 その他の政党では参政は22年と比較して躍進が予想されている。この党は「右」か「左」かよくわからない新選組とは対照的に明確な右翼(極右)政党だが、宗教右派色が薄く「減税主義」色が強いところが新選組および日保と違う。日保も民民、新選組、参政と同じ「減税4党」の括りに入る。そういうネットの議論の流れから「増税派」にレッテル貼りされることを嫌った共産・立民2党の醜態が目立ったのが4月の政局だったと「再分配派」の私は思っている。先月の両党の動きは「再分配派」の立場から見ると「空いた口が塞がらない」ものだった。なおこの「再分配派」という表現は、立民支持者(どなたかは忘れた)のXの表現を借りた。その方は「野田(佳彦)さんは減税派からも再分配派からも批判されている」と書いていた。再分配派は社会民主主義(社民)派とも言い換えられるが、今の社民党社民主義政党党はいえないと私は考えている。しかし参院選では「社民」を名乗る政党に消えてもらっては困るからという消極的極まりない理由で社民の「1議席」に賭けざるを得ない。今回は福島瑞穂が出ない回でもあり、候補者名ではなく政党名を書くことに決めている*1

 なお三春氏は衆院選の比例ブロック議席推定もしているので、それを2021年及び2024年の比例ブロック獲得議席と比較してみる。「2021年衆院選の比例議席数→2024年衆院選の比例議席数三春氏の推定議席数」の順に、下記のようになる。

  • 自民 72→59→54
  • 立民 39→44→30
  • 民民 5→17→32
  • 公明 23→20→18
  • 維新 25→15→11
  • 新選組 3→9→16
  • 共産 9→7→7
  • 参政 0→3→2
  • 社民 0→0→0
  • 日保 0→2→1

 ここでも自民、立民、維新3党の退潮が著しい。自民は大敗した前回衆院選からさらに減らすと予想される惨状にある。また立民は、同党の支持層が考えているであろうよりもずっと深刻な党勢にあり、前述の通りその不振ぶりは3年前の2022年参院選の頃、つまり前代表の泉健太が「提案型野党」を打ち出していた頃に匹敵する。

 しかしその頃に「ブイブイいわせていた」維新は、参院選のところでも触れたが立民以上に深刻な衰勢にある。その維新に立民代表の野田佳彦がすり寄っているが、これは昨年の立民代表選で枝野幸男が選ばれていればあり得なかった動きなので、腹が立ってならない。もっとも枝野が代表に選ばれていたら、立民には今頃分裂騒ぎが持ち上がっていた可能性がある。私は2017年の民進党代表選の時に、前原誠司が勝っても枝野幸男が勝っても民進は分裂する、前者の場合は前原自身が党を割るし、枝野の場合は党内右派が出ていくと予想して前者の予想が当たったが、攻撃力は強いもののそのために反発も招きやすい枝野の方が野田よりも分裂のリスクがずっと大きいことも事実だ。だからどちらがマシだったかは現時点ではなんともいえない。衆院選小選挙区制の束縛が大きすぎるのが痛く、この点では私は衆院選比例代表をベースにして「人を選ぶ」要素を加味した、具体的には小選挙区比例代表併用制のような制度が望ましいと考えている。ちなみに小選挙区導入に「貢献」しながら、2012年に自らその陥穽に嵌ってしまった愚かな政治家が小沢一郎である。

 今月に入って4日目、既に朝日新聞デジタル有料記事の無料プレゼントの月5本の枠のうち2本を使ってしまった私は、3本目を使うかどうか少し迷ったが使うことにする。

 それは有料部分を読んで、朝日新聞を含む「オールドメディア」のみに情報源を頼る人たちと、インターネットのみに情報源を頼る人たちの投票行動があまりにも違いすぎるからだ。民民も相当違うが、新選組はそれ以上に違う。

 昔話だが、現新選組系のさとうしゅういちさんが、ブログに「ネットだけなら『維新政党・新風』と『9条ネット』」の二大政党だと書いていたことが印象深い。2007年のことだ。

 それが今なら、ネットだけなら民民が第一党で、新選組と自民とが第二党争いをする情勢だ。立民が第四党、維新が第五党としてその3党に続く。

 そんな現状があるから、記事を書いた君島浩記者は危機感を感じて、今回のシリーズ中の先立つ記事に、新選組支持層が党の基本政策に反して現憲法を「よい憲法」と評価する支持層が32%しかいないことを揶揄したのかもしれない。この記者は「鮫某」とは大違いだ。鮫某は朝日の紙媒体を購読していた頃には名前を誌面で見たこともない記者で、おそらく「窓際族」の人だったと思われるが、ネットではでかい顔をしている。

 鮫某の経歴はWikipediaにも載っているが、君島記者については朝日のサイトでしかわからなかった。

 

www.asahi.com

 

 その「鮫某とは一字違い」の君島浩記者が書いた下記朝日新聞デジタルの有料記事を無料プレゼントする。リンクは下記。

 

digital.asahi.com

 

 リンクの有効期限は5日午前9時47分。

 なおネットで政策や政局を議論している人たちのうち、私が普段ヲチの対象にしているのは、「旧媒体」のみに頼る層でもネットのみに頼る層でもなく、両方の論調(の流れ)を比較的よく知る人たちだろうと思う。だからそのうちの立民支持層の人たちも「減税主義」になびかない人たちが多いのだろう。しかしリアルではそんな人たちばかりではない。だから自分自身及び自らが属する政党の政策に自信を持てない「弱い」立民国会議員たちが「減税主義」の流れに崩れていくのだろう。特に江田憲司の影響力が強い神奈川県において、その弊害は著しいように思われる。

*1:福島瑞穂が出る回では、福島氏以外の候補者の名前を書くことにしている。それは福島氏が社民主義者とは認め難いからだ。人柄としては、たとえば憎むべきオザシンの阿部知子なんかよりもよっぽど良さそうな人だと思うけれども。